訪問看護に転職。仕事がきついとも言われますが、やりがいのある訪問看護とは。

訪問看護とは

 

訪問看護とは

 

看護師等がみなさんのご自宅に訪問して、主治医の指示により行う看護のこと

 

です。

 

訪問看護はしばしば「訪問介護」と勘違いされることもありますが、訪問看護は医療サービスを手がけるのが最大の特徴です。

 

病気や障害を持った人が住み慣れた地域やご家庭で療養生活を送れるよう、保健師・理学療法士・作業療法士等と協力しながら支援するサービスです。

 

訪問看護と訪問介護の違いについて

 

訪問看護では看護師などが訪問し、訪問介護ではホームヘルパーが訪問します。

 

訪問介護は「介護保険」を、訪問看護では「医療保険」と「介護保険」の両方を利用出来ます。

 

つまり訪問看護では、「医療」と「介護」を行うことが出来るのです。

 

訪問看護ステーションとは

 

訪問看護に従事している看護師の就業場所は、訪問看護ステーション、病院、クリニックがあります。

 

訪問看護ステーションとは、訪問看護をおこなう看護師やその他理学療法士などが所属している事業所のこと。

 

職員は訪問看護ステーションを起点として利用者の自宅や施設へ出向き、状態観察や医療的ケアなどのサービスを提供します。

 

訪問看護サービスの利用には年齢制限はなく、乳幼児からも利用が可能です。

 

訪問看護制度は1991年の老人保健法などの改正により創設されました。

 

そして2000年には介護保険制度が制定されて、訪問看護は介護保険サービスの一つとなります。

 

訪問看護ステーション数は、2000年から約5,000程度で推移していましたが、2012年の診療報酬・介護報酬をキッカケに民間企業なども参入をし始め、一気に9,000を超えるまでに急増しました。

 

仕事の魅力について

 

訪問看護の仕事の魅力は一言で次の事でしょう。

 

「一人のご利用者さんとじっくり向き合えること」

 

病院で働いていると何人もの患者さんにせわしなく対応しなければなりません。

 

そうすると、一人の患者さんにかけれる時間はどうしても限定されてしまいます。

 

病院勤務では患者さんの対応に優先順位をつけなければなりませんが、一方の訪問看護では目の前のご利用者さんに集中出来るのが魅力です。

 

仕事内容について

 

訪問看護師は、看護師または准看護師の資格を持っていて、訪問看護ステーションまたは訪問看護をおこなっている病院・クリニックに所属しています。

 

仕事内容は、日々の健康状態(体温、血圧、脈拍等)を調べる事から、利用者の主治医の指示書に基づいた医療処置までを行います。

 

主な仕事内容は以下の通りです。

 

日々の健康状態をチェック

体温、呼吸、脈拍、血圧、体重、視力、聴力等の状態をチェックします。

その他、認知、睡眠、栄養状態なども管理しています。

 

医療的ケア

医師の指示に従い医療ケアを行います。

点滴、カテーテルの交換、インシュリンの注射などを行います。

 

日常生活の支援

日常生活の支援として、介護のお仕事も行います。

清拭、入浴介助、食事摂取の支援、排泄の自立支援などを行います。

 

心理的な支援

日常生活の支援として、介護のお仕事も行います。

精神・心理状態の安定化のケア、睡眠等日常生活リズムの調整などを行います。

 

このほか、入院・退院の支援や予防的看護として低栄養等の予防や寝たきり予防のためのケアを行います。

 

訪問看護に向いてる人とは

 

訪問看護に向いている人とは、大きく分けて2つのポイントがあります。

 

その1

ご利用者さんとじっくり関わりたい人

 

以前勤務していた病院はあまりに忙しく、患者さんとしっかりと向き合えなかったのが不満。

 

患者さんとじっくり関わって、患者さんとそのご家族に寄り添える存在になりたいと思っていた人。

 

このように「人に必要とされるとやりがいを感じる」ような人は、訪問看護に向いている人と言えます。

 

その2

ワークライフバランスを大事にしたい人

 

訪問看護は日勤メインで働けます。

 

訪問看護の求人の多くは、土日や休みで夜勤もありません。

 

これならワークライフバランスも充実しますし、ご家庭の事情(結婚や子育て等)で病棟看護師を辞めた人でも、訪問看護でなら働けるという人も多くいます。

 

訪問看護に向いていない人

 

訪問看護の仕事で大事な事は、

 

「患者さんやそのご家族を支援したいという気持ちがあるかどうか」

 

になります。

 

このようなお気持ちが無い人には向いていないと思われます。

 

病気の治療法や技術といった医療の最前線に惹かれるという人よりも、やはり人に惹かれるタイプが適任です。

 

人と深く接する事、他人の家に訪問する事などが苦手な方には、訪問看護は難しい仕事です。

 

訪問看護の離職率

 

日本看護協会の調べによりますと看護師の離職率は「10.7%」。

 

ここ数年の推移は以下のようになっています。

 

年度 正規雇用 既卒 新卒
2018 10.7% 17.7% 7.8%
2017 10.9% 16.9% 7.5%
2016 10.9% 17.6% 7.6%
2015 10.9% 18.0% 7.8%
2014 10.9% 18.7% 7.5%

参照:公益社団法人 日本看護協会 広報部

 

病院看護師については例年ほぼ平均して10%強の離職率となっています。

 

それではこの病院看護師と訪問看護師との離職率を比較してみましょう。

 

参照:「平成 29 年度かながわ訪問看護ステーション一覧(神奈川県看護協会作成)」より

 

比較してみますと、訪問看護の離職率が一段高くなっている事が分かります。

 

それでは、なぜこのように訪問介護の離職率が高くなっているのでしょうか。

 

その理由について考察してみます。

 

訪問看護を辞める理由

 

「人のためになりたい」

「ワークライフバランスを充実させたい」

 

このような希望を叶えられる訪問看護の仕事ですが、離職率が高い傾向にあります。

 

その理由はどこにあるか、日本看護協会のデータをもとに考察してみると大きく3つの理由が考えらます。

 

給与の差

 

  基本給額(/月) 年間賞与額 年間給与支給総額
訪問看護ステーション 234,048円 897,894円 4,285,938円
病院 244,042円 1,032,227円 4,904,747円

 

上記は30歳~の看護師の給与比較になりますが、年収で60万円強の差があります。

 

この差はかなり大きく、病院看護師から転職した際に不満の要員になりそうです。

 

休日・夜間待機(オンコール)

 

訪問看護は休日・夜間勤務が無いと言えど、オンコールの対応は必要です。

 

それでは訪問看護では、どの程度オンコールがあるかというと勤務する訪問看護ステーションの規模によって大きな差があるようです。

 

看護職員数 オンコール待機日数(/月)
10人以上 6.6日
8~10人未満 8.9日
3~5人未満 13.3日
2~3人未満 15.6日

 

看護職員数が少ない訪問看護ステーションでは、待機日数が多い傾向にあります。

 

特に3人未満の訪問看護ステーションでは、職員一人あたりの月平均休日・夜間待機日数が15.6日と非常に高負担な状態にあります。

 

このような環境ですと、離職につながりやすいのかもしれません。

 

<参照>平成23年7月13日(医療計画の見直し等に関する検討会)日本看護協会

 

教育・研修の不足

 

教育・研修体制の整備が整っていないようです。

 

日本看護協会のコメントによりますと、以下2点があるようです。

 

1)7割のステーションで、新人看護職員は5回未満から1人で訪問を開始している。

訪問看護ステーションでは、OJTによるトレーニングの仕組みが不足している。

 

2)新人看護職員に対し、新人講習会等を受講させていないステーションが47.6%に上る。

 

このような点も職員には不満となり、離職してしまう人も多いようです。

 

訪問看護に転職したい

 

訪問看護の仕事とは、「やりがい」や「ワークライフバランス」が充実する一方で、高い離職率であることも事実です。

 

いざ始めてみても「こんなはずでは無かった!」と思われては、転職する意味も無くなります。

 

働く条件や環境などを事前にしっかりと認識してから転職をすれば、このようなギャップも無くなり長く働く事も出来るでしょう。

 

そのためにも入職前の企業研究がとても大事になります。

 

しかし、求人票だけ見ていても分からない事が多いですよね。

 

そんな時には、訪問看護ステーションへの転職支援実績も豊富な転職エージェントに相談すると良いでしょう。

 

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