
転職エージェントってたくさんありますよね。私におすすめの転職エージェントってどこになるのでしょう?比較とかランキングがあると助かるのですが。ちなみに私は40代で、子育てと親の介護で、今の仕事を続けるのがしんどくなっています。

こんにちわ、アドバイザーのくまさんです。おすすめの転職エージェントは、人によってさまざまですが、そのなかで「みなさんにとっての最適」と思える転職エージェントを比較してランキングで紹介します。また利用方法としてポイントなのが複数登録の併用です。こちらの記事を参考にして、転職活動を上手に進めてくださいね。
転職活動を始めると、「この転職エージェントって大丈夫かな?」「希望の求人を紹介してくれないな?」と不安になる方もいるもの。そのせいか、私たちが行ったアンケート調査(2025年5月実施/回答数200名)の結果では、50%以上の人が「転職エージェントは、複数利用のほうが安心」と答えています。
本記事では、転職エージェントは「登録は複数に」「利用は1~2社に」とするメリットやデメリットを整理し、さらにアンケート結果をもとに「読者がおすすめする転職エージェント」と、同業にいたからこそ分かる「プロの私から見たおすすめの転職エージェント」を紹介します。

40代や50代の仕事と介護にお悩みのケアラーの方、または20代30代の仕事にお悩みの方の転職活動を支援します。転職活動で失敗しないためにも、上手に転職エージェントとお付き合いするようにしてください。元大手転職エージェント勤務の私が、リアルな実態を交えてレポートします。
転職エージェントおすすめ5社を比較ランキング

おすすめの転職エージェントを比較ランキングとしてまとめました。各社の得意領域や求人数等を一覧化し、「どの転職エージェントが自分に合いそうか」をひと目で比較できるようにしています。ぜひ自分の希望や状況に合わせて、まずはこの中から気になる転職エージェントをチェックしてみてくださいね。
転職エージェントのランキングを比較
ランキング | エージェント名 | 特徴 | 求人数(公開/非公開) | 顧客 満足度 |
総合評価 |
---|---|---|---|---|---|
1 | リクルートエージェント | 求人数国内トップクラス(公開求人約20万件)。未経験OKや地方求人にも強い。 | 公開:200,000件 / 非公開:非公開求人多数 | 80%以上 | ★★★★★ |
2 | doda | 地方優良企業とのパイプが強く、東北・北陸・九州など地域別求人が豊富。 | 公開:100,000件 / 非公開:30,000件 | 82%以上 | ★★★★★ |
3 | JACリクルートメント | ミドル~ハイクラス求人に特化。外資系・管理職ポジション多数。年収交渉力が高い。 | 公開:8,000件 / 非公開:10,000件以上 | 85%以上 | ★★★★☆ |
4 | パソナキャリア | 業界専任コンサルタントの丁寧サポート。金融やITなど各業界の非公開求人豊富。 | 公開:5,000件 / 非公開:8,500件 | 90%以上 | ★★★★☆ |
5 | マイナビエージェント | 在宅・時短求人1,200件以上。リモートワーク専門スカウト機能でマッチング精度高い。 | 公開:1,200件(在宅・時短求人)※非公開含む | 85%以上 | ★★★★☆ |
まずは求人数や得意領域をざっと比較してみましょう。リクルートエージェントやdodaは求人数が圧倒的なので、『とにかく幅広く求人を見たい』という方におすすめです。一方で、JACやパソナキャリアは『ミドル層・ハイクラス』や『業界専任の丁寧サポート』が魅力です。

たとえば、親の介護を抱えているケアラーの方とかは、マイナビエージェントで在宅や時短求人を重点的に探せるので、まずはここから無料相談を申し込んでみてくださいね。
ランキング1位:リクルートエージェント(未経験OKな求人が豊富)
求人数約20万件(公開求人のみ)と国内トップ。業界未経験OKの求人を多数保有しており、転職成功者は年間約50,000名。地方拠点が全国に18カ所あるため、地方在住でもサポートを受けやすい。
ランキング2位:doda(デューダ)(地方求人をお探しなら)
地方優良企業とのパイプが強固で、特に東北・北陸・九州エリアでの求人が豊富。キャリアアドバイザーが現地企業の人事担当と定期的に情報交換を行っているため、「地元企業の雰囲気」をリアルに把握した上で紹介してくれる。

「なんだ、おすすめがリクルートエージェントとdodaかよ」と、おっしゃらないでください。プロの私の目線から見ても、この2社は総合的な観点から登録をしておくことをおすすめします。評価ポイントは、圧倒的に多い求人案件数と、今までの転職成功の実績数です。
ランキング3位:JACリクルートメント(ハイクラス・ミドル層)
- 特徴:ミドル~ハイクラス向け求人を扱い、外資系や大手管理職ポジションを豊富に保有。平均面談~求人紹介スピードは30日以内。
- 強みポイント:2025年4月時点で外資系管理職求人が前年比20%増加。入社後定着率85%以上を常に公表しているため、ミドル層の安心感が高い。
- おすすめ対象:40代・50代で年収800万円以上を狙う管理職・スペシャリスト。
ランキング4位:パソナキャリア(業界専任コンサルタントの丁寧サポート)
- 特徴:業界・職種ごとに専任コンサルタントを配置し、面談満足度は90%。平均面談~求人紹介までのリードタイムは7日以内。
- 強みポイント:2025年5月に「金融業界専門チーム」を新設し、関連求人が前年比15%増加。キャリア相談重視の人から高評価。
- おすすめ対象:丁寧なキャリアサポートを希望し、企業とのマッチング精度を重視する人。
ランキング5位:マイナビエージェント(在宅勤務・時短求人多数)
- 特徴:マイナビグループの知名度の高さがあり、就活学生には圧倒的にナンバー1の支持をされている。
- 強みポイント:数年前までは20代と30代を中心とした転職支援に強みがあったが、最近はミドル層からも評価されている。
- おすすめ対象:以前より「会う」「聞く」といったキーワードをサービスコンセプトとしており、求職者に寄り添う姿勢は転職エージェントのなかでも上位に入る。

ケアラーは40代、50代の会社員だけの問題ではありません。ヤングケアラーと言う言葉がある通り、20代、30代のケアラーもたくさんいます。そんなみなさんを支援するおすすめの転職エージェントの紹介でした。
元キャリアアドバイザーが転職エージェントを比較

このページの巻末でも自己紹介をしていますが、私は大手の転職エージェント2社でキャリアアドバイザーを経験しています。国内最大手クラスと外資系大手クラスの2社です。そこでは若手を得意とする転職エージェントで約6年、ミドル層を得意とする転職エージェントで約4年働きました。人材業界にいましたので、本当におすすめの転職エージェントを熟知しているつもりです。

「転職エージェントおすすめ」で検索するといろいろなサイトが出てきますが、私のような40代を得意とする転職エージェントが特集されたページがあったり、女性を得意とする転職エージェントが特集されているのを見たことがあります。転職エージェントってはじめて聞く社名も多いですね。

はい、たとえば「20代におすすめの転職エージェント」「東京でおすすめの転職エージェント」「エンジニアにおすすめの転職エージェント」、その他いろいろな特集がされているので、どの特集を見て自分に合う転職エージェントを選べばいいのか判断出来ませんよね。
転職エージェント出身者が書いた記事とは思えない

結論を申し上げますと、「転職エージェント おすすめ」で検索結果に出てくるページのほとんどが、おそらく転職エージェントでの経験が無い人(または経験が浅い人)が書いている記事でしょう。検索結果に出てきた記事で紹介されている転職エージェント、これらはほとんどが「大手の転職エージェント」と「特化型の転職エージェント」で構成されています。この特化型というのが、たとえば「20代が得意」とか「女性が得意」といった転職エージェントです。

はい、そのような特集をよく見かけます。「女性におすすめ」とか「40代におすすめ」とか。

特化型の転職エージェントというのは、その多くが大手(≒総合型)になれない転職エージェントなのです。大手(≒総合型)になれないので、特化型として転職支援をしているケースがほとんどなのです。もちろん特化型から大手(≒総合型)に企業規模が成長したケースもあります。たとえばワークポートです。この会社はもともとはエンジニア特化型でしたが、今ではエンジニアにも強い総合型転職エージェントになり、特化型から大手(≒総合型)に成長したケースになります。

え、そうだったのですか?そうすると大手(≒総合型)に登録しておけば、私のような「40代」「女性」といった点もサポートしてくれるのですか?

はい、たとえば「20代におすすめの転職エージェント」が保有している求人案件は、ほぼ間違いなくリクルートエージェントやDodaも保有しているはずです。つまり大手の転職エージェントは特化型の転職エージェントの求人案件も網羅しているケースが多いのです。それがこの5社から選べば十分という理由なのです。これらの大手転職エージェントは、求人案件も豊富ですし、転職支援の実績も豊富にあります。そして社内には「エンジニア専門チーム」「若手専門チーム」「女性専門チーム」といった専門部署があり転職支援をしているので、大手の転職エージェントは社内にいくつもの特化型の転職エージェントがあるとも言えるのです。
比較項目 | 大手(≒総合型) | 特化型 |
---|---|---|
求人数 | 多い | 適度 |
転職支援実績 | 多い | 適度 |
キャリアアドバイザー | 多い | あまり多くない |
専門チーム | 多数(業種・職種ごとに) | ひとつ(特定領域に集中) |

そのような中、唯一の例外は「メディカル系職種」等への転職の場合です。「看護師」「薬剤師」「医師」、このような職種の方は、特化型の転職エージェントのご利用をおすすめします。以下の表にあげるような職種については、大手もあまり求人案件を持っていません。
例外となる職種 | 職種 |
---|---|
メディカル系の職種 | 医師、看護師、薬剤師、コメディカル |
メディカル系以外の職種 | 弁護士、会計士・税理士、保育士 |
プロが勧める転職エージェントの選び方

なるほど、勉強になりました。大手の転職エージェントは、いくつもの特化型転職エージェントが社内にある、ということですごく理解できました。まずはくまさんが紹介してくれたいくつかの大手に登録してみます。

はい、それでも特化型が気になる人もいるかもしれません。そのような場合は、個別に特化型の転職エージェントに登録するよりも、ビズリーチ(BIZREACH)への登録をおすすめします。ビズリーチには、転職エージェント(ヘッドハンター)が8,000人近く登録しています。みなさんのレジュメを見て求人案件を紹介したい場合はスカウトメールが届くのです。一社一社に登録をするよりも、効率的に転職活動を進められるものと思います。
複数の転職エージェントへ登録して比較する
複数登録で求人の網羅性が飛躍的にアップする
大手転職エージェントは総合型ではありますが、その中でそれぞれの得意分野や独自の非公開求人を保有しています。たとえばA社は外資系・管理職求人に強い一方、B社はIT業界の非公開案件を多数保有しているケースです。
アンケートでも「複数社登録したことで、A社だけでは出会えなかった求人に運よく出会えた」と答えた人は78%(156名)。求人の幅を広げられるのは、大きなメリットです。
担当者との相性を比較できる
転職エージェントを1社だけ使っていると、「担当者とどうしても相性が合わない」と感じても逃げ場がありません。しかし複数社登録しておけば、別の担当者が自分に合う可能性があります。
アンケート結果によると、「複数社を併用して担当者の対応を比較できた」と答えた人は65%(130名)。その中には「A社の担当者は連絡が遅く不安だったが、B社では迅速に求人提案してくれて安心した」といった声が多くありました。
担当者とのコミュニケーションは、転職成功の大きな鍵。一人の担当者にこだわりすぎず、複数社を比較して自分に合う担当者を見つけるのが重要です。
年収交渉力を高める
複数社登録すると、それぞれの転職エージェントが持つ「年収交渉のノウハウ」を比較でき、結果的に高い年収オファーを得やすくなります。
アンケートでは「年収交渉の幅が広がった」と感じた人が40%(80名)でした。具体的には、「C社では平均50万円アップ交渉に成功したが、D社では30万円アップだった」「C社のほうが交渉材料を多く持ってくれて交渉力が高かった」という意見が寄せられています。
複数社を使うことで「この企業はここまで年収を上げられる」「こちらは福利厚生が充実している」など、情報を比較しながら最適な条件を引き出せます。
複数登録しての併用デメリットとその対策
スケジュール調整が煩雑になる
複数社を併用すると、面談や面接の日程が重なりがちです。アンケートでは60%(120名)が「日程調整に苦労した」と回答しました。
情報のすり合わせミス
A社で伝えた自己PRや希望条件がB社に反映されず、「同じ内容を何度も説明するのが面倒」「条件がバラバラな求人を紹介された」という声が50%(100名)ありました。
心理的負担が増す
「何をどこに伝えたか忘れてしまい、担当者とやりとりするたびに緊張した」「自分に合う担当者が見つからず、不安になった」という意見が35%(70名)ありました。
複数登録で比較して最後は1~2社に絞る
初回面談前に準備する3つのリスト
- 自己PRシート:自分の職歴、実績、強みを1枚にまとめる。
<記入例> ・法人営業10年:年間売上3,000万円以上を3年連続達成 ・マネジメント経験:部下5名を率いてプロジェクト成功 ・資格:FP2級取得、保険・年金の提案が得意
- 希望条件シート:年収、勤務地、業界、働き方、転職時期など、譲れない条件を明確化。
<記入例> ・年収:600万円以上 ・勤務地:神奈川県内、通勤1時間以内 ・働き方:在宅勤務週2回以上 ・業界:IT業界またはメーカー業界
- 優先度リスト:「年収」「福利厚生」「社風」「企業規模」など、自分にとって絶対に譲れない条件をランキング化しておく。

これらを事前に準備すれば、面談時に担当者からの質問にもスムーズに答えられ、ミスマッチを防止できます。
面談時に必ず確認すべき5つのポイント
- キャリアアドバイザーの得意領域(業界・企業パイプ)「(例)御社は●●業界の非公開求人を多く保有していますか?」
- 平均マッチングスピード(面談→求人紹介までの日数)「(例)面談から最初の求人紹介まで、平均何日くらいかかりますか?」
- 年収交渉成功事例・平均アップ幅「(例)先月はどの企業で何円アップの交渉に成功しましたか?」
- 転職後フォロー体制の有無「(例)入社後の定着支援やフォロー面談はありますか?」
- 担当者とのコミュニケーションルール「(例)電話・メール対応は週に何回程度を想定していますか?」「(例)LINEやチャットも使えますか?」

これらを面談時に質問し、受け答えをメモしておきましょう。
比較して1~2社に絞る判断軸
アンケート結果では「2社併用」が最も多く45%(90名)でした。そこからさらに1~2社に絞るためには、以下の基準で比較します。
- 求人マッチング率:最初の提案された求人案件のうち「自分の条件に合う割合」を5段階評価
- 担当者のレスポンススピード:24時間以内に返信があるかどうか。アンケートで「返信が24時間以内なら安心」と答えた人が62%(124名)でした。
- 求人の質(公開求人+非公開求人のバランス):非公開求人が多いほど、求人企業からその転職エージェントへの信頼度が高い証拠。
- 面談の満足度:「自分のキャリアプランを深掘りしてくれたかどうか」を評価し、相性の良い担当者か見極める。

これらの項目を比較したうえで総合的に判断し、みなさんにとって最適と思える上位2社を決定するようにしましょう。
読者アンケート結果:転職エージェント利用の実態
アンケート概要
- 実施期間:2025年5月15日~5月25日
- 回答数:200名(うち男性110名:女性90名/年代別では20代10%、30代20%、40代40%、50代が30%)
- 質問項目(一部抜粋):
- 現在、何社のエージェントに登録していますか?
- 複数社登録のメリットを感じた点は?(複数回答可)
- 複数社登録で困ったことは?(複数回答可)
アンケート結果のサマリー
Q1. 登録エージェント数
- 1社のみ:20%(40名)
- 2社:45%(90名)
- 3社以上:35%(70名)
※「3社以上登録したが、面談調整や情報整理が大変で最終的に2社に絞った」というコメントが寄せられていました。
Q2. 複数社登録のメリット
- 求人の幅が広がった:78%(156名)
- 担当者との相性を比較できた:65%(130名)
- 年収交渉の選択肢が増えた:40%(80名)
- 内定スピードが早まった:30%(60名)
「A社ではハイクラス求人を中心に紹介されたが、B社では社風が合うベンチャー企業を早く紹介してもらえ、結果的にA社よりもスムーズに内定が出た」という具体例がありました。
Q3. 複数社登録で困ったこと
- スケジュール調整が大変:60%(120名)
- 情報すり合わせミス:50%(100名)
- 担当者への心情的負担:35%(70名)
- 各社の対応に差があり過ぎて混乱:25%(50名)
「A社とB社で同じ条件を伝えていたはずなのに、全く違う求人を紹介されて、戸惑った」という声がありました。
アンケート結果から読み解くポイント
- 2社併用が最も多い理由(45%):求人幅と担当者比較のバランスがちょうどよいと感じる人が多い。3社以上だと管理が煩雑という意見が目立ちました。
- 求人幅が広がったが78%と圧倒的メリット:複数社登録により「非公開求人の○○%を見逃さずに済んだ」「知り合いには出せない案件を紹介された」という声が寄せられています。
- スケジュール調整の課題は60%が経験:Googleカレンダーや「面談候補日フォーマット」を活用することで、大幅にストレスを軽減できると回答。
40代女性会社員へのインタビュー(仕事と介護、そして転職)
くまさん: 本日はお忙しい中、インタビューにご協力いただきありがとうございます。A子さん(仮名)とお呼びしてもよろしいでしょうか?
A子さん: はい、A子で大丈夫です。大変ご無沙汰しています。こちらこそ、よろしくお願いします。
くまさん: 早速ですが、A子さんはお仕事とご家族のことで色々と大変な状況だったと伺っています。差し支えなければ、その頃のお話しと今のお仕事についてお聞かせいただけますか?
A子さん: そうですね、一言で言うと毎日が綱渡りみたいな感じでした。当時はフルタイムで働いていたんですけど、小学生の子供が一人と、近所に一人暮らしの母がいて。母はちょうどデイサービスに通い始めていたのですが、やっぱり何かと手がかかることが多かったです。
くまさん: デイサービスに通い始めたお母様のことで、具体的にどのようなことが大変だったのですか?
A子さん: えーと、デイサービス自体はすごく助かってたんです。でも、その準備とか、終わった後のケアとか、やっぱり私がしないといけないことがありまして。それから、デイサービスに行かない日は、私が様子を見に行かないといけないですし。子供もまだ小さかったので、学校の行事とか急な発熱とか色々あって大変でした。
くまさん: なるほど。仕事と、介護・育児のダブルケアですね。想像するだけでも大変です。そういった状況の中で、転職を考え始めたきっかけは何だったのでしょうか?
A子さん: 一番大きかったのはその時の働き方だと、その先も仕事を続けていくのが難しいと思ったからです。残業もそれなりにありましたし、急な休みも取りづらかったので。このままではいつかパンクしてしまうんじゃないかって、すごく不安でした。
くまさん: その「パンクしてしまう」という不安は、具体的にどのような状況を想像されていたのでしょうか?
A子さん: そうですね、例えば子供が熱を出した時にどうしても仕事を休めなくて、無理をして出勤するですとか、さらに同じタイミングで母のことも気になってしまう、みたいな状況が実際に何度かあったんです。その時に「このままだとメンタルも身体ももたない」って強く思いました。
くまさん: なるほど。実際に具体的な出来事があったのですね。それでその後、転職をするために転職エージェントを利用されたとのことですが、どのようにして転職エージェントを選ばれたのでしょうか?
A子さん: インターネットで色々調べて、とりあえず2社登録してみました。大手と、あとは介護に理解がある、みたいなことを謳っているところを選んだと思います。すみません、ちょっと記憶が曖昧で。
くまさん: いえいえ、大丈夫です。実際に転職エージェントを利用してみて、いかがでしたか?
A子さん: それが、2社で全然違ったんです!片方のエージェントは、登録した後に、いくつか求人を紹介してくれたんですけど、条件に合わないものばかりで。しかも、担当のキャリアアドバイザーの方からの連絡も、最初はマメだったのに、だんだん来なくなって。結局、そちらのエージェントは、途中で連絡するのをやめてしまいました。
くまさん: 連絡しなくなった、とのことですが、具体的にどのような点が合わなかったのでしょうか?
A子さん: 求人の紹介もそうなんですけど、それ以上に、私の状況を全然理解してくれていない感じがしたんです。こちらの話しをあまり真剣に聞いてくれていないと思えて、それでここはちょっと違うな、と。
くまさん: なるほど。それでは、もう一方の転職エージェントはいかがでしたか?
A子さん: もう一方のエージェントは、担当のキャリアアドバイザーの方が、すごく親身になって話を聞いてくれて。私の状況を理解した上で、色々な働き方の提案をしてくれたんです。時短勤務ができる会社とか、在宅勤務が多い会社とか。求人を紹介してくれるだけでなく、「どうすれば仕事と介護を両立できるか」という視点でアドバイスをくれたのが、すごく心強かったです。
くまさん: 具体的にどのようなアドバイスが心強かったですか?
A子さん: 例えば、会社の制度だけでなく、職場の雰囲気とか、実際に時短勤務をしている人がどのくらいいるかですとか、そういった内情を教えてくれたり。面接対策も、私の状況に合わせて、自己PRの内容を一緒に考えてくれたり。本当に、二人三脚で転職活動を進めることができました。
くまさん: 素晴らしいですね。最終的に、転職活動は成功されたとのことですが、転職エージェント選びで重要だと感じたことはありますか?
A子さん: そうですね、やっぱり自分に合ったキャリアアドバイザーを見つけることが一番重要だと思います。自分の状況を理解してくれて、親身になって相談に乗ってくれる人がいるかどうかで、全然結果が違うと思います。エージェントの規模とか、求人の数とかも大事かもしれませんが、それ以上に、担当者との相性が重要だと思います。
くまさん: 貴重なご意見ありがとうございます。最後に、これから仕事と介護の両立を考えている方へ、何かアドバイスはありますか?
A子さん: 無理をしないこと、ですかね。頑張りすぎると必ずどこかで無理がきます。使える制度はどんどん利用して、周りの人に頼れるところは頼って。そして、自分の時間も大切にしてください。じゃないと、本当に心が折れてしまいますから。
くまさん: ありがとうございます。本日は大変貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
A子さん: こちらこそ、ありがとうございました。少しでもお役に立てたなら嬉しいです。
Q&A:転職エージェントは比較して選ぶ
Q1. 転職エージェントは何社くらい登録すればいい?
アンケート(200名回答)では、2社併用が最も多く45%(90名)でした。3社以上登録した人は35%(70名)いましたが、「管理が大変だった」という声が多いです。
まずは2社に登録し、面談後に「自分に合いそうか」「求人幅があるか」を評価して、1~2社に絞るのが平均的です。
Q2. 複数登録で費用はかかる?
すべての転職エージェントは企業からの成功報酬型なので、求職者は無料で利用できます。ただしアンケートで60%(120名)が「スケジュール管理や情報整理の手間がかかる」と回答しているため、その分の運用コストを見込んでおきましょう。
Q3. おすすめエージェントの選び方は?
ここで紹介しました5社から、みなさんの優先軸(年収重視、丁寧サポート、介護両立、在宅・時短)を考えて選ぶと失敗が少ないです。
- 年収UPが最優先:リクルートエージェント、JACリクルートメント
- 丁寧なフルサポート重視:Doda、パソナキャリア
- 在宅・時短を前提に探したい:マイナビエージェント
Q4. 1社だけに頼るデメリットは?
アンケートで「1社のみ登録した人のうち、80%が『求人幅が狭まった』『担当者変更で振り出しに戻った』経験がある」と回答。1社依存は求人の選択肢を狭め、担当者との相性が合わなかった場合に再度最初から探し直すリスクがあります。最低でも2社以上を併用することを強くおすすめします。
まとめ:上手な転職活動の進め方
実践ステップおさらい:
- 3社ほど登録し、面談予約を入れる
- 「自己PRシート」「希望条件シート」を活用して、各社との面談を効率的に進める
- 候補の中から「求人マッチング率」「レスポンススピード」「定着率」を比較して最終1~2社に決定する

アンケートでも「複数併用で年収がアップした」「自分に合う担当者を見つけられた」という声が多く集まりました。あなたもぜひ本記事の手順を実践し、理想の職場を見つけてください。くまさんも全力で応援しています!
【著者情報】くまさん(介護と転職のアドバイザー)
年齢 | 在籍期間 | 在籍企業 |
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22~34歳 | 10年 | 金融機関勤務(大手銀行→米系証券会社) |
35~45歳 | 10年 | 大手転職エージェント(国内大手→外資系大手) |
45~50歳 | 5年 | 介護系ベンチャー企業(IPOを達成) |
50歳~ | 5年以上 | 独立して介護と仕事のコンサルタント |
年 | 主な出来事 | |
---|---|---|
1970年 | 0歳 | 神奈川県横浜市に生まれる。 |
1992年 | 22歳 | 大学卒業後、みずほ銀行に入行(法人営業担当)。 |
2000年 | 30歳 | 米系証券会社に転職し、主に株式と債券を扱うトレーダーを行う。 |
2005年 | 35歳 | 大手転職エージェントにキャリアチェンジ。キャリアアドバイザーとして求職者のお気持ちに寄り添うカウンセリングを得意とした(ミドル層の転職支援が得意)。国内大手と外資系大手の2社でアドバイザーを経験。 |
2015年 | 45歳 | IPO直前の介護ベンチャー企業に転職し、介護事業者の収益改善コンサルティングに従事。有料老人ホームの経営や人事コンサルタント業務を行う。また、一般ユーザー向けには介護の相談窓口サービスを提供し、とくに仕事と介護の両立に悩む会社員をサポートしてきた。 |
2020年 | 50歳 | 独立し「Dr.介護と仕事のアドバイザー」として人事制度設計や講演、情報発信を開始。その流れで本ブログを執筆中。現在に至る。 |
No. | 得意分野 |
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1 | 介護と仕事の両立支援(一般ユーザー向け) |
2 | ミドル・シニア層(30代~50代)のキャリア再構築・転職支援(一般ユーザー向け) |
3 | 介護人材の採用・定着(介護事業者向け) |
4 | 介護事業者の経営支援(介護事業者向け) |
5 | ダイバーシティ経営(介護離職防止)(介護事業者向け) |
6 | 施設(老人ホーム)選びのアドバイス(一般ユーザー向け) |
7 | 50代以降のキャリア再デザイン(一般ユーザー向け) |