求人票の見方(基本編)|これだけは知っておこう

 介護をしながら働くビジネスパーソンや介護離職を経験した方々にとって、新たな職場を探す際に最初に目にするのが「求人票」です。

この求人票が、皆さんの今後のキャリアや生活に大きな影響を与えることも少なくありません。

そこで、この記事では求人票の見方や重要なポイントについて詳しく解説します。

これから転職を考えているビジネスケアラーや介護離職者の皆さんが、安心して転職活動を進められるようサポートいたします。

 

Dr.キャリアと介護のアドバイザー

求人票の見方を理解する。これが転職成功への第一歩と言えます。ぜひここで勉強して、求人票の見方を覚えてしまいましょう。

求人票とは?

 

求人票の定義

 

求人票とは、企業が新たに採用したい人材の条件や仕事内容を記載した文書のことです。

転職活動において、求人票は求職者と企業との最初の接点となります。

求人票を通じて、企業のニーズや提供する職務内容、待遇などを把握することができます。

 

求人票の重要性

 

求人票は、転職活動の出発点です。求人票をしっかりと理解することで、自分に合った職場を見つけやすくなります。

また、求人票に記載されている情報を基に、自分の希望や条件を整理し、面接時に具体的な質問をすることができます。

正確に求人票を読むことで、後々のミスマッチや不満を防ぐことができます。

 

ここで質問です。みなさんは「週休二日」を説明出来ますか?

 

週休二日とは、1ケ月の間に週2日の休みが「週1度以上ある」ことです。

 

Dr.キャリアと介護のアドバイザー

「週休二日」とは、必ず週2日の休みがあるというわけでは無いのです。

一方「完全週休二日」となると、年間を通じて毎週2日間休みがあるということになります。

 

週休二日でも、「完全」がつく場合とそうで無い場合で大きく意味が違うのです。

 

Dr.キャリアと介護のアドバイザー

しかしもう一点注意が必要です。多くの人が完全週休二日と聞くと、「当然、土・日が休みなんですよね。」と思っているようなのですが、実態は違いますので注意しましょう。

土・日が休みの完全週休二日の場合には、求人票に「完全週休二日制(土日)」と表記がされています。求人票に「完全週休二日制」だけの表記の場合は、土・日が休みとは限りませんので注意です。

 

このように休日の表記だけでも、完全に理解されていないケースもあるようです。

 

繰り返しになりますが、求人票はみなさんと求人企業の最初の接点。求人票に明記されている項目をしっかりと理解しないと、とても転職が成功するとは思えません。

 

求人票にマストで記載されている項目

 

・雇用形態

・試用期間の有無

・契約期間

・業務内容

・就業場所

・就業時間

・賃金

・加入保険

・募集者の氏名または名称

ハローワーク求人票

求人票の見方

 

基本的な項目の理解

 

求人票には、さまざまな項目が記載されています。以下に、特に重要な項目とその意味を解説します。

雇用形態

雇用形態は、正社員、契約社員、嘱託社員などの働き方を指します。正社員は無期限の雇用契約で、安定した収入や福利厚生が期待できます。

一方、契約社員や嘱託社員は、期間限定の契約となり、雇用の安定性が異なります。自分のライフスタイルや将来の計画に合わせて、適切な雇用形態を選ぶことが重要です。

仕事内容

仕事内容は、具体的にどのような業務を担当するのかを示します。自分のスキルや経験が活かせる職務内容かどうかを確認しましょう。

また、新たなスキルを身につけたい場合や、キャリアチェンジを考えている場合には、挑戦したい業務が含まれているかをチェックすることが大切です。

給与

給与は、基本給や各種手当、ボーナスなどの総額を確認します。求人票には「月給○万円」や「年収○万円」といった形で記載されていますが、手当の内容や支給条件も併せて確認しましょう。

また、昇給や賞与の有無も重要なポイントです。

勤務地

勤務地は、実際に働く場所を示します。

通勤時間や交通手段、地域の環境なども考慮して、自分にとって通いやすい場所かどうかを判断しましょう。また、リモートワークが可能な場合や、転勤の有無も確認することが重要です。

勤務時間

勤務時間は、1日の労働時間や週の労働日数を示します。「週休二日制」や「フレックスタイム制」など、働き方に柔軟性があるかどうかもチェックしましょう。

特に介護をしながら働くビジネスケアラーにとって、柔軟な勤務時間は大きなメリットとなります。

 

各種手当と福利厚生の理解

 

求人票には、基本給以外にもさまざまな手当が記載されています。以下に代表的な手当とその意味を解説します。

家族手当

家族手当は、家族を養っている従業員に対して支給される手当です。扶養家族の人数や状況に応じて支給額が異なります。

地域手当

地域手当は、勤務地の地域特性に応じて支給される手当です。生活費や物価の高い地域に勤務する場合に支給されることが多いです。

技能手当(資格手当)

技能手当は、特定の技能や資格を持つ従業員に対して支給される手当です。専門的な知識や技術を持つ方にとっては、給与に大きく影響します。

交通費

交通費は、通勤にかかる費用を補助するために支給される手当です。実費支給の場合もあれば、一定額まで支給される場合もあります。

 

<福利厚生、制度について>

 

a) 厚生年金基金とは

厚生年金と厚生年金基金の違いは以下の通り。

・厚生年金→国に払う(絶対加入)

・厚生年金基金→民間の業界団体に払う(任意)

会社が厚生年金基金に属していると社員は自ずとその厚生年金基金に加入することになります。

 

b) 財形貯蓄とは
「一般財形」「財形住宅」「財形年金」の3種類があります。

財形住宅は、マイホームの購入資金のためのものと設定されています。

財形年金は財形貯蓄した残高を60歳以降に定期的に受け取っていくもの。

 

c) 企業年金とは

企業年金は会社が社員のために年金を支給するしくみです。

また企業年金の種類には以下のように大きく2つに分けられます。

1)確定給付型 2)確定拠出年金

 

d) 確定給付企業年金とは

厚生年金基金とは違って、「独自の企業年金部分」のみで管理運営されます。

設立の方法も、「1社単体」「グループ企業」というように独立性が高いのが特徴です。

 

e) 確定拠出年金401Kとは

確定拠出年金は自分で運用商品を選ばなければならない年金制度。

 

ヤバいです。最後の方はどんどん分からなくなりました。保険とか年金とかはまったく分かりません。

A君(20代会社員)

Dr.キャリアと介護のアドバイザー

たしかにこれらの事をしっかりと理解するのは大変ですが、なんとなくで良いので概念だけ理解するようにしましょう。その方がいざと言う時に、必ず役立つはずですから。

 

求人票の見方、求人票の事実と企業の本音とは

 

Dr.キャリアと介護のアドバイザー

じつは転職してすぐに辞めてしまう人が多くいます。入社後すぐの退職(早期退職と言います)は、求人票に明記してあった内容と入社後の待遇のギャップが原因のようです。やはり事前の求人票のチェックを重要なのです。

「聞いていた残業時間と違う」

「事前に聞いていた賞与と違う」

「自分が希望していた仕事が出来ない」

「思っていた社風と全然違っていた」

 

私のところに転職して間もない人が上記のような相談をしに来ます。

 

「自分が希望していた仕事が出来ない」「思っていた社風と全然違っていた」といった事については、求人票だけからは分かりづらいかもしれません。

 

しかしその他の諸条件については、事前に求人票で確認が出来たはずです。

 

このような状況にならないためにも、求人票をしっかりとチェックしておく事と、面接の際に入社後の待遇や社風なども採用担当者にしっかりと確認しておくことが必要です。

 

Dr.キャリアと介護のアドバイザー

ハローワークのホームページにも求人票の見方について解説がありますので、こちらもあわせて参考にしてみてはいかがでしょうか。

<参照文> ハローワーク求人票の見方

 

求人票に嘘は違法です

 

職業安定法65条に、故意に虚偽の広告や虚偽の条件を提示して労働者の募集を行った者に対しては罰則があり、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金とあります。

 

求人票の明記に違反した時には罰則があります。

 

それならやっぱり求人票を信用して、もっと求人票の見方を研究すれば良いんですね!

A君(20代会社員)

 

A君のように思われている方もいることでしょう。

 

しかし転職サイトに掲載している求人情報は、求人企業が掲載料金を支払って掲載しています。

 

つまり、求人企業は転職サイトにとっては大事なお客様になるのです。

 

Dr.キャリアと介護のアドバイザー

求人企業はお金を支払ってくれる大事なお客様。それゆえ、転職サイトとしてもなるべくお客様のご機嫌を損なわないように「良い情報」だけを掲載する傾向にあるのです。

 

ちなみに転職サイトに掲載されている求人情報は、転職サイトの制作担当者が取材をして原稿を作成します。

 

嘘の情報掲載は違法になりますが、意図的に良い情報だけを掲載する事も出来るのです。

 

これでは求人企業の本当の姿は見えてきませんし、求職者のみなさんも正確にその企業の実態を理解することは出来ません。

 

えっ!それだとどうしたら会社の本当に情報を知る事が出来るのでしょう?ほとんどウソにも近い情報に思えるんですけど。。。

A君(20代会社員)

Dr.キャリアと介護のアドバイザー

このような誤解などを解消するためにも、転職サイトの利用と同時に転職エージェントの利用をおすすめします。転職エージェントを併用すれば、求人票に掲載していないようなリアル情報を知る事が出来ます。

 

求人票には表記ルールがあります

 

続いて、求人票の表記ルールについても紹介しておきます。

 

求人票には「職業安定法第42条」に則った表記ルールがあります。

 

職業安定法第42条

労働条件の明示義務として、「試用期間の有無、ある場合はその期間」や「固定残業代に係る計算方法、固定残業代を除いた基本給等」などがあります。

 

細かく掲載出来る項目や掲載すべき項目などが設定されているのです。

 

みなさんにも覚えて頂きたい表記ルールは、男女雇用機会均等法雇用対策法の改正による変更点です。

 

これは簡単に言うと、求人票に「男女差別」「年齢差別」の表記をしてはいけない、というルールなのです。

 

Dr.キャリアと介護のアドバイザー

OLが会社員と呼ばれるようになったり、看護婦が看護師と呼ばれるようになったり、保母が保育士と呼ばれるようになったのもこのような流れがあったからです。

たしかにそうですよね。ちょっと前まではキャビンアテンダントもスチュワーデスでしたよね。

A君(20代会社員)

 

MEMO
求人企業としては、本音では「男性を採用したい」「女性を採用したい」といったニーズや、「20代に限定したい」といった本音のニーズがあります。しかし当然の事ながら、これらの事は求人票に記載は出来ません。

 

そうすると、たとえみなさんが完璧な応募書類を提出したとしても、「うちの会社では、本音では男性を採用したい」といった理由で書類審査NGといった事が起こるのです。

 

このように企業にも「建前と本音」があるのです。

 

Dr.キャリアと介護のアドバイザー

このような企業の本音は、求人票をどんなにチェックしたとしても分からない事ですよね。無駄な書類作成と応募を防ぐためにも、やはりこのあたりの企業の裏事情を知っている転職エージェントを利用する事が良いでしょう。

 

転職エージェントの企業担当の営業は、このような求人情報に掲載されない企業の本音を事前にヒアリングしています。

 

そうすると例えば20代が欲しい求人企業に、30代の求職者が応募するような無駄を省く事が出来るのです。

 

求人票のチェックとリアルな情報を収集するには

 

それでは転職活動を成功するために何をすべきかをまとめてみましょう。

 

その1)求人票の詳細をチェックしましょう

 

まずは求人票を詳細までチェックするようにしましょう。

 

気に入った求人票があったら一次保存をしておいて、同業界の条件なども比較してみましょう。

 

その2)転職エージェントに相談しましょう

 

続いて、求人情報に掲載していないようなリアル情報を知るために、転職エージェントに登録して懸念点を聞くようにしましょう。

 

このようにして、まずは転職サイトをチェックして自分の希望を整理して、その希望条件と懸念点をプロのキャリアアドバイザーに相談してみるのが良いでしょう。

 

これが転職成功の近道と言えます。

 

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