銀行を辞める?それとも続ける?銀行員は大サバイバル時代の突入か!?

銀行を辞めて転職したい。

 

私のところに相談に来た人は、首都圏にある地方銀行の人たち。

 

最近では「地方銀行の経営改革が正念場」といった声が聞こえます。

 

Dr.転職アドバイザー

新潟県にある第四銀行と北越銀行の合併、三重県にある三重銀行と第三銀行の合併など、県内有数の地方銀行の合併が目立ちます。そして、政府や日銀が地銀に対して、合併・統合を含めた抜本的な経営改善策を求めたり、金融庁も銀行が新たなビジネスに進出しやすいように銀行法の改正を行っていますよね。

 

このような新しい流れは、地方銀行だけでなく大手銀行にも及んでいます。

 

目まぐるしく環境が変化する銀行。

 

そしてそこで働く銀行員は、今どのような状況で、今後どのような事を意識するべきなのでしょうか。

 

みずほ銀行で副業が解禁

社会的な信用度も高い銀行員。

 

銀行員というと、その仕事内容や給与なども充分恵まれた人たち、そのような印象があります。

 

以前特集した記事でも「銀行員は恵まれている」ことが多いので、辞める前にもう一度ご自身の環境を振り返ってみてくださいと申しました。

 

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そして2019年10月には、とくに銀行員の中でも好条件(給与や福利厚生等)と思われる大手行の一角、みずほフィナンシャル・グループが副業解禁に踏み切りました。

 

厚生労働省の調査によると、金融機関の副業はまだ6.4%と、業種別でみても製造業(6.0%)に続く低い割合になっています。

 

Dr.転職アドバイザー

みずほ銀行をはじめ、新生銀行や東邦銀行、あとは伊予銀行くらいしか副業を許可している銀行の名前が挙がってきません。まだまだ金融機関の副業は新鮮なイメージがあります。

 

ところでこの銀行員の副業解禁を、他人事で終わらせてはいけません。

 

この副業解禁が、本当は何を意味しているのかを考えていかなければなりません。

 

みずほFGの副業制度とは

 

それではみずほFG(フィナンシャル・グループ)の副業制度について紹介します。

 

まず、みずほFGで副業をしたいと思った場合、「副業の申請」⇒「会社が審査・承認可否」を行います。

 

この会社の審査に通ると、社員は副業を開始出来ます。

 

副業を承認する際の判断基準に「収入を増やしたいだけの副業」はNGというルールがあるそうです。

 

みずほFGでは副業解禁に至った大きな理由として、「社内経験だけでは人材が育たない」という考えがあるからなのです。

 

つまり副業を始めるにしても、その副業で培ったノウハウ・スキルをいずれは社内に還元して欲しいという事なのでしょう。

 

社員が副業を申請

なにを

いつから

どのくらい(就労時間)

どんな成長が望めるか

 

会社が審査

1. 会社の業務と競合しない

2. 「みずほ」ブランド名は使わない

3. 雇用契約は結ばない

4. 過重労働に配慮する

5. ノウハウや情報を漏洩しない

 

上記の4「過重労働」については、目安として社内の残業時間と合算で月80時間以内を想定しているようです。

 

Dr.転職アドバイザー

仮に「みずほ」ブランドを使って副業が出来れば、世間からは信用度が高い人たちと認知され、様々な事業が展開出来ることでしょう。しかしみずほブランドを使えないとなると、まさしく実力が物を言う世界かもしれません。

 

副業解禁によるメリット

 

みずほFGから見た、副業解禁によるメリット。

 

これは大いにメリットがあると思われます。

 

Dr.転職アドバイザー

それでは会社側から見たメリットをいくつか挙げてみましょう。

 

メリットその1 採用活動が有利になる

お固いイメージのある銀行。給与や待遇は良いのですが、色々なルールで縛られるイメージが強いです。給与は良くても、仕事が退屈といったイメージもあります。そこに副業OKという事になれば、好待遇に加えて自分のやりたい事も出来るようになり、積極的に応募をしたくなる就活学生や求職者の人も増える事でしょう。

 

メリットその2 新しい体験やノウハウの共有

銀行の業務は、ITが加速度的に普及している現在でも、その中身は大きく変わっていません。業務内容が変わらないと何が起きるのか。結論、何も起きないのです。つまり新しいアイデアや価値が生み出されないのです。そこに副業を通じて新しいノウハウや経験が社内で還元されれば、もともと優秀な人材の集まりなので、新しい化学反応が起こる可能性もあるのです。

 

Dr.転職アドバイザー

次に紹介するメリット3。これについては完全に私個人の意見となりますので、読み流していただくだけで結構です。

 

メリットその3 会社人間が増える可能性がある

個人的にはこれがかなり大きいと思っています。副業を始める事によって、自らビジネスを起ち上げる事の難しさを実感すると思うのです。銀行員の給料は恵まれています。しかし本人たちは、自分たちがどれほど恵まれているのかに気づきません。そこで他のビジネスを経験することによって、今の給料を稼ぐことの大変さを実感するはずなのです。そこであらためて今の待遇にありがたみを覚えて、会社に対するロイヤリティーが上がると思われるのです。

 

上記は一例ですが、このように副業を解禁する事による企業側のメリットも大いにあるのです。

 

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副業解禁の本当の目的

 

Dr.転職アドバイザー

さてここから先は完全なる私見で、銀行が副業を解禁する理由について述べたいと思います。これはあくまで私見ですのでご了承ください。

 

歴史的な低金利が長く続く中、銀行のバランスシートが痛んできています。

 

そこに新型コロナウィルスの影響により、さらに今後も新規融資がままならない状況でしょう。

 

IT化によるコスト削減にも限界があるでしょう。このような中、副業解禁によって以下のような事も想定しているのではないでしょうか。

 

本当の目的その1 軌道に乗ったビジネスに出資

申請のあった案件は約250件。そのうち認可した案件が206件あるそうです(2020年12月)。うまく行けばこの中に大化けするビジネスが含まれているかもしれません。そしてビジネスをグロースする段階では、当然ですがファイナンスが必要になります。その際にみずほ銀行が出資することがあるのではないでしょうか。

 

本当の目的その2 出向支援につなげたい

一番ベストな方法は、上記の軌道に乗ったビジネスに社員を出向させる事でしょう。銀行では業績悪化により人員が過剰になっています。今後は国が支援している出向支援制度なども検討していくかもしれません。その際にあらかじめ金融と異なる業務を行っていることが、出向に対する抵抗感を少しは軽減させるかもしれません。

 

MEMO
【厚労省の出向支援について】

厚生労働所は、新型コロナウイルスで業績が悪化した企業から、別の企業に従業員を出向させる取り組みを広げようと対策を始めます(2021年1月)。「出向させた企業」と「受け入れた企業」の双方に助成金制度を設けることを決定しました。厚生労働省は、「従業員の休業が長期化すれば仕事への意欲が低下してしまう懸念がある。雇用を維持しながら休業せずに働くことができる取り組みを後押ししたい」と考え、今回の施策に至ったようです。

 

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どうなる地方銀行の今後

 

地方銀行の再編がさらに加速していくのではと言われています。

 

「地方からの人口の流出」「続く超低金利時代」「新型コロナウィルスの影響」。

 

このトリプルパンチにより、地方銀行の収益環境が悪化する一方です。

 

Dr.転職アドバイザー

このような状況が今後も継続されると考えられ、政府と日銀は「合併」や「経営統合」による再編を促している状況なのです。

 

MEMO
今まで同一県内での地銀の合併は、独占禁止法を促すとして制限されていました。貸出金利は地元の中小企業の収益に大きく影響しますので、県内の地銀統合により不当な金利で貸し出しなどが行われないようにしていたのです。

 

厳しい地方銀行の経営

 

地方銀行の経営はかなり厳しい状況にあります。

 

新型コロナウィルスが蔓延し始めた2020年4月‐9月の連結決算では、上場78行のうち50行が減益・赤字となりました。

 

また20201年3月期での決算も、5年連続の減益が予想されていて、まったく予断を許さない状況なのです。

 

今の超低金利では、利ザヤで稼ぐことは難しく、さらに新型コロナウィルスによる不況で、地方の中小企業の倒産なども考えられます。

 

このように地方銀行にとっては、本当に厳しい状況なのです。

 

増える地銀の統合

 

地方銀行では、生き残りのため経営統合が増えてきています。

 

また今後2021年より、合併・統合の際のシステム統合費用を政府が補助する制度もスタートします。

 

これにより合併・統合が進むかもしれません。

 

地方銀行の合併・統合の事例

時期 合併・統合 合併・統合前
2016年 めぶきFG 常陽銀行・足利HD
2016年 コンコルディアFG 横浜銀行・東日本銀行
2016年 西日本FHD 西日本シティ銀行・長崎銀行
2020年 徳島大正銀行 徳島銀行・大正銀行
2020年 十八親和銀行 十八銀行・親和銀行

 

Dr.転職アドバイザー

上記のような事例以外でも今後は、業務提携が進むものと思われます。合併・統合は統合作業に時間とコストがかかるため、スピード優先で業務提携が見直されることでしょう。

 

国別でみる銀行員の年収比較

 

銀行員はエリートで高年収。

 

このようなイメージを持っている人が多いと思います。

 

最近ではITエンジニア=高年収というイメージが強いかもしれませんが、それまでの長い間まさしく銀行員=高年収というイメージが長く続き、今でもそのイメージがあります。

 

Dr.転職アドバイザー

しかし意外に思われるかもしれませんが、銀行員=高年収なのは一部の国に限られるのです。そして、日本の銀行員の評価はとても高いのです。

 

日本と世界各国の銀行員の年収を比較してみましょう。

 

都市別:銀行員年収比較

都市 平均年収
東京 約6万ドル
ニューヨーク 約5万3,000ドル
ロンドン 3万5,000ドル
ソウル 約4万7,000ドル

 

たとえば専門金融職である「ディーラー」や「トレーダー」といった職業では青天井のサラリーを得られるチャンスもあります。

 

しかし普通の銀行員については、他国ではさほど高年収とは言い切れないのです。

 

どうなる、今後の銀行員の給料

 

Dr.転職アドバイザー

日本と諸外国の銀行員の給料を比較しましたが、日本の銀行員が恵まれているのがお分かりになったことでしょう。しかも先ほどの年収は銀行員の平均。大手銀行となるとさらに待遇が良いようです。

 

ここで「平均年収が高い銀行ランキング」を見てみましょう。

上位74行が紹介されていますが、1位の三井住友トラストHDの「1,303.7万円」と、74位の島根銀行の「448.3万円」では実にその差が「855万円」もあります。

 

オドロキの差ですよね。

 

Dr.転職アドバイザー

上図からも明らかのように、大手銀行の年収は本当にスゴイですね。しかしこのような好待遇がこの先も続くのかどうかは分かりません。

 

参照サイト:プレジデント公式サイト

ズバリ実力チェックをしてみましょう

 

長く続く超低金利の影響で、銀行も銀行員も大変なことでしょう。

 

しかしそれでも新型コロナウィルス等の影響で大変なのは銀行員だけではありません。

 

他の業種はもっと大変な人がたくさんいますし、やはり銀行員は恵まれているものと思われます。

 

それでもご自身の待遇・環境にナットク行かない場合は、一度転職エージェントに登録してみると良いでしょう。

 

転職エージェントに登録すると以下の事が分かります。

 

1) みなさんが受かりそうな会社を紹介してくれる

2) それによって、現在の待遇と比較が出来る

3) 悩んでいるなら、早く登録がベスト

 

Dr.転職アドバイザー

転職エージェントは成功報酬型のビジネスですので、求職者のみなさんには「受かる可能性のある求人」しか紹介をしません。そしてその求人の待遇条件と今の銀行での待遇を比較してみると良いでしょう。おそらく今の年収を超えるのは大変だと思います。

 

年齢別に登録をおすすめする転職エージェントを紹介します。

 

20代ならリクルートエージェント

1) 業界最大手の転職エージェント
2) 圧倒的な転職支援の実績数

「売上げ(転職支援人数)」「従業員数(キャリアアドバイザーなどの人数)」「拠点数」で業界ダントツナンバー1の最大手。

 

Dr.転職アドバイザー

なんと言っても業界のガリバーであるリクルートエージェント。
まずは、ここには必ず登録しましょう。

リクルートエージェントの評価

総合評価
(4.5)

求人の質と数
(5.0)

アドバイスの内容
(4.0)

親身・熱心さ
(3.5)

30代ならJACリクルートメント

JACリクルートメントが良い理由!

1) 業界3位の最大手クラス

2) 外資系企業・ミドルクラス以上に強み

外資系企業を得意とするJAC リクルートメントは、600万円以上の求人が充実していてミドル層以上の方にとって大変魅力的な転職エージェントです。

 

Dr.転職アドバイザー

ロンドン発祥の日系転職エージェント。グローバルなネットワークを持っている点で、他社と一味違った特徴があります。


総合評価
(4.0)

求人の質と数
(4.0)

アドバイスの内容
(4.0)

親身・熱心さ
(4.0)

 

まとめ 銀行員サバイバル

 

銀行員と一言で言っても「大手銀行」「地方銀行」「第二地銀」など様々な行員がいます。

 

そして大手銀行と地方銀行では、収入面の待遇でも大きな開きがあるのが分かりました。

 

一方で諸外国と比較すると、まだまだ恵まれているのが日本の銀行員。

 

「目標が高くてツライ」「仕事がつまらない」「待遇が悪い」。

 

いろいろと悩む銀行員も多いと思います。

 

そんな人は、いつまでも悩まず、素早く次の行動を起こしてください。

 

①副業可能なら、副業に挑戦

②転職エージェントで市場価値をチェック

 

①の副業については会社で解禁されているようでしたらぜひ挑戦してみると良いでしょう。

 

今のみなさんの「素の実力」を計ることが出来ます。

 

②の転職エージェントに登録では2~3社程度に登録してみましょう。

 

転職エージェントがみなさんの職務経歴をチェックして、どの程度の求人を紹介してもらえるか。

 

それによってみなさんの「今の市場価値」を計ることが出来ます。

 

たとえば今のみなさんの年収が700万円だとしても、紹介される求人は500万円を超えてこない事もあり得ます。

 

このような2つの方法の結果次第で、「腹を決めて銀行員を続けるか」「思い切って銀行を出るか」を決めてみるのが良いでしょう。

 

Dr.転職アドバイザー

いつまでも悩むのは止めるべきです。今の仕事に支障が出るので、良いことはありませんので。