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当時の日本国内では「四大証券」という言葉があり、その四社の証券会社を大手証券会社と呼んでいました。
売上げ規模の順番で言うと、野村證券、大和証券、日興證券、そして山一證券でした。
証券会社の数は全国で約300社程度あり、業界5番手の国際証券、新日本証券、勧角証券、和光証券などが「準大手証券会社」と呼ばれ、このあたりまでが大手証券会社と呼ばれていました。
つまり山一證券は証券業界のエリートのような存在だったのです。
先輩の会社選びのポイントは「人気ランキングに入っている会社だったから」という事が一番だったそうです。
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このように考えると「就職人気ランキングで見かけた会社だから」という理由での会社選びはとても危険かもしれません。
そこで今回は「みなさんの就職活動は正しいですか?」をテーマに、私たち社会人と就活学生の視線の違いなどについて紹介していきます。
就活人気ランキング企業の今後について
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このようにその時は人気の会社であっても、将来どのようになるかは全く分からないですよね。
これは仕方ないことですし、誰にも分からない事かもしれません。
それでは今から約10年前の「2013年の就活人気企業ランキング」を見て、今それらの人気企業がどのようになっているのかを検証してみましょう。
2013年人気企業ランキング
1位 | JTB |
2位 | 三菱東京UFJ銀行 |
3位 | オリエンタルランド |
4位 | 伊藤忠商事 |
5位 | 旭化成ホームズ |
6位 | みずほフィナンシャルグループ |
7位 | 電通 |
8位 | ソニーミュージックグループ |
9位 | 三井住友銀行 |
10位 | ロッテ |
参照サイト:学情
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A君(20代会社員)
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もう少し詳細に説明します。
一般的に言いますと、景気が良い時期には金利が高く、景気が悪い時期には金利が低く設定(誘導)されます。
そして銀行の収益は「預金金利」と「貸出金利」の利ザヤによるところが大きいのですが、金利が高い時ほど収益が上がる傾向にあります。
それでは2013年前後での金利動向はどのようになっていたのでしょう。
1990年以降のバブル景気崩壊の頃より、景気悪化を食い止めるため金利は下落傾向になります。
10年間で下落が続いた金利は、ついに1999年に異常事態とも言える「ゼロ金利政策」が導入されました。その後も2000年代のITバブル崩壊と2008年のリーマンショックによりゼロ金利政策の導入を実施しています。
つまり1990年以降約40年間にも及ぶ長い期間において、日本は低金利時代を過ごしてきたのです。
そしてこのような時代に「銀行を選ぶ」のはかなりリスクが高いと感じるので、先の「2013年人気企業ランキング」には違和感を感じたのです。
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それでは参考に2021年最新の「就活学生の人気企業ランキング」を見てみましょう。
2021年人気企業ランキング
1位 | 伊藤忠商事 |
2位 | JTB |
3位 | 味の素 |
4位 | 丸紅 |
5位 | エイチ・アイ・エス(H.I.S.) |
6位 | アサヒ飲料 |
7位 | 資生堂 |
8位 | 大日本印刷(DNP) |
9位 | 任天堂 |
10位 | オリエンタルランド |
参照サイト:学情
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学生のみなさんにあらためてご理解頂きたい事は、このように10年もの長い月日が流れると各社の業績も変化します。
そこで私が言いたいのは多くの就活学生は大丈夫だとは思いますが、人気ランキングに左右されることなく自分の考えで会社選びをする事を一番に考えてください。
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就活学生と投資家の目線の違い
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ここで大学3年生(2022年3月卒業予定)に対しての就職意識調査を見ていきましょう。
就活学生が選ぶ人気業界ランキング
順位 | 業界 | 割合(%) |
---|---|---|
1位 | 情報・インターネットサービス | 18.8 |
2位 | 情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト | 16.4 |
3位 | 建設・住宅・不動産 | 15.9 |
4位 | 銀行 | 15.6 |
5位 | 水産・食品 | 15.2 |
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就職先企業を選ぶ際に重視する点
会社選びで重視すること | 割合(%) |
---|---|
将来性がある | 49.7% |
給与・待遇が良い | 41.2% |
福利厚生が充実している | 31.5% |
社会貢献度が高い | 28.4% |
職場の雰囲気が良い | 28.4% |
業績・財務状況が良い | 26.3% |
休日・休暇が多い | 22.7% |
大企業である | 20.4% |
仕事内容が魅力的 | 20.2% |
有名企業である | 19.7% |
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会社を選ぶ時に重視するポイントの第1位は「将来性」でした。
そして「将来性」を計る一番の指標といえば「株価」でしょう。
「株を買う」という事は「会社の将来性を買う」ことなのです。
そしてその将来性を評価する指標が、株価と連動している「PER」と「PBR」なのです。
Dr.キャリアアドバイザー
「PBR(株価純資産倍率)」企業の資産価値から今の株価が適正水準かどうか判断する指標
人気ランキングとPERの比較
順位 | 業界 | PER(倍) |
---|---|---|
1位 | 情報・インターネットサービス | 41.3 |
2位 | 情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト | 31.4 |
3位 | 建設・住宅・不動産 | 10.8 |
4位 | 銀行 | 5.1 |
5位 | 水産・食品 | 32.2 |
*2021年2月1日時点でのPER
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2020年末の上場企業の全平均PERが「19.5倍」でしたので、明らかに銀行は全業種で見て期待値が低いとも言えます。
また「建設・住宅・不動産」も同じく全業種平均より低いので、投資家から見ると将来に対する期待値が低いと言えます。
人気ランキングとPBRの比較
順位 | 業界 | PBR(倍) |
---|---|---|
1位 | 情報・インターネットサービス | 4.8 |
2位 | 情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト | 3.8 |
3位 | 建設・住宅・不動産 | 1.0 |
4位 | 銀行 | 0.3 |
5位 | 水産・食品 | 1.7 |
*2021年2月1日時点でのPBR
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就活学生が選ぶ人気業界と投資家が評価する業界には差があるようです。
このように書くと「就活学生は実社会を分かっていない!」などと横暴な意見も出そうですが、私自身は決してそうは思いません。
Dr.キャリアアドバイザー
商社株のPERは「11.2倍」、PBRは「1倍」とPER・PBRともに全業界平均を下回っています。
バフェットと比べたら日本の機関投資家など赤子同然ですが、そのバフェットが商社株を買っているのです。
「就活学生とウォーレン・バフェット」対「投資家」、どちらに先見性があるのでしょうか。
Dr.キャリアアドバイザー
「PER(株価収益率)」=株価÷1株あたり利益
「PBR(株価純資産倍率)」=株価÷1株あたり純資産額
新卒からジョブ型雇用が始まる!?
「会社選びで一番重要な事は、自分自身の考えで将来を選択する事」と言いました。
自分自身で決める事で、将来もし入社した会社や業界の雲行きが怪しくなったとしても、自分が決めた道なので後悔はしないでしょう。
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ジョブ型とは、職務を明確にした上でそこに最適な人材をアサインするやり方です。
欧米の働き方と日本の働き方の最大の違い、それは欧米型が「成果主義(ジョブ型)」によるものに対して日本型が「時間主義(メンバーシップ型)」と言う点でしょう。
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ジョブ型雇用の特徴について
概要 | 職務を明確にする |
業務 | 専門的 |
評価 | 実績による評価 |
人材採用 | 最適な人材 |
人材流動性 | 高い |
そして経団連は「従来の画一的な日本型雇用慣行の限界が顕在化している」とコメントしています。
年功序列ではなく職責や成果で評価する仕組みで、専門性を活かして働く環境を整えようとしているのです。
現在は主に「管理職」や「中途採用」でジョブ型が広がりつつありますが、経団連は「今後はジョブ型を新卒から取り入れるように」と呼びかけているのです。
このような働き方が主流になっていくとしたらそれこそ実力がすべての社会、つまり「自分の人生を人気ランキングで決めるなんて出来なくなる」のです。
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