
近所に住む両親は、二人ともデイサービスを利用しています。休日や平日の夜に様子を見に行くのですが、いろいろと世話をする機会が増えてきました。今の仕事を続けるのが難しくなってきたのですが、50代の私が転職なんて出来るのでしょうか?
仕事と親の介護を行う会社員(ビジネスケアラー)。50代の会社員は、親の介護に直面するケースがあるようです。
そして、介護の負担が大きくなりはじめると、仕事にも影響が広がり、両立がむずかしくなり介護離職になるケースも少なくありません。介護離職をする人は年間で約10万人を超えると言われてますが、なかでも50代がもっとも多いようです。

こんにちわ、アドバイザーのくまさんです。みなさんが転職活動をスムーズに進めるポイントはズバリ「転職エージェント」の活用です。プロのキャリアアドバイザーに相談することで、みなさんの今の生活(仕事と介護の状況)や今後希望する働き方を踏まえ、最適な求人を紹介してくれることでしょう。
介護離職と50代の転職市場のリアル

50代以上の方は、そもそも求人が無いのでは?と思われるかもしれませんが、たしかに20代や30代の比べると求人数はグッと下がってしまいます。それでも最適な転職エージェントに出会えれば、状況はまったく変わってくるはずです。50代以上が対象の非公開求人を持っている場合もあります。それではここから50代の転職市場のリアルについて確認していきましょう。
50代の介護離職率
厚生労働省調査によると、50代男女の約7.2%が介護離職を経験。年間で約10万人強の人が介護離職をしているというデータもありますが、これはあくまで氷山の一角という見方も広まっていて、じっさいにはもっと多くの人が介護離職をしている可能性があります。
50代の男女差でみる離職率
女性は離職率が9.3%、男性は5.1%と女性のほうがやや高い傾向にあるようです。たとえば親の介護について考えてみると、女性の負担が多いということなのでしょう。
親の介護はだれがする?
家族の介護で多いのは配偶者とお子さんとなっていますが、お子さんの配偶者なども一定の割合でいらっしゃいます。

ちなみに同居の介護者に限ると、そのうち女性の割合が68.9%となっていて、奥さんや娘さんなど女性が介護の支援をしていることが分かります。このようなデータから推測するに、やはり男性より女性の介護離職が多いという事なんでしょう。
続柄 | 割合 |
---|---|
配偶者 | 22.9% |
子 | 16.2% |
子の配偶者 | 5.4% |
別居の家族等 | 11.8% |
介護サービス事業者 | 15.7% |
その他(民生委員等) | 27.9%* |
50代転職市場の特徴
・50代の求人件数は全求人数の約15%を占めています。
・求人の想定年収は500~650万円が中心。
・募集求人は管理職経験者、専門職、技術職が中心で、求職者にはマネジメント経験や専門知識が評価されやすい傾向にあります。
介護を抱える転職者の悩み
・求人がない:今と同じ年収を維持できる仕事を探すのが難しい
・時間が取れない:介護で時間がとられて、平日夕方以降や土日の面接が難しい
・情報不足:求人票からは勤務条件の詳細(リモート可否、フレックス導入状況)が読み取りづらい
・精神的負担:面接準備や書類作成に専念しづらく、自信を喪失しがち
・ブランク:介護離職者の場合は、正社員として一定のブランクがある

わかります、私もかつて50代の方の転職支援をしたことがあるのですが、希望する求人案件を見つけることが出来ませんでした。このようにみなさん苦労をなさっているようです。さらに、介護が前提の仕事探しや、介護離職をしてブランクがある方は大変な思いをしていることでしょう。転職エージェントはこれらの課題を一気に解消するパートナーとなるはずです。
50代に転職エージェントをおすすめする2つの理由

①介護離職をした人、②介護をきっかけに今の仕事が続けられず転職活動をはじめる会社員、③今の仕事に悩みを抱える50代の会社員。このような方々になぜ転職エージェントがおすすめなのか、それには2つの大きな理由があります。
①求人案件についての詳しい情報がある
②キャリアアドバイザーとの転職レッスン

以上のように、転職エージェントはみなさんの転職活動の心強いパートナーとなることでしょう。たとえば50代以上でもOKの求人案件の紹介や面接の日程調整の代行、心細い転職活動をメンタル面でサポート等、様々な観点からサポートをしてくれます。
50代におすすめの転職エージェント
JACリクルートメント(ハイクラス・ミドル層)
- 特徴:ミドル~ハイクラス向け求人を扱い、外資系や大手管理職ポジションを豊富に保有。平均面談~求人紹介スピードは30日以内。
- 強みポイント:2025年4月時点で外資系管理職求人が前年比20%増加。入社後定着率85%以上を常に公表しているため、ミドル層の安心感が高い。
- おすすめ対象:40代・50代で年収800万円以上を狙う管理職・スペシャリスト。
パソナキャリア(業界専任コンサルタントの丁寧サポート)
- 特徴:業界・職種ごとに専任コンサルタントを配置し、面談満足度は90%。平均面談~求人紹介までのリードタイムは7日以内。
- 強みポイント:2025年5月に「金融業界専門チーム」を新設し、関連求人が前年比15%増加。キャリア相談重視の人から高評価。
- おすすめ対象:丁寧なキャリアサポートを希望し、企業とのマッチング精度を重視する人。
リクルートエージェント(未経験OKな求人が豊富)
求人数約20万件(公開求人のみ)と国内トップ。業界未経験OKの求人を多数保有しており、転職成功者は年間約50,000名。地方拠点が全国に18カ所あるため、地方在住でもサポートを受けやすい。
doda(デューダ)(地方求人をお探しなら)
地方優良企業とのパイプが強固で、特に東北・北陸・九州エリアでの求人が豊富。キャリアアドバイザーが現地企業の人事担当と定期的に情報交換を行っているため、「地元企業の雰囲気」をリアルに把握した上で紹介してくれる。
マイナビエージェント(最近はミドル層にも強み)
2) 20代と30代の転職支援に強みがあるが、最近はミドル層からも評価されている

マイナビのサービスは、就活学生向けの「マイナビ」が有名で「リクナビ」と二強と言われています。その影響で若手層から人気の転職エージェントです。特に20代と30代の転職支援に強みがあったのですが、最近ではミドル層以上の転職支援の実績も増えているようです。
まだある、転職エージェントのメリット10選!

転職経験がないので転職エージェントについて分からないことが多いのですが、他にも転職エージェントを利用するメリットがあったら教えてもらえますか。

さきほどは転職エージェントをおすすめるふたつの理由について説明しましたが、じつはまだまだおすすめしたい理由がたくさんあります。ここで転職エージェントの利用をおすすめしたい10のメリットについて紹介して行きましょう。
メリット1)完全無料で利用できる安心感
転職エージェントは、求職者からは手数料を一切いただかない仕組みになっています。みなさんの入社が決定した時に、求人企業から転職エージェントへ成功報酬が支払われるビジネスモデルです・みなさんは登録から内定・入社まで、面談・書類添削・面接調整などすべてのサービスが無料でご利用できます。
50代ビジネスケアラーへのメリット
家計への負担ゼロ:介護費用がかさむ中、自己投資や交通費以外の追加コストが不要。
リスクなく試せる:「まずは話だけ聞いてみる」だけでもOK。
メリット2)転職初心者にも手厚いサポート
求人票の見方や求人企業への応募手順、選考フローなど、初めての転職で戸惑う点を専任のキャリアアドバイザーが丁寧にレクチャーしてくれます。
50代ビジネスケアラーへのメリット
・迷いが減る:書類(履歴書や職務経歴書)の書き方から企業研究方法までフォロー。
・効率的に進める:限られた時間を無駄にせず、優先順位をつけた行動プランを設計。
メリット3)キャリアと介護プランを一緒に設計
「介護があるから無理かもしれない…」という不安を解消し、働き方と介護時間を両立できる求人を一緒に検討。フレックスタイムや在宅勤務、時短勤務など具体的な働き方プランを提案します。
50代ビジネスケアラーへのメリット
・希望条件が明確に:介護時間帯(例:午後3時までの勤務)を含めた求人の絞り込み。
・将来予測もサポート:要介護度が上がった際の働き方変更案も盛り込んでくれる。
メリット4)求人企業の“リアル”な内部情報を入手
通常の求人サイトでは見えない、上司のマネジメントスタイルや部署の残業実態、社員の離職率など“生の声”をエージェント経由で得られます。
50代ビジネスケアラーへのメリット
・ミスマッチ防止:介護者にとって過度な残業や転勤があるか事前に把握。
メリット5)面接日程や連絡調整を完全代行
平日日中の面接調整は、仕事や親の介護のサポートにぶつかりがち。転職エージェントが求人企業へ連絡をして、みなさんに変わって面接の日程調整やオンライン面接の手配を行います。
50代ビジネスケアラーへのメリット
・手間ゼロ:仕事と介護をそのまま続けながら、面接日時の設定をしてくれる。
・急な依頼にも対応:キャンセル発生時も即別日程を提示してもらえるので安心。
メリット6)実践的な面接練習で本番力アップ
模擬面接を繰り返し、想定質問への回答や介護事情の伝え方まで練習できます。フィードバックも具体的で、改善点が明確になるのが特徴です。
50代ビジネスケアラーへのメリット
安心感が増す:「介護へ理解を示す企業」とどう会話すればよいか習得。
自信を獲得:本番前の緊張軽減、話し方・姿勢もアドバイス。
メリット7)履歴書・職務経歴書の徹底ブラッシュアップ
写真の背景色、職務経歴書の時系列整理、自己PRの見せ方など、書類選考の通過率を飛躍的に高める添削サポートを実施。
50代ビジネスケアラーへのメリット
・書類の見せ方が変わる:介護サポートの経験をメリットとして打ち出す。
・企業ニーズにマッチ:求人票に記載のキーワードを散りばめた“通過しやすい”フォーマットに整備。
メリット8)一般に出回らない「非公開求人」を紹介
企業がコア人材や急募ポジションとして外部に公開しない非公開求人を多数保有。
50代ビジネスケアラーへのメリット
・選択肢が広がる:公開求人よりも高待遇かつ柔軟な勤務条件がねらい目。
・競争率が低い:公開されない分、応募者が少なく内定獲得率が高まる。
メリット9)内定獲得率・給与交渉力の強化
転職エージェントから求人企業へ推薦状を提出してもらい、あなたの強みや介護両立プランを評価材料として働きかけます。結果、書類通過率や面接通過率が大幅にアップし、内定後の年収交渉もスムーズに進みます。
50代ビジネスケアラーへのメリット
・内定獲得の確度向上:推薦コメント付きで企業担当者の目に留まりやすい。
・年収アップの可能性:同業他社の年収相場を踏まえた交渉サポートが可能。
メリット10)円満退職と入社後フォローまでトータル支援
退職交渉についてのアドバイス、たとえば介護との兼ね合いを考えた最適な退職タイミング調整をアドバイスします。さらに内定後も「入社前面談」「入社後フォロー面談」など、スムーズな転職が出来るように支援します。
50代ビジネスケアラーへのメリット
・トラブル回避:現職の上司・同僚との関係性を配慮した退職方法でトラブルを防止。
・入社後定着支援:新しい職場環境への不安解消、オンボーディングサポート。

転職エージェントは、みなさんの「時間的制約」「精神的負担」「情報不足」を一気に解消する強力なパートナーです。無料で登録が可能ですし、どのような求人案件があるかを教えてもらえます。
転職エージェントの利用フロー

はじめて転職エージェントをご利用される人には、どのような流れになるのか分かりませんよね。ここでは会員登録からサービス終了までの基本的な流れを紹介します。繰り返しになりますが、これらのサービスはすべて無料ですので安心してご利用ください。
- Step1:会員登録
Webサイトにアクセスして基本情報を入力(職務経歴・希望条件等などは後日)。会員登録後、転職エージェントからみなさんへ連絡があります。 - Step2:キャリア面談
対面またはオンラインでキャリアアドバイザーとの面談を実施。この面談でみなさんのキャリアや希望について詳しくヒアリングされます。(面談前までに職務経歴書などを送付) - Step3:求人紹介
面談後、みなさんへご紹介可能な条件にマッチする求人案件をご紹介します。 - Step4:応募・書類添削
みなさんが気に入った求人案件がありましたら、転職エージェント経由で書類を提出。提出前には、キャリアアドバイザーと履歴書・職務経歴書をブラッシュアップするようにしましょう。書類の添削を希望すれば、キャリアアドバイザーが対応してくれます。 - Step5:面接調整・練習
みなさんの希望日時と求人企業の希望日時を、キャリアアドバイザーが調整をしてくれます。面接前には、みなさんが希望をすれば転職エージェントとの模擬面接が行われます。 - Step6:内定獲得
内定獲得後、みなさんが内定を応諾する前に希望年収の調整をしてくれます。 - Step7:退職交渉サポート
円満退社のアドバイスについてもアドバイスをしてくれます。
まとめ

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。あなたの新しい一歩を心から応援しています!
【著者情報】くまさん(介護と転職のアドバイザー)
年齢 | 在籍期間 | 在籍企業 |
---|---|---|
22~34歳 | 10年 | 金融機関勤務(大手銀行、米系証券会社) |
35~45歳 | 10年 | 大手転職エージェント |
45~50歳 | 5年 | 介護系ベンチャー企業 |
50歳~ | 5年以上 | 独立して介護と仕事のコンサルタント |
年 | 主な出来事 | |
---|---|---|
1970年 | 0歳 | 神奈川県横浜市に生まれる。 |
1992年 | 22歳 | 大学卒業後、みずほ銀行に入行(法人営業担当)。 |
2000年 | 30歳 | 米系証券会社に転職し、主に債券を扱うトレーダーを行う。 |
2005年 | 35歳 | 大手転職エージェントにキャリアチェンジ(ミドル層の転職支援)。広告やプロモーション全部門の責任者となる。またキャリアアドバイザーとしての経験もあり、求職者のお気持ちに寄り添うカウンセリングを得意とした。 |
2015年 | 45歳 | IPO直前の介護ベンチャー企業に転職し、介護事業者の収益改善コンサルティングに従事。特養、訪問介護、通所介護、または有料老人ホームの経営や人事コンサルタント業務を行う。また、一般ユーザー向けには介護の相談窓口サービスを提供し、とくに仕事と介護の両立に悩む会社員をサポートしてきた。 |
2020年 | 50歳 | 独立し「Dr.介護と仕事のアドバイザー」として企業制度設計や講演、情報発信を開始。その流れで本ブログを執筆中。現在に至る。 |
No. | 得意分野 |
---|---|
1 | 介護と仕事の両立支援(一般ユーザー向け) |
2 | ミドル・シニア層(30代~50代)のキャリア再構築・転職支援(一般ユーザー向け) |
3 | 介護人材の採用・定着(介護事業者向け) |
4 | 介護事業者の経営支援(介護事業者向け) |
5 | ダイバーシティ経営(介護離職防止)(介護事業者向け) |
6 | 施設(老人ホーム)選びのアドバイス(一般ユーザー向け) |
7 | 50代以降のキャリア再デザイン(一般ユーザー向け) |