転職エージェントの年収交渉。これってどのような事をしてくれるのですか?

友人が転職した時に、「転職エージェントが年収交渉をしてくれた」と話しをしていました。そもそも「転職活動で年収交渉なんて出来るわけがない!」と思い、友人の話しははまともに聞いていませんでした。それでもちょっと気になったのですが、「転職エージェントが年収交渉!?」ってどういう事なのでしょうか?

A君(20代会社員)

Dr.キャリアアドバイザー

なるほど、Aさんのお勤めの会社では、おそらく給与テーブルがキッチリと決まっているのでしょう。じつは給与体系が、勤続年数やその他の条件でガッチリと決まっている会社では、転職の際に年収交渉が出来ないこともあります。すべての会社に対して年収交渉が出来るわけでは無いのです。

え?そうするとまさかそのような会社以外では、転職の時に年収交渉が出来るのですか?

A君(20代会社員)

Dr.キャリアアドバイザー

はい、その通りです。求人企業への年収交渉の方法やタイミングなどについては、経験豊富な転職エージェントに相談した方が良いと思います。Aさんが一人で年収交渉をしたとしても、おそらくうまく行かないはずです。

なるほどですね、しかし年収交渉が出来るなんて、これはかなりオドロキでした。将来転職する可能性もあるので、この転職エージェントの年収交渉についてもう少し詳しく教えてください。

A君(20代会社員)

 

多くの人が初めて聞くと思われる「転職エージェントによる年収交渉」。

 

これはみなさんが転職先企業に入社する前、正確に言うと内定を承諾する前に、転職エージェントが求人企業に対して年収交渉をする事なのです。

 

年収交渉と聞くと、どこかプロ野球選手の年俸交渉みたいですよね。

 

意外に思われたと思いますが、転職エージェントはこのような「年収交渉」まで行っているのです。

 

それでは「転職エージェントによる年収交渉」について詳しくその内容について紹介して行きましょう。

 

おすすめの記事 

転職エージェントとはどのようなサービスですか?5分で分かる転職エージェントのすべて!

 

転職エージェントへの年収交渉

 

Dr.キャリアアドバイザー

ほとんどの求職者の人が、求人企業に対して年収交渉が出来る事をご存じ無いようです。みなさんに年収交渉の話しをすると、「えっ?そんなこと出来るのですか?」といった驚きの反応がほとんどです。

ボクも「年収交渉」についての話しを聞いたときは、本当にオドロキました。年収は重要ですから、この話しを知ったら、みんな転職エージェントを利用したくなると思います。

A君(20代会社員)

Dr.キャリアアドバイザー

そうですね。ほとんどの人が「給与に対する不満」か「人間関係への不満」をキッカケに転職活動を始めます。やはり年収はとても大事ですし、年収に納得してから転職先を決めたいですよね。それでは「転職エージェントの年収交渉がどのようなものか!?」について説明して行きましょう。

 

注意
ここでひとつ重要な注意事項です。年収交渉が出来る会社や人は限定されている事をご認識ください。一例を紹介しますと、非管理職(一般職)の人は一部のベンチャー企業では年収交渉が出来ますが、それ以外の会社では年収交渉はほぼ出来ないと考えた方が良いでしょう。

 

Dr.キャリアアドバイザー

転職エージェントの紹介記事等を見ていると、あたかも転職エージェント経由ならどの会社でも年収交渉が出来るような書き方をしているブログを見かけます。でもそれは間違いです、決してそんな事はありません。おそらく業界未経験の方が書いたブログでしょうから、みなさん勘違いしないようにしてくださいね。

 

みなさんが年収交渉すると失敗します

 

Dr.キャリアアドバイザー

まずはじめに求人企業に対する年収交渉は、みなさん自身でやっても構わないのです。みなさんは求人企業が決めたルール(給料を含む)に絶対従うものだと考えていられるようです。もちろん入社した後には社内規定を順守するのは当然です。しかし、まだみなさんはその会社の社員では無いので、入社前の交渉については何ら問題は無いのです。

 

それでもみなさんご自身が求人企業に対して年収交渉をしたとしても、なかなかうまく行かないようです。

 

うまく行かない理由としては、年収交渉のタイミングが大きく関係しているようです。

 

年収交渉のタイミングは求人企業からの内定提示前に行うのですが、ほとんどの人は内定が欲しいあまりに「すべて御社規定に従います。」と言いがちで、交渉を一切していないのです。

 

つまり求人企業の規定に従う人がほとんどで、その結果希望年収に届かないでも仕方なく転職している人も多いのです。

 

年収に納得していないと、また「給与に不満」を感じて転職活動をしてしまいそうで不安ですよね。

A君(20代会社員)

 

転職先を決める時には、やはり年収はとても重要ですよね。

 

みなさんが年収に納得したうえで内定を承諾するためにも、やはり転職エージェントをご利用することが良いのでしょうね。

 

Dr.キャリアアドバイザー

それでは転職エージェントを利用した方が年収交渉がしやすい理由について紹介しましょう。

 

転職エージェントを利用すべき理由について

 

求人企業と年収交渉をする場合、みなさん自身で行うのではなく、転職エージェントにお願いした方が良いでしょう。

 

その理由について説明します。

 

転職エージェントに任せた方が良い理由

①求人企業と対等に話しが出来る

②どの会社で年収交渉が可能なのかを熟知している

③各求人企業ごとに、どの位の幅(金額)で年収交渉が出来るか熟知している

④みなさんの市場価値(=年収)を客観的に評価して、「市場価値+α」で年収交渉をしてくれる

 

①については、おそらくみなさんが求人企業に直接年収交渉を行ったとしても、内定が欲しいので忖度してしまう可能性が高いはずです。

 

また直接年収交渉をする求職者はほとんど見当たらないため、求人企業から「お金で転職先を決めている」とマイナスのイメージを持たれる可能性もあります。

 

②については、どの会社で年収交渉が可能なのかがまったく分からないはずですし、③の「交渉可能な金額の幅」についても想像がつかないと思います。

 

上記のような理由から、やはり転職支援のプロである転職エージェントに年収交渉を任せた方が良いでしょう。

 

転職エージェントの交渉で年収は上がる?

 

Dr.キャリアアドバイザー

ところでみなさんの中には「転職エージェントが年収交渉すると、本当に年収が上がるの?」と疑問に思うかもしれません。答えは「年収交渉はしてくれるが、前職より年収が上がる保証は無い」です。しかし転職エージェントには年収交渉のテクニックがありますので紹介しましょう。

 

転職エージェントが求人企業に対して年収交渉をする時、一番有効な方法と言われているのが「他社からも内定が出ているのですが、そちらはもっと高い年収をオファーしているようです!」といった別の求人企業との比較です。

 

これはもちろんウソはいけませんが、たとえば以下のような交渉になります。

 

「もう一社内定が出ている会社があり、どうしても〇〇さんを欲しがっています。〇〇さんとしては、御社が第一希望ですので、〇〇〇万円頂ければ御社に決めると言っているのですが。」

 

Dr.キャリアアドバイザー

これはちょっと生々しい表現でしたかね?じつはこのようなクロージングトークが、私が勤めていた前職の転職エージェントでよく使われていた手法です。このパターンでの年収交渉は本当に多かったですね。

 

このように「他社も検討している」といった話しを聞いた採用担当者(=人事採用担当)はかなり焦るはずです。

 

面接に同席した現場の責任者は「この人材ならぜひ欲しい!」という事で内定を出していますので、どうしても欲しい人材であることは間違いありません。

 

そして事情(転職市場の人材の獲り合い)がよく分からない現場責任者としては、内定を出したので数か月後には必ずその方は入社するものと考えがちなのです。

 

現場は人手不足ですぐにでも人員補充をしてもらいたいですし、内定辞退など毛頭考えていません。

 

このような現場責任者の期待に反して内定辞退となると、採用担当者のメンツが丸つぶれになってしまうのです。

 

だれもが年収交渉を出来るの?

 

そもそも素朴な疑問があるのですが、この年収交渉は誰でも出来るものなのですか?私のまわりでは年収交渉をしたなんて聞いたことが無かったので。

Bさん

Dr.キャリアアドバイザー

先ほども少し触れましたが、残念ながら年収交渉は誰もが出来るものではありません。ちなみに年収交渉では以下のような傾向があると思います。

 

年収交渉について

大企業(老舗企業)
ベンチャー企業
管理職
非管理職
市場ニースの強い人材
特徴があまり無い人材

 

あくまで傾向ですが、上記のような傾向にあると思います。

 

非管理職であっても市場で人気のエンジニアの場合などは年収交渉の機会が多くありました。

 

年収交渉はいつするの?

 

それでは年収交渉はいつのタイミングでするものなのでしょうか?

 

これも元大手転職エージェントに勤務していた経験からお話しをします。

 

ズバリ圧倒的に多いのは「内定が出た後」です。

 

Dr.キャリアアドバイザー

これもブログを見てると本当にビックリするのですが、「内定が出る前に」とか「面接が始まる前に」と書いているブログをたくさん見かけます。たしかにビジネス倫理上では、その方が良いでしょう。それは分かります。しかし実際の現場はそのような教科書的な動きにはならず、くのケースで「内定が出た後」になっています

 

なぜ内定が出た後なのでしょうか

 

ちなみに何で内定が出た後に年収交渉をするのでしょうか?内定前だとやはり都合が悪いのですか?

A君(20代会社員)

Dr.キャリアアドバイザー

理想は確かに内定が出る前なのです、理想では。しかし現実は内定が出た後が良いでしょう。内定前に年収を全面に出してアピールすると、逆に「この人は年収で会社を選んでいる。」「年収次第で会社を辞めてしまう。」といった考えから、「長く定着しない」「会社の業務に対する興味が低い」とマイナス判断をされてしまうのです。

 

また内定が出た後の方が交渉がし易いという事があります。

 

先ほど申した通り「内定が出た=欲しい人材」ですので、多少無理をしてでも企業はその人材を獲りに行きますので内定交渉に応じてくれるケースが多いのです。

 

でもあまり無理を言って求人企業を困らせて、いきなり内定取り消しなんてこともあるのではないでしょうか?

Bさん

Dr.キャリアアドバイザー

いいえ、これも私の経験則ですが内定が出た後に年収交渉をして内定取り消しになったケースは見たことがありません。その点はご安心ください。

 

求人企業の本音も重要

 

求人企業の本音で、以下のようなパターンがあります。

 

「何人かの内定候補者がいて、最後の最後まで誰に内定を出すか迷った。」というケースです。

 

このような時は、求人企業は各転職エージェント経由で各候補者の希望年収(この金額なら内定承諾する)を確認します。

 

これは内定を出した後に「年収に満足出来ないので、内定を承諾しないつもりです。」といったケースを避けるためです。

 

年収が理由で内定を承諾しなかった場合、求人企業は「給与に不満なら、最初から内定候補者にしなかったよ!」と、転職エージェントにクレームを入れてきます。

 

その転職エージェントは「求職者の希望年収をグリップしていなかった!」と烙印を押され、求人企業からの信用がガタ落ちになってしまうのです。

 

求人企業は転職エージェントに対して、「当然の事として」以下の求職者情報を把握している事を求めるのです。

 

①求職者の希望年収

②求職者の希望勤務地

③求職者の(本音の)転職・退職理由

 

このような求人企業からのニーズがあるため、転職エージェントは求職者の希望年収について確認を行うのです。

 

内定後の年収交渉ステップ

 

それでは内定後の年収交渉の流れについて説明して行きましょう。


STEP.1
「内定通知書」と「労働条件通知書」
内定が出ますと、内定を証明する「内定通知書」と様々な待遇が明記された「労働条件通知書」が送られてきます。そしてこの「労働条件通知書」に「年収」や「勤務地」、「就業時間やお休み」などが提示されているのです。

STEP.2
年収の確認
「労働条件通知書」に明記してある諸条件の確認をしましょう。

STEP.3
返答の延期
内定が出た後、内定を受諾するかどうかの返答期限が設けられます。通常1週間程度なのですが、この期間ですと年収交渉も出来ませんので、返答期限を延ばせないか確認するようにしましょう。

STEP.4
条件面談の実施
「条件面談」とは、就業条件について相談する面談です。出来ればこの条件面談を実施し、希望年収をしっかりと伝えるようにしましょう。条件面談の後のオファーは後日連絡があります。

STEP.5
内定受諾の最終判断
条件面談の後にあらてめて条件提示があったら、あまり時間を空けずにみなさんの最終意思を返答します。

以上が大まかな内定後の年収交渉の流れになります。

 

年収交渉をお願いするならこの転職エージェント

 

年収交渉が個人で行うのが難しいのと同じで、転職エージェントにとっても年収交渉にはテクニックが求められます。

 

そうするとみなさんが転職エージェントに年収交渉をお願いしたいとなると、年収交渉を何度も行った経験・実績がある転職エージェントを選びたいところです。

 

年収交渉が上手な転職エージェントは、以下に該当する転職エージェントから選ぶようにしてください。

 

①転職支援実績が豊富な転職エージェントから選ぶ。

②転職支援実績が多いのは、大手の転職エージェントになる。

③大手の転職エージェントに複数登録して、各キャリアアドバイザーに年収交渉の実績等について確認する。

 

Dr.キャリアアドバイザー

それではおすすめの転職エージェントを紹介して参りましょう。

 

リクルートエージェント

転職エージェント 年収交渉

メリット

①求人保有数がナンバー1で、ほぼ全業種・全職種を網羅している。

②転職支援実績数もナンバー1。

デメリット

①サポート期間が3か月間と限定されている。

特徴

対象年齢 20代・30代
公開求人数 120,000件
非公開求人数 160,000件
拠点数 15か所
面接対策
職務経歴書の添削

 

リクルートエージェントは、転職エージェントサービスの中でも最大手の総合型転職エージェントです。

 

公開求人だけでなく、豊富な非公開求人や有名企業の求人案件、幅広い業種・職種が充実しているのが特徴です。

 

最初に登録を検討すべき転職エージェントサービスというのは間違いありません。

 

dodaエージェントサービス

転職エージェント 年収交渉

メリット

①全業種・全職種に対応しているが、特にIT・Web業界やエンジニア求人に強み。

②求人案件は、東京都内を含む大都市だけでなく地方の求人案件も豊富に保有。

デメリット

質の悪い求人を紹介される場合もある

特徴

対象年齢 20代・30代
公開求人数 100,000件
非公開求人数 40,000件
拠点数 12か所
面接対策
職務経歴書の添削

 

dodaは転職サイトとエージェントサービスの両方が最大手クラスのサービスです。

 

求人保有数も豊富で約10万件の求人数は業界2位となっています。

 

JACリクルートメント

転職エージェント 年収交渉

メリット

①外資系求人だけでなく、メーカー系の求人案件にも強み。

②年収600万円以上、30代・40代の転職支援が得意。

デメリット

①年収400万円以下の登録者は面談を断られる。

特徴

対象年齢 30代後半・40代
公開求人数 15,000件
非公開求人数 非公開
拠点数 9か所
面接対策
職務経歴書の添削

 

ロンドン発祥の日系転職エージェントであり、そのため外資系企業や国内の海外進出企業の求人案件を豊富に保有している。

 

また、リクルートエージェントやdodaエージェントとの大きな違いは「対象年齢が30代後半~40代」と、2社に比べて高い年齢層を得意としている点です。

 

パソナキャリア

転職エージェント 年収交渉

メリット

①女性が大活躍する会社。

②顧客満足度を追求するクレド経営を実践。

③オリコン顧客満足度「転職エージェント部門」で第1位を獲得。

デメリット

①最大手クラスと比較すると、求人数が多くない。

特徴

対象年齢 20代・30代・40代
公開求人数 35,000件
非公開求人数 非公開
拠点数 7か所
面接対策
職務経歴書の添削

 

人材派遣のリーディングカンパニーとして数多くの求人企業との密接な関係をもとに、女性向けやハイクラス向けの良質な非公開求人が多数揃っているのが特徴です。

 

またキャリアアドバイザーが親切・丁寧と評判で、「履歴書・職務経歴書の添削」や「面接対策」等のサービスに注力しています。

 

マイナビエージェント

転職エージェント 年収交渉

メリット

①20代の転職支援に強み。

②メディカル系職種の転職サポートが充実している。

デメリット

①大手の転職エージェントに比べハイクラス求人が少ない。

②20代以外の転職支援はあまり得意ではない。

特徴

対象年齢 20代中~後半
公開求人数 25,000件
非公開求人数 非公開
拠点数 10か所
面接対策
職務経歴書の添削

 

「20代に信頼されている転職エージェントNo.1」を獲得するなど、若手層への転職支援を得意としています。

 

またキャリアアドバイザーの対応が親身で丁寧と評判ですので、はじめて転職活動をする人におすすめの転職エージェントです。

 

まとめ 年収交渉ではここに気を付ける

 

いかがでしたでしょうか?

 

そもそも「年収交渉」という言葉を知らなかった人にとっては、オドロキだったのではないでしょうか。

 

そして年収交渉はすべての人がすべての会社に対して出来るものでは無い事もご理解頂けたことでしょう。

 

そのような点からすると年収交渉は、経験豊富な転職エージェントにお願いした方が良いでしょう。

 

ここであらためて年収交渉をスムーズに進めるコツをまとめておきましょう。

 

年収交渉のポイント

 

①転職支援のプロである転職エージェントに任せる

②みなさん個人で年収交渉はしない方がベター

③「誰もが」「どの会社でも」出来るものでは無い

④年収交渉は内定が出た後