
転職エージェントが信用できない、と思えてきました。面談中もあまり私の話しをちゃんと聞いてないように思えましたし、そのあとの紹介される求人も希望とは違うものです。このままこのアドバイザーとお付き合いする気になれませんが、どうしたらいいでしょうか?

こんにちわ、アドバイザーのくまさんです。このように、転職エージェントを信用できないといったご意見を聞くことがあります。信用できなくなる理由はさまざまですが、そのようなお気持ちにならないような転職エージェントの選び方をお教えしますので参考にしてください。
転職活動を始めようとする方から、「転職エージェントを使ったらかえって時間を無駄にした」「担当者の連絡がしつこくてうざい」「信用できない対応をされた」という声を聞くことがあります。
本記事ではみなさんが感じた、転職エージェントは「信用できない」「使えない」「うざい」という3大ネガティブケースを具体的に解説します。
その上で信頼できるエージェントを選ぶポイント、成功事例、ネガティブをチャンスに変えるテクニックをお伝えします。
①今の仕事が嫌になって転職活動を始めようとする方
②転職活動中で、転職エージェントに信頼を置けないと感じている方
転職エージェントが「信用できない」「使えない」「うざい」と感じる理由
理由① 「信用できない」こちらのペースを無視して急かされる
転職エージェントは企業から内定が出たとき、成功報酬として転職者の年収の約30~35%をフィーとして受け取るビジネスモデルになっています。そのためキャリアアドバイザーは「毎月◯件入社を決定しなければならない」というノルマが課せられているのです。そうすると、みなさんの事情よりも「とにかく内定を出す」ことに注力しがちになるアドバイザーも多いのです。
たとえば家庭事情を抱えながら転職活動をしている人が、「親の通院があるので面談は週1回しかできない」と伝えているにもかかわらず、「今週中に面接を入れたましょう」「いろいろ求人を見せるから来週までに書類を仕上げましょう」とこちらの都合を無視して急かされ、心身ともに疲弊してしまうケースがあります。
こっそり教える転職エージェントのウラ話し
ここで転職エージェントで働いていたからこそみなさんにお伝えできるウラ話をひとつ。
(多くの会社の)キャリアアドバイザーには、売上ノルマがあります。そこで例えば皆さんが2社から内定を頂いたとしましょう。A社は年収500万円、B社は年収が600万円。そうすると多くのキャリアアドバイザーはみなさんにB社を勧めてきます。
理由はシンプル、B社に入社して頂いた方がそのキャリアアドバイザーの売上になるからです。このような事は本当にある話しですので、このようなときはキャリアアドバイザーに「なぜB社を勧めるのですか?」と質問してハッキリとした回答をもらうようにしましょう。
理由② 「使えない」本来の希望条件とマッチしない
転職エージェントは求人企業から入社決定後に手数料をもらう仕組みになっています。そのため採用人数が多い大手企業や有名企業の求人案件を優先して紹介する傾向にあります。これは大手企業や有名企業の方が求職者のみなさんからの応募率がぐっと上がるのが理由です。
いかがですか、みなさんにも身に覚えがあるはずですよね。「あ、大手の有名企業だ」という理由で応募をしようとしていませんか。
キャリアアドバイザーには売り上げノルマがあると話しました。そしてノルマを達成するには、まずはたくさんの会社に書類応募を出すことからはじまります。そしてこの大手企業や有名企業の紹介は、みなさんからの応募数を増やすことが出来るのです。
そうすると、みなさんが本当にやりたいこと、やるべきことよりも、会社のネームバリューが優先される転職活動になっていくのです。つまり、これはキャリアアドバイザーが多くの求職者の大手志向を知ったうえでの提案であり、みなさんのキャリアや今後の希望に合った本当の提案にはなっていないのです。
しかしこのようなケースの場合は、キャリアアドバイザーだけでなくみなさんにも責任があることは付け加えておきます。
理由③ 「うざい」コミュニケーションが一方的でストレス
転職活動をする方は、それぞれの環境や事情が異なります。たとえば子育てをしながらの活動だったり、親の介護をしている人もいます。このような方の多くは、連絡手段はメールやチャット、伝言でもOKとしてほしいのに、それにも関わらずキャリアアドバイザーから「電話で話しましょう」「面談に来てください」と一方的にコミュニケーション手段を指定することがあります。
これは他の転職エージェントよりも、自分との転職活動に集中してほしいという、キャリアアドバイザーの願望によるものです。メールでのやり取りよりも電話、電話でのやり取りよりも直接会う方がみなさんとキャリアドバイザーの距離が近づきますよね。
一方的にコミュニケーションをしたがるキャリアアドバイザーは、結局は自分のことしか考えていないのです。
信用できない転職エージェントを見極めるポイント
理解力のある転職エージェントを活用する

転職活動を成功させるポイントは、信頼できるキャリアアドバイザーを選ぶことです。そして信頼できるキャリアアドバイザーとは、みなさんのことを深く理解してくれることなのです。
キャリアアドバイザーは、出来るだけみなさんに寄り添う姿勢がある人と出会いたいものです。
転職活動をする人たちはいろいろな考えや事情を抱えています。会社の待遇に不満がある人、会社での人間関係にうんざりしてしまった人、会社の将来性に不安を感じている人、いまの仕事そのものに情熱が持てない人等。
一方、たとえば仕事と子育てや親の介護をしていてそれらの両立が難しくなった人、子育てや親の介護によって離職をしたといった、家庭事情に大きく左右されて転職をする人もいることでしょう。
これらのように仕事上だけの悩みでなく、家庭の事情で転職活動をする人もいます。そして機械的に面談をするのではなく、個々の事情を理解して面談をして、そのうえで求人案件を紹介してくれるようなキャリアアドバイザーを選ぶようにしましょう。
それでは、そのようなキャリアアドバイザーを選ぶためのチェックリストを紹介しましょう。
キャリアアドバイザー選定時のチェックリスト

信用できない転職エージェントを見極めるには、以下のようなチェックリストに対して曖昧な回答をしてくるキャリアアドバイザーです。
チェック1)求職者の転職活動の軸(なぜ転職活動をするのか)を理解しようとしているか
チェック2)求人企業の実態や福利厚生などの制度をしっかりと理解して、求職者のみなさんに求人を紹介しているか
チェック3)どのくらいの転職支援実績があるか
チェック4)面接対策や職務経歴書の添削などを積極的に提案してきてるか
チェック5)みなさんからの問い合わせ、質問に即時対応しているか
チェック6)言葉遣いがビジネスパーソンとして問題ないか、上から目線でないか
少なくとも上記についてはチェック・確認をするようにしましょう。
おすすめの転職エージェント
ここでおすすめの転職エージェントを紹介します。こちらの転職エージェントは求職者に丁寧に接する評判が多いのですが、なかには少し変わったキャリアアドバイザーがいることも事実です。キャリアアドバイザーが合わないな、と思われたら担当変更か別の転職エージェントに登録し直してください。
リクルートエージェント(未経験OKな求人が豊富)
求人数約20万件(公開求人のみ)と国内トップ。業界未経験OKの求人を多数保有しており、転職成功者は年間約50,000名。地方拠点が全国に18カ所あるため、地方在住でもサポートを受けやすい。
doda(デューダ)(地方求人をお探しなら)
都市圏はもちろんのこと地方優良企業とのパイプが強固で、東北・北陸・九州エリアでの求人が豊富。キャリアアドバイザーが現地企業の人事担当と定期的に情報交換を行っているため、「地元企業の雰囲気」をリアルに把握した上で紹介してくれる。

「なんだ、おすすめがリクルートエージェントとdodaかよ」と、おっしゃらないでください。プロの私の目線から見ても、この2社は総合的な観点から登録をしておくことをおすすめします。評価ポイントは、圧倒的に多い求人案件数と、今までの転職成功の実績数です。
JACリクルートメント(ハイクラス・ミドル層)
- 特徴:ミドル~ハイクラス向け求人を扱い、外資系や大手管理職ポジションを豊富に保有。平均面談~求人紹介スピードは30日以内。
- 強みポイント:2025年4月時点で外資系管理職求人が前年比20%増加。入社後定着率85%以上を常に公表しているため、ミドル層の安心感が高い。
- おすすめ対象:40代・50代で年収800万円以上を狙う管理職・スペシャリスト。
パソナキャリア(業界専任コンサルタントの丁寧サポート)
- 特徴:業界・職種ごとに専任コンサルタントを配置し、面談満足度は90%。平均面談~求人紹介までのリードタイムは7日以内。
- 強みポイント:2025年5月に「金融業界専門チーム」を新設し、関連求人が前年比15%増加。キャリア相談重視の人から高評価。
- おすすめ対象:丁寧なキャリアサポートを希望し、企業とのマッチング精度を重視する人。
マイナビエージェント(求職者に寄り添います)
- 特徴:マイナビグループの知名度の高さがあり、就活学生には圧倒的にナンバー1の支持をされている。
- 強みポイント:数年前までは20代と30代を中心とした転職支援に強みがあったが、最近はミドル層からも評価されている。
- おすすめ対象:以前より「会う」「聞く」といったキーワードをサービスコンセプトとしており、求職者に寄り添う姿勢は転職エージェントのなかでも上位に入る。
信用できない、使えない、うざいをチャンスに変える
「信用できない」「使えない」「うざい」と感じたら乗り換え
「面談したあとの求人提案がまったく希望条件に合わない」「連絡のレスポンスが悪すぎる」「担当者がこちらの事情を考慮してくれない」と感じたらそのキャリアアドバイザーに固執せず乗り換えを検討しましょう。とくに以下のふたつの場合は乗り換えです。
- 面談後の求人紹介がまったく希望に合わない
- 連絡が遅い、問い合わせにレスが無い多すぎる
複数登録であなたに合ったエージェントを探す
メリット
- 求人の母数が増え、選択肢の幅が広がる
- 担当者同士の比較ができ、「どちらのアドバイザーと相性が良いか」を判断しやすい
- それぞれのエージェントが持つ非公開求人にアクセスできる
注意点
- 登録するエージェントが多すぎると、「面談スケジュールの調整」が煩雑になり、かえってストレスに
- 担当者間で「すでに選考中の求人」を把握する必要がある(企業に二重でアプローチしないように注意)
- 複数登録する場合は、エージェント名・担当者名・連絡手段・進捗状況をエクセルなどにまとめて管理すると効率的
成功事例① 半日勤務OKの総務職に転職成功したDさん(50代:要介護2の親と同居)
Dさんは、要介護2の親と同居しつつ、介護休暇を取りながら仕事を続けていました。しかし現職の総務部では「夕方に残業がある」「急な会議が多い」ため、通院付き添いが難しい日が続きました。そこでDさんはサービスA社に登録し、「送迎の付き添い可」「残業ゼロ」「週4日勤務可」という条件で求人を探してもらったところ、地元の中小企業から半日勤務を条件とした総務職の求人を紹介されました。アドバイザーが企業と直接交渉し、「親の送迎がある日は定時上がりを保証する」ことを約束してくれたため、Dさんは安心して転職を決断できました。
成功事例② リモートワーク主体の事務職に切り替えたEさん(40代:独居高齢者サポート経験あり)
Eさんは独居の親を近隣で支援しており、急な連絡にすぐ対応できるように在宅で働きたいと考えていました。しかし紹介された求人案件は「事務職は出社必須」というものがほとんどでした。そこでサービスB社にも相談してみると、リモートワーク主体の事務職求人を提案してくれました。面接では「介護経験者として、リモートでも速やかに業務連携ができる体制を作れる」という強みをアピール。結果、年収をほとんど下げずにリモート勤務主体の事務職として転職に成功しました。

それぞれの成功事例からわかるように、みなさんのことを理解して求人提案をしてくれるキャリアアドバイザーがとても重要なポイントになります。
まとめ
転職活動は、人生の大きな転機です。とくに「選ぶ求人企業」「キャリアアドバイザーとの相性」のふたつが、みなさんのその後の生活に大きく影響します。
よりよい転職先と出会うきっかけになることを心から願っています。転職エージェントを上手に活用して、ご自身と大切な家族の両方を守りながら、新しい一歩を踏み出してくださいね。

転職活動を行う皆さん、ここまでお読みいただきありがとうございます。転職活動はゴールではなく、「自分と家族が安心して過ごせる新しいスタート」だと私は考えています。不安や迷いが出てきたら、いつでもこの記事を読み返して、紹介したエージェントやチェックリスト、成功事例を参考にしてみてください。みなさんの挑戦を心から応援しています。
【著者情報】くまさん(介護と転職のアドバイザー)
年齢 | 在籍期間 | 在籍企業 |
---|---|---|
22~34歳 | 10年 | 金融機関勤務(大手銀行、米系証券会社) |
35~45歳 | 10年 | 外資系大手転職エージェント |
45~50歳 | 5年 | 介護系ベンチャー企業 |
50歳~ | 5年以上 | 独立して介護と仕事のコンサルタント |
年 | 主な出来事 | |
---|---|---|
1970年 | 0歳 | 神奈川県横浜市に生まれる。 |
1992年 | 22歳 | 某国立大学卒業後、みずほ銀行に入行(法人営業担当)。 |
2000年 | 30歳 | 米系証券会社に転職し、主に債券を扱うトレーダーを行う。 |
2005年 | 35歳 | 大手転職エージェントにキャリアチェンジ(ミドル層の転職支援)。キャリアアドバイザーとして求職者のお気持ちに寄り添うカウンセリングを得意とした。 |
2015年 | 45歳 | IPO直前の介護ベンチャー企業に転職し、介護事業者の収益改善コンサルティングに従事。有料老人ホームの経営や人事コンサルタント業務を行う。また、一般ユーザー向けには介護の相談窓口サービスを提供し、とくに仕事と介護の両立に悩む会社員をサポートしてきた。 |
2020年 | 50歳 | 独立し「Dr.介護と仕事のアドバイザー」として企業制度設計や講演、情報発信を開始。その流れで本ブログを執筆中。現在に至る。 |
No. | 得意分野 |
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1 | 介護と仕事の両立支援(一般ユーザー向け) |
2 | ミドル・シニア層(30代~50代)のキャリア再構築・転職支援(一般ユーザー向け) |
3 | 介護人材の採用・定着(介護事業者向け) |
4 | 介護事業者の経営支援(介護事業者向け) |
5 | ダイバーシティ経営(介護離職防止)(介護事業者向け) |
6 | 施設(老人ホーム)選びのアドバイス(一般ユーザー向け) |
7 | 50代以降のキャリア再デザイン(一般ユーザー向け) |
わたしのキャリアは少しユニークで、「金融」「転職エージェント」「介護コンサルタント」と様々な業界を経験してきました。ちょっと変わってますよね(笑)。
私の勤務していた転職エージェントは大手で、みなさんもよく知っている会社名だと思います。ここではあくまで中立な立場で転職支援をしたいので、社名は伏せさせて頂いています。転職サポートについては、プロ中のプロと自負しておりますので、みなさんのお仕事に関する悩みを解決します。
そして、元キャリアアドバイザーだからこそわかるみなさんの不信感。みなさんがそう思ってしまう、転職エージェントの内情などもお伝えしますね。