求人票はウソだらけ?ケアラー目線で確認すべき見方と注意点

仕事さがし

介護と仕事を両立しながら新しい職を探すケアラーや、介護離職後に再就職を目指す元正社員の皆さん。転職活動中に、求人票を見ただけでは本当に信じていいのか、不安を感じたことはありませんか?

実際、求人票には便利そうに見える情報が並んでいても、細かく読んでみたり、実際に面接をしてみると「思っていたのと違う…」と後悔するケースは少なくありません。

本記事では、「求人票が持つ仕組み」や「見方のコツ」、そしてケアラー視点で押さえておきたい注意点を解説します。

くまさん(介護と転職アドバイザー)
くまさん(介護と転職アドバイザー)

最後に50代以上のミドル世代に特化してサポートする転職エージェントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

  1. 求人票とは?まずは“基本構造”を押さえよう
    1. 求人票に必ず掲載されている8つの項目
    2. “求人票”と“求人広告”の違い
    3. 求人票が持つ「法的な裏付け」
    4. 年齢制限の裏に隠された“実践力重視”か“若手育成”か
  2. 求人票の“見方”――ケアラー/介護離職者が押さえるべきポイント
    1. 職種・業務内容は“具体的に”読む
    2. 勤務時間・シフトは“介護スケジュール”と照らし合わせてチェック
    3. 給与・手当の“実際”を見極める
    4. 募集資格・年齢制限は“本当に妥当か”を判断
    5. 福利厚生・休暇制度で“介護への理解度”を探る
  3. 求人票に潜む“嘘”や“ミスリード”を見抜く方法
    1. 給与・残業時間のギャップに要注意
    2. 年齢制限の裏に隠された“実践力重視”か“若手育成”か
    3. 「正社員登用あり」「契約更新あり」の落とし穴
    4. 「福利厚生充実」のフレーズに要注意
  4. ケアラー/介護離職者が“特に見るべき”5つのポイント
    1. 年齢制限と実務経験のバランス
    2. 介護両立支援制度の有無
    3. 勤務地と通勤手段の柔軟性
    4. 勤務時間・シフトパターンのリアル度
    5. 給与・手当の内訳を細かくチェック
  5. 50代以上ミドル世代に強い!おすすめ転職エージェント5選
    1. リクルートエージェント
    2. doda(デューダ)
    3. パソナキャリア
    4. ミドルの転職(現:typeミドルエージェント)
    5. ロバート・ウォルターズ
  6. まとめと次の一歩の踏み出し方
    1. 本記事の振り返りチェックリスト
    2. 「求人票を味方にする」ために今すぐできること
    3. 最後に――ケアラーとして“正しい選択”を重ねていくために

求人票とは?まずは“基本構造”を押さえよう

求人票に必ず掲載されている8つの項目

  • 企業名・事業内容
  • 職種・業務内容の概要
  • 勤務地・最寄り駅
  • 勤務時間・シフトパターン(残業の有無など)
  • 給与・手当(基本給、賞与、各種手当など)
  • 募集資格・スキル要件(学歴・経験・資格など)
  • 年齢制限の有無・基準(「〇歳まで」「応相談」など)
  • 福利厚生・休日休暇(社会保険、介護休暇制度、育児支援など)

“求人票”と“求人広告”の違い

求人票は労働条件通知書に準じた書類で、法的に記載すべき内容が決められています。一方、転職サイト等に掲載されている求人広告は、企業が自社サイトや求人媒体で自由に打ち出せるPR用の文章です。求人広告は見た目を重視しやすく、「魅力的」に見える表現が多いので、求人票と比べて現実と差が生まれやすい点に注意しましょう。

くまさん(介護と転職アドバイザー)
くまさん(介護と転職アドバイザー)

求人広告は一定のルールの基づいて作成されているものの、転職サイトに掲載されている各求人広告はあくまで「広告」です。短所には目をつぶり、なるべくイメージがよくなるように作られていますことを覚えておいてください。

求人票が持つ「法的な裏付け」

求人票には、労働基準法や派遣労働法で「ここは必ず書いてください」と決められた項目があります。たとえば賃金額や労働時間、休日などは必須項目です。もし虚偽の内容を載せると、労働局から是正指導を受けたり、最悪の場合企業名が公表されることもあります。言い換えれば、求人票は「ウソを書きづらい」仕組みになっているため、大きく外れた情報は少ないです。

くまさんのコメント
求人票って「会社の誓約書」のようなものなんですよ。だから「残業なし」と求人票に書いてあれば、会社側は本来残業を発生させずに運用しなければいけません。もちろん現実には例外もあるので、後で詳しく見抜き方をお伝えしますね。

年齢制限の裏に隠された“実践力重視”か“若手育成”か

求人票に「35歳まで」と書いてあると、働きたい方は「自分は対象外かな…」と落胆するかもしれません。しかし実際には、企業が30代後半までを募集する理由は大きく分けて2つあります。
1)即戦力としての実践力を求めている
2)若手を育てる余地がある人材を採りたい
そのため、年齢制限がある場合は「なぜ35歳までなのか」「実務経験は何年必要か」を面接前に確認して、本当に応募可能かどうかを判断しましょう。

くまさんのコメント
「求人票に年齢制限があると、自分はもう門前払いかな…」と落ち込む方も多いです。でも、企業側も「〇歳まで」と書けば応募を絞れるメリットがあります。実際には年齢を理由に落とされるよりも「◯年以上の経験があるか」のほうが重視されることも多いので、面接でしっかり確認してみてくださいね。

 

求人票の“見方”――ケアラー/介護離職者が押さえるべきポイント

職種・業務内容は“具体的に”読む

たとえば求人票に「介護補助」とだけ書かれていても、実際にどのようなことなのかイメージしにくいですよね。書かれている内容がじゅうぶんに理解できないときには、たとえば転職エージェント経由の求人案件の場合は、納得するまで何度もキャリアアドバイザーに質問して理解できるようにすることをおすすめします。

勤務時間・シフトは“介護スケジュール”と照らし合わせてチェック

「シフト制(週5日)」と書かれていても、ケアラーにとって重要なのは「通院日でも休みが取れるか」「残業がどの程度あるのか」です。求人票によくある表現は次のとおりです。
・「フレックスタイム制」:出勤時間の幅があるがコアタイムがあるか要確認
・「時短勤務可」:何時間から何時間までなら認められるか確認
・「夜勤あり/日勤のみ」:家庭の事情に合わせて働けるかどうかを面接で聞いてみましょう

くまさんのコメント
ケアラーは「今日は親がデイサービスに通う日だから夕方には戻りたい」という日もありますよね。求人票には「残業ほぼなし」と書いてあっても、実際は「月30時間程度」といったケースもあります。応募前に「実際の平均残業時間」や「急なシフト変更の頻度」を確認しておくとミスマッチを減らせます。

給与・手当の“実際”を見極める

「月給25万円~」と書かれていても、そのうち一律手当を含むのかどうか確認しましょう。また、通勤手当や時間外手当、介護両立手当がある場合、具体的な金額や条件が求人票に明示されているかをチェック。たとえば「介護手当:5000円/月」とあれば、毎月5000円が支給される制度なので、有効活用しましょう。

募集資格・年齢制限は“本当に妥当か”を判断

「年齢35歳まで」と書かれている求人票は見かけますが、実は日本では年齢制限を設ける場合、法令上「職務遂行に必要な合理的な理由」が必要です。したがって、求人票に年齢制限がある場合は「なぜこの年齢なのか」「〇年以上の経験があるか」を確認することで、本当に自分が応募できるかを判断しましょう。

くまさんのコメント
日本の法律では、年齢を理由に理由なく応募を制限するのはNGとされています。とはいえ、現実には「35歳まで」と求人票に書くことで応募者を絞るケースが多いのも事実。もし自分が高齢になりつつある場合は、「年齢応相談」や「経験者優遇」などの求人を中心に探してみてくださいね。

福利厚生・休暇制度で“介護への理解度”を探る

「介護休暇」「短時間勤務制度」「在宅ワーク」などの制度が求人票に記載されているかをチェックしましょう。これらの制度がしっかり整備されている企業は、ケアラーの事情を理解しやすい傾向があります。また、「有給休暇は入社半年後から〇日」と具体的に書かれているか確認し、介護が必要な日に休みを取れるかどうかイメージしてください。

くまさんのコメント
介護と仕事を両立するには、やはり企業の理解が欠かせません。求人票に「介護休暇あり」と書いてあっても、実際には「直前に申請しても許可が出ない」というケースもあります。面接やエージェントを通じて「直近で介護休暇を取得した人はどのくらいいるのか」を確認すると安心ですよ。

 

求人票に潜む“嘘”や“ミスリード”を見抜く方法

給与・残業時間のギャップに要注意

求人票に「残業ほぼなし」「平均残業10時間」とあっても、実態は「月30時間」を超えることもあります。求人票の「平均残業時間」は過去の実績であり、今後の業務量や急なプロジェクトで変動する可能性があります。面接前に「去年の残業実績」「業務が繁忙期にどうなるか」をしっかり質問しておきましょう。

年齢制限の裏に隠された“実践力重視”か“若手育成”か

求人票に年齢制限がある場合、企業は「若手を育てたい」「現場の体力を重視したい」といった意図があります。しかし実際には、経験者や年長者でも即戦力として採用したい場合があります。面接前に「35歳までの応募条件ですが、経験者なら年齢超過でも応募可能か」を確認すると、本当に自分が応募できるか判断できます。

くまさんのコメント
「自分は36歳だから応募できない」と求人票を見て諦めてしまう方もいますが、実際に面接で相談するとOKになるケースは意外と多いです。求人票はあくまで“目安”なので、気になる求人があればまずは問い合わせてみてくださいね。

「正社員登用あり」「契約更新あり」の落とし穴

「契約社員スタート」「正社員登用あり」と書いていても、実際に正社員に登用されるためには「勤続〇年以上」「評価が〇以上」などの条件がある場合があります。求人票に「登用実績〇名」とあっても、「応募者全員が正社員になれるわけではない」ことを理解したうえで、自分の希望とマッチするか確認しましょう。

「福利厚生充実」のフレーズに要注意

「福利厚生充実」と書いてあっても、実際にケアラー向けの介護支援制度があるかは求人票だけではわかりません。たとえば「社内イベント多数」とあっても、介護中に参加できるかは別問題です。面接時に「介護中の従業員のためのサポート体制」や「在宅勤務の実態」を確認すると、求人票に隠れたミスマッチを防げます。

くまさんのコメント
「福利厚生が充実」といっても、ケアラーにとって大事なのは「介護対応の余地」です。求人票だけで判断せず、「実際に介護中の人が利用した例はあるか」を面接やエージェントを通じて確認してみてください。

 

ケアラー/介護離職者が“特に見るべき”5つのポイント

年齢制限と実務経験のバランス

日本では、求人票に「年齢〇歳まで」と表記する場合、法律上「職務遂行に必要な合理的な理由」が求められます。つまり、企業は「35歳まで」を掲げる理由を明確にしなければなりません。ただし、多くの求人票では「年齢不問」か「応相談」といった表記もあります。特に50代以上でも応募可能なポジションかどうか、「年齢応相談」と書かれている場合は実際に何歳まで許容するのかを問い合わせてみましょう。

くまさんのコメント
「求人票に年齢制限がある=自分はダメだ」と諦めずに、まずは問い合わせを。たとえば「年齢応相談」と書いてあれば、実務経験や資格次第で応募できる可能性があります。面接前にあきらめず聞いてみることが大切ですよ。

介護両立支援制度の有無

求人票に「介護休暇」「短時間勤務制度」「在宅勤務可」などの文字があれば、ケアラーへの理解度が高い企業と言えます。特に「在宅勤務可」は通院付き添いの合間に働ける可能性を示します。求人票に正式名称で書かれているかどうかを確認し、面接で利用条件を詳しく聞きましょう。

くまさんのコメント
無料で利用できる「介護休暇制度」があるかどうかは大きなポイントです。求人票に載っていない場合は「どのくらいの人が実際に取得しているのか」を面接で質問すると、企業の本気度がわかりますよ。

勤務地と通勤手段の柔軟性

「在宅勤務可」や「主要駅から徒歩〇分」といった文言だけでなく、「フレックスタイム制で18:00までに退社可」と書かれているかをチェックしましょう。通勤時間が長すぎると、介護への影響が出るため、求人票の“最寄り駅”情報は必ず地図や路線図で確認し、実際の通勤負荷を把握してください。

くまさんのコメント
通勤時間が片道1時間以上かかると、朝も夜もバタバタしてしまいます。求人票に「リモートワーク○日可」とあっても、実際には「月2回だけ」といったケースも。具体的に何割が在宅で働いているか、面接で確認することが大切です。

勤務時間・シフトパターンのリアル度

「シフト制(週5日/実働8時間)」と書かれていても、実際には「急な呼び出し」「休日出勤」があるかもしれません。求人票に「急なシフト変更の可能性あり」などの記載があるかをチェックし、面接時に「どのくらいの頻度でシフトが変更されるのか」を聞いておきましょう。

くまさんのコメント
シフト勤務は慣れれば対応できますが、ケアラーにとって一番怖いのは「急に出勤を頼まれること」。求人票に「シフト固定制」と書いてあれば安心ですが、曖昧な場合は必ず確認してみてください。

給与・手当の内訳を細かくチェック

「月給〇〇万円~」と書かれていても、「一律手当含む」とあれば実際の基本給はもっと低い可能性があります。「通勤手当」「時間外手当」「介護両立手当」など、ケアラーに役立つ手当があるかを求人票で確認し、条件面で損をしないようにしましょう。

くまさんのコメント
手当が多くても「〇〇手当:上限〇〇円/月」など制限がある場合があります。求人票に書かれている手当を鵜呑みにせず、「どのくらい支給されるのか」「条件は何か」を質問しておくと安心ですよ。

 

50代以上ミドル世代に強い!おすすめ転職エージェント5選

リクルートエージェント

特徴:国内最大級の求人数を誇り、ミドル世代向け案件も豊富。面談でブランクや介護スケジュールを考慮した求人を提案してくれる。

強み:「50代以上歓迎」などのキーワード検索が可能で、在宅ワークや時短勤務の条件付き求人も多い。夜間・土日の面談も対応。

doda(デューダ)

特徴:中堅~大手企業の求人が多く、50代以上向けの「リーダー候補」「部門マネージャー」など高年収案件も取り扱い。

強み:キャリアカウンセリングで介護両立希望を伝えると、専門チームが介護支援制度のある企業を優先的に紹介してくれる。

パソナキャリア

特徴:女性・ミドル層支援に強く、介護離職者向けの再就職支援プログラムを提供。介護両立の相談窓口がある。

強み:「50代再就職サポートセミナー」を定期開催。応募前に求人票の読み方を個別でアドバイスしてくれる。

ミドルの転職(現:typeミドルエージェント)

特徴:30代~50代のミドル層に特化した求人を多数保有。介護業界経験者向けのポジションや、介護両立支援企業の求人多数。

強み:「ミドル層限定面談会」を毎週開催。経験や年齢を活かせる企業をピンポイントで紹介し、求人票の細かい条件も丁寧に解説。

ロバート・ウォルターズ

特徴:外資系・グローバル企業に強みがあるが、国内大手企業のミドルポジションも豊富。「50代の管理職案件」も多数掲載。

強み:高い交渉力で福利厚生や介護休暇制度の条件交渉が得意。求人票だけではわからない企業文化やリアルな残業実態を教えてくれる。

くまさんのコメント
50代以上のケアラーは、求人票を見ても「自分に合う案件が見つからない」と諦めがちです。でもご紹介したエージェントは、ミドル世代を本気でサポートしてくれる実績があります。まずは気になるエージェントに登録し、「介護両立希望」を伝えてみてください。あなたの経験やスキルを最大限に活かせる求人票を見つけてくれるはずです!

 

まとめと次の一歩の踏み出し方

本記事の振り返りチェックリスト

  • 求人票の8つの必須項目を確認しましたか?
  • 業務内容やシフト、給与を「自分の介護スケジュール」と重ね合わせましたか?
  • 年齢制限や福利厚生の実態を面接前に質問しましたか?
  • 最後に紹介した転職エージェントへ自分の希望を相談しましたか?

「求人票を味方にする」ために今すぐできること

  • 求人票を見つけたら、まずは赤ペンで「介護スケジュール」と照らし合わせる
  • 「求人票 嘘」「求人票と違う」と思ったら、企業とエージェント両方に確認する
  • 50代以上のケアラーはミドル向けエージェントに自分の経験・希望を相談してみる

最後に――ケアラーとして“正しい選択”を重ねていくために

転職活動はゴールではなく、新たなスタートです。求人票はあくまで“入り口”にすぎません。面接やエージェントのフォローをフル活用し、あなたのライフスタイルに合った仕事を選びましょう。どんなに厳しい状況でも、あなたの経験や意欲を必要とする場所は必ずあります。自分を信じて一歩踏み出してください。

 

くまさん(介護と転職アドバイザー)
くまさん(介護と転職アドバイザー)

くまさんのコメント
求人票は「企業からのメッセージ」です。そのメッセージを正確に読み取ることで、本当に自分に合う場所を見つけられます。まずは「自分の介護スケジュール」と求人票を重ね合わせ、「これならできそう!」と思える求人を探してみてくださいね。応援しています。

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