女性の失業が100万人を突破。シーセッションによる打撃を回避するには。

Dr.キャリアアドバイザー

シーセッション。今回はこのキーワードがテーマになります。

 

新型コロナウィルスの影響により、失業数が増加しているようです。

 

とくに女性の就業環境が悪化する「女性不況」が鮮明になってきているようです。

 

2021年2月時点で女性の実質的失業数は103万人(前月比13万人増)にまで増えているようです。

 

ようやくワクチンの接種が始めりましたが、ここに来て新型コロナウィルスによる悪影響が顕著になって来ています。

 

これ以上待ったなしの状況であり、いよいよ一刻の猶予も無い段階まで来ているのではないでしょうか。

 

現状の雇用情勢をデータで確認すると共に、今後の会社選びのポイントなどについても触れていきます。

 

参照データ:野村総合研究所公式サイト

正規・非正規の従業員数の変化について

 

Dr.キャリアアドバイザー

それでは総務省発表のデータをもとに、正規・非正規の職員・従業員数の推移をチェックしてみましょう。

 

正規社員とは、いわゆる正社員のことを指します。

非正規社員とは、「契約社員/嘱託社員」「パートタイマー」「アルバイト」と分けるのが一般的です。

 

せっかくですので、これを機会にもう少し詳しく「正規社員」と「非正規社員」の違いについて教えて頂けますか?

A君(20代会社員)

そうですね、もし補足していただける事がありましたら、教えてください。

Bさん

 

正規社員と非正規社員の違い(補足)
実は、「正規社員」と「非正規社員」という分け方は法律で決められたものでは無いのです。一般的に「正規社員」が「正社員」と呼ばれており、それ以外は「非正規社員」と定義している企業が大多数を占めているのです。

 

また「正規社員」「非正規社員」の区分以外にも、「直接雇用」「間接雇用」という言葉もあります。

 

「直接雇用」が企業と直接雇用契約を結び、その会社に勤務をして給料をもらう仕組みです。

 

一方の「間接雇用」は勤務している会社と給与をもらう会社が異なるケースです。

 

いわゆる、派遣社員の人たちの働き方がそれに当たります。

 

Dr.キャリアアドバイザー

それではいよいよ、正規・非正規の職員・従業員数の推移を見て行ってみましょう。
 

正規の職員・従業員

非正規の職員・従業員

正規の職員・従業員は、2014年から順調に増加傾向にあるようです。

 

しかし一方の非正規の職員・従業員については2010年から10年連続で増加したものの、2020年は前年比でマイナスに転じました。

 

正規社員と非正規社員を比較すると、新型コロナウィルスの影響を受けたのは明らかに「非正規社員」のようです。

 

Dr.キャリアアドバイザー

この傾向は、かつてのリーマンショックと同じですね。当時も景況感の悪化に伴い、雇用情勢が不安定になりました。そしてその影響をモロに受けたのは非正規社員のみなさんだったのです。

リーマンショックで起きた派遣切り
派遣切りという言葉をご存じでしょうか。派遣切りという言葉は、2008年に起こったリーマンショックをキッカケに生まれた言葉です。2008年から始まった世界規模の金融危機・不況により、自動車産業を中心とした製造業の派遣労働者との契約を打ち切る(雇い止め)動きが活発化したのです。この件をキッカケに「派遣として働くのは、いつ解雇になるか分からないので怖い!」といった声が増え、それ以降派遣として働く事を躊躇する人が増加しました。

 

続けて、男女別の「正規の職員・従業員」と男女別の「非正規の職員・従業員」の推移をチェックしてみましょう。 

 

男性の正規の職員・従業員

女性の正規の職員・従業員

Dr.キャリアアドバイザー

男性、女性ともに正規社員については「新型コロナウィルスにより大きな影響があった」といった印象はありません。むしろ男性・女性ともに2020年度は前年比微増となっています。問題は男性、女性ともに非正規職員です。それでは続けて非正規職員の推移を見て行きましょう。

男性の非正規の職員・従業員

女性の非正規の職員・従業員

正規と非正規の職員・従業員の推移を見ると、非正規の方が明らかに減少にありますね。

Bさん

しかも、女性の方のマイナス幅が大きいですね。前年比で50万人のマイナスですからね。

A君(20代会社員)

Dr.キャリアアドバイザー

そうなのです。景況感の悪化による雇用情勢は、男女別というよりも、正規・非正規で大きく差が出てしまうのです。そして非正規でも特に女性に対する影響が大きく出ているようです。

 

総務省の発表によりますと、2021年の1月の労働力調査では、非正規で働く女性は前年同期比で「68万人」減っていたそうです。

 

それでも女性の正社員は増加傾向にありますので、新型コロナウィルスでは「外食」や「旅行サービス」で非正規社員として働く女性に大きな影響があったようです。

 

それでも人口減少に苦しむ日本は、アフターコロナには必ずや女性の労働市場への復帰を促進しなければなりません。

 

非正規社員として働く女性にとって、こうも雇用が安定しないのは困った問題ですよね。

 

参照データ:総務省公式サイト

 

パート・アルバイト女性の実態について

 

それではあらためて「女性の非正規社員」の状況について紹介します。

Dr.キャリアアドバイザー

新型コロナウィルスの影響によりパート・アルバイト女性の働き方や生活環境はどのように変化したのか見て行きましょう。

 

女性の非正規社員に対する影響について

4人に1人がコロナでシフトが減少

②シフト減の人たちの約4割が、5割以上の大幅なシフト減少

 

Dr.キャリアアドバイザー

やはり新型コロナウィルスは、確実にパート・アルバイト女性に対して影響があるようです。このような中、みなさんはどのように対応しているのでしょう。

 

シフト減が家計や暮らし向きに与えた影響について

貯蓄に回す金額を減らした 69.9%
食費の支出を減らした 69.2%
貯蓄を取り崩した 64.1%
光熱費や通信費の支出を減らした 50.9%
家賃(住宅関連)の支出を減らした 10.8%

 

また「シフト減したパート・アルバイト女性」に下記のような質問も行っております。

 

コロナ以前と比べて「暮らし向きが苦しいと感じる」

「はい」53.8%、「いいえ」44.7%

Dr.キャリアアドバイザー

これは意外な回答でした。約半分の方はシフトが減っているにも関わらず「暮らし向きは変わらない」と答えているのです。

 

コロナ以前と比べて「将来の家計に不安を感じる」

「はい」75.1%、「いいえ」23.6%

Dr.キャリアアドバイザー

約半数の人が暮らし向きは変わらない」と回答しつつも、75%の人が将来の家計に対しては不安を感じているようです。将来不安が強くなってくると、マインドも冷え込んできますので要注意ですね。

 

コロナ以前と比べて「経済状況を理由として気持ちの落ち込み」

「はい」65.1%、「いいえ」33.7%

Dr.キャリアアドバイザー

やはり一定以上の割合でシフト減がみなさんのマインドに影響しているようです。この状況が続きますとこの割合はさらに増加するでしょうし、みなさんんのメンタルにも影響が出ないとも限りませんので要注意です。

 

「今の経済状況では結婚は難しい(独身女性)」

「はい」47.2%、「いいえ」49.9%

 

アンケート結果を見て行きますと、やはり新型コロナウィルスによりみなさんのマインド・行動がマイナス方向に向いているのが分かります。

 

問題は今後です。

 

やがては新型コロナウィルスも終息に向かうものと思われますが、アフターコロナにはどのような状況が待ち受けているのでしょうか。

 

参照データ:野村総合研究所公式サイト

 

シーセッションを考える

 

リーマンショック

 

今からもう10年以上前の出来事ですが、未だに多くのビジネスパーソンの印象に色濃く残る大事件でした。

 

そして今回の新型コロナウィルスのような大事件が起こると、未だにリーマンショックが対比して語られます。

 

リーマンショックとは

2008年9月にアメリカの有力投資銀行「リーマンブラザーズ」が経営破綻した事をキッカケに起こった「世界的な株価下落と金融危機」を指します。 リーマンブラザーズの負債総額は約6,000億ドル(当時約64兆円)という史上空前の経営破綻でした。また同時に日経平均株価も「1万2千円前後」から一気に「6,000円台」まで半減するほどの急落となりました。

 

リーマンショックという言葉は知っています。一気に経済が崩壊したそうですよね。すごく怖いイメージがあります。

A君(20代会社員)

 

リーマンショックは、「製造業」や「建設業」そして「金融業」等の、どちらかと言うと男性の雇用が多い業種を襲いました。

 

景気後退を英語でリセッションと呼びますが、この時男性の雇用に大打撃だったため「マンセッション(男の不況)」と呼ばれるようになりました。

 

一方新型コロナウィルスは、ホテルや旅行などの「レジャー業」、レストランやバーなどの「飲食業」、アパレルをはじめとする「小売業」の雇用に大打撃を与えています。

 

そしてこれらの仕事には女性が多く働いているため「シーセッション(彼女の不況)」と呼ばれています。

 

シーセッションですか。あまり有難くない言葉ですね。今後この言葉を聞かない事が続くことを願うばかりです。

Bさん

 

新型コロナウィルスが発生する前までは、アメリカでは空前の人手不足でした。

 

そして中でも女性の活躍は目覚ましく、労働人口は女性の割合がついに男性を上回り逆転していたのです。

 

しかし新型コロナウィルスの影響によって、多くの女性が労働市場からはじき出されています。

 

そして今後、次の2つの事がどうなるかが問題なのです。

 

①新型コロナウィルスによる、今のような景況感はいつまで続くのでしょうか。

②アフターコロナの世界では、コロナ以前のような雇用の需要はあるのでしょうか。

 

①に関して、もしこのまま景気回復が遅れるならば、今後も雇用が不安定であったり、または特に非正規の方の所得が減少して行くといった事が考えられます。

 

②に関しても、あまり期待出来ないでしょう。

 

コロナ前後で私たちの生活は激変しました。

 

今まで当たり前だった通勤や会議がリモートに置き換わったり、普段の生活もステイホームとなりました。

 

つまり多くの物事がオンラインに代わり、それが当たり前になっています。

 

このような変化によって、すでにサービス業の雇用が改善しづらくなっているのです。

 

このままですと、今まで女性が主役であったサービス業などの仕事が増える事が難しいでしょう。

 

これは、ゆくゆくは男女平等に大きな影響を及ぼすかもしれませんし、あらためて「女性の貧困」「男女格差が拡大」などが社会問題になる可能性があるのです。

 

Dr.キャリアアドバイザー

今回の新型コロナウィルスによる様々な方面への影響は、私たちの想定よりも長引くかもしれません。そのためにも、いち早く対応を考えるようにしましょう。

 

これからの時代の対策とは

 

それでは最後に、非正規社員の女性のためのおすすめコンテンツを紹介します。

 

「転職」や「副業」、または「アルバイト」などのお役立ち情報が満載のおすすめコンテンツです。

 

ぜひ参考にしてみてください。

 

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