転職活動をしている時、おそらくみなさんは次の会社の事で頭がいっぱいのことでしょう。
「どのような会社があるのか?」「どのような会社が自分に合うのか?」といった企業研究から始まり、その後「書類を提出」し「面接」を行い、それらを通過すると「内定」を獲得します。
ようやくここで一息つきたいところですが、実はここから大きな仕事が待っています。
意外にもみなさん、この「退職活動がとても重要な事」という認識が低いように思われます。
Dr.キャリアアドバイザー
退職する時に気を付ける事とは
退職する時に気を付ける事。
退職活動で一番重要な事とは「在職した会社に決して迷惑をかけない」という事です。
在職中にお世話になった社内・社外の人への義理を欠くと、その後良い事はひとつもありません。
みなさんの中には、「もうこの会社辞めるから関係ないでしょ!」と思われる人もいるかもしれません。
しかし、それは大間違いです。
Dr.キャリアアドバイザー
どういう事か。
日本の村社会でビジネスをして行くには、この人間関係を大切にする気落ちがとても重要な要素になります。
つまり、いわゆる泥臭い人間関係がビジネスのベースになっている事がとても多いのです。
これからみなさんが退職活動をする際には、「引継ぎをいい加減に行う」「お世話になった方々へのあいさつをしない」「退職日を無理やり前倒しにする」等といった事は避けるべきでしょう。
Dr.キャリアアドバイザー
それでは円滑な退職活動のためにも、これからみなさんはどのような心構えで、どのようなスケジュールで対応をして行くべきかを紹介して行きます。
転職には退職活動が伴います
Dr.キャリアアドバイザー
A君(20代会社員)
Dr.キャリアアドバイザー
Bさん
Dr.キャリアアドバイザー
退職までの大まかな流れ
退職2か月前
一般的には、退職を上司に伝えるのは1.5~2カ月前が多いようです。
正社員が退職をする場合、民法上では2週間前までに退職の意思を伝えればOKとされています。
しかしあくまで民法上の話しであって、あくまでスムーズに退職するための一定の期間は必要になります。
また就業規則に定めがある場合は、民法ではなく会社規定にある期限に従うことが大前提となります。
退職1~2か月前
上司としっかりと話し合いをして、お互いの希望を意見した上で退職日を決定するようにしましょう。
退職日が決まりましたら、上司の指示に従って引継ぎ業務の開始です。
引継ぎに必要な資料の作成やお得意先への後任とのあいさつ回りを始めます。
退職日までの残日数をしっかりと意識して、抜け漏れのないように引継ぎ業務を行いましょう。
また引継ぎ資料の作成については、退職者当人が不在になっても、資料に目を通せば業務が理解出来るように詳細に作成する事を心がけましょう。
Dr.キャリアアドバイザー
退職1週間前
余裕を持ったスケジュールで引継ぎ業務を行えば、退職の1週間位前ではほとんどの業務が終了している事でしょう。
そこで今一度「引継ぎ業務に抜け漏れがないか」「後任者が業務をしっかりと把握出来たか」などの再確認を行うと良いでしょう。
退職数日前~当日(最終出社日)
退職日(または最終出社日)には、社内でお世話になった人たちへのあいさつをしっかりと行いましょう。
特に上司や元上司、仕事でお世話になった人に対しては直接お礼を伝えるべきでしょう。
また、直接のお礼とともにお礼のメールも送っておくべきでしょう。
また会社支給の備品等についても、上司や会社の指示に従い漏れなく返却を行いましょう。
会社への返却物としては、主に以下のようなものが想定されます。
・健康保険被保険者証
・携帯電話
・名刺
・パソコン
・社員証
・定期券
・社内報
・業務上仕様したマニュアル等の資料
・会社支給の文具など
退職の際に会社から受け取るもの
Dr.キャリアアドバイザー
会社から受け取るものとしては、主に以下のようなものが想定されます。
・離職票
・雇用保険被保険者証
・年金手帳
・源泉徴収票
離職票については、次の会社が決まっている場合は必要ありません。
雇用保険の失業給付に必要な書類になります。
雇用保険被保険者証・年金手帳・源泉徴収票については、いづれも転職先の企業に提出する書類になります。
退職活動をするときの注意事項について
Dr.キャリアアドバイザー
まずはご自身の意思を再確認ください
いざ上司に退職の相談をすると「引き留め」などが考えられます。
今はどこの会社も人手不足が顕著ですので、おそらくみなさんも同じように引き留めされるかもしれません。
そしてその時にたとえば甘い誘惑の言葉を言ってくるケースもあり得ます。
新しいポジションやプロジェクトへのアサイン等も考えられるでしょう。
Dr.キャリアアドバイザー
転職理由を考えた上で、上司との面談を実施ください
上司に退職の意思を伝える際には、まずは上司に非礼の無いようにしてください。
まずは上司に今までの感謝の気持ちを伝えて、その上で退職の意思が本気であることを伝えるようにしましょう。
みなさんがはっきりと意思をお伝えしないと、上司からの引き留め等が長引く恐れもあります。
Dr.キャリアアドバイザー
初回面談後の上司からの一言に対して
みなさんから上司へ、はじめて退職したい旨の報告をした際には、おそらくみなさんの上司はこう言うでしょう。
「君には辞めてもらいたくない、もう一度考え直してくれないか?」
「それでは来週もう一度話しを聞かせてくれないか?」
こんな時は以下のように対応するようにしてください。
「貴重な提案をありがとうございます。では一度持ち帰りまして検討させて頂きます。週明けの月曜日にもう一度お時間を頂戴出来ますでしょうか。週末にもう一度じっくりと考えてみます。」
Dr.キャリアアドバイザー
それでも引き留めをされたら
週明けになって2度目の上司との面談。
ここでは何度も考え抜いた結果、やはり退職の意思が変わらない旨をしっかりと伝えるようにしましょう。
おそらく上司からは「優しい言葉を掛けたり」「新しいポジションの打診をしたり」、ひょっとしたら「年収アップの提案」などもあるかもしれません。
しかしみなさんの意思が固まっている以上、ここはしっかりとそれらの提案をお断りして、その上でもう一度退職の意思を明確にしましょう。
上司に納得してもらうためにも
渋々みなさんの話しを聞く上司に対して、それでも何とか納得してもらうには「具体的な退職日」を伝えるのが良いでしょう。
伝え方としては、やはり非礼の無いように意識しながらも、こちらの希望する退職日を伝えるようにしましょう。
「〇月〇日に入社日が確定しておりますので、ご迷惑おかけしますが〇月〇日に退職させて頂けませんでしょうか。」
このようにしっかりと「退職希望日」を提示するようにして下さい。
新しい会社の入社日が確定している事で、上司もあらためてみなさんの退職を受け止めざるを得ない状況になるものと思われます。
どこの会社に行くの?
退職交渉をしている時に上司より「ところで次の会社はどこ?」と、具体的な社名を聞かれることもあるでしょう。
この返答については、上司の性格を考慮しながら社名を伝えるべきかどうかの判断をするようにしましょう。
じつは以前このようなケースがありました。
退職のための話し合いのはずが、会社名がわかるとその上司は無駄な誹謗中傷を始めたのです。
このように退職交渉は、ときには感情論に発展する事もありますので、やはり上司の性格次第では、社名を伝えない方が良い事もあります。
あえて伝えるなら「業界」で留めておくと良いかと思います。
上司との交渉はメモに残す
退職交渉を始めた「日付」「場所」「時間」などをメモしておくようにしましょう。
またその後の退職交渉についても同じようにメモで残すようにして、退職届を提出した日付などもメモで残しておきましょう。
なぜこのような事をするのか?
それは退職交渉は、場合によっては上司で退職の話しが止められてしまうケースもあるのです。
いつまで経っても進まない退職活動。
それを上司に確認しても「今手続きしているところだから」と一蹴されてしまうケースもあります。
そんな時のために退職交渉を行った「日付」「内容」等の記録・証拠を残しておいてください。
Dr.キャリアアドバイザー
まとめ 飛ぶ鳥跡を濁さず
Dr.キャリアアドバイザー
みなさん自身の成長、それは多くの人と接する事で促されるものです。
「考え方」「リーダーシップ」「戦略の立て方」「セルフマネジメントの仕方」「社内コミュニケーション」「社外コミュニケーション」等、人から見て学ぶ事はたくさんあります。
このような機会が多いほど、みなさん自身にも刺激になり、やる気や成長につながって行くのです。
そしてこのような影響を与える人物とは、社内にもいるでしょうが、さらに視野を広げて社外にいる事も望ましいでしょう。
そうするとかつての会社は今では社外。
しかもとても縁の深い社外になるので、こんな貴重な存在は他に見当たりません。
このような点からも、元上司・元同僚・元後輩を大事にして、これからのみなさんの成長につながて行ってもらえたらと思います。
おすすめの特集記事
会社辞めたい!転職した方が良い人、転職しない方が良い人とは。