
さすがに限界かもしれません。仕事と子供のことだけでも手一杯だったのですが、最近では親も調子を崩してしまいました。とにかくどうしたら良いのでしょう?

こんにちわ、アドバイザーのくまさんです。ダブルケアは「気づいたら手いっぱいで八方ふさがり」という状況になりやすいんです。ママ美さん、まずは「ひとりで抱え込まない」ことを覚えておいてくださいね。少しずつ一歩を踏み出してみましょう。
40歳の正社員ワーママ・ママ美さん(夫は営業職、子どもは保育園)。最近、実家のお母さんが体調を崩し、デイサービスや訪問介護のお世話になるようになりました。
親の介護と同時に、子どものお迎えなどもあるため、仕事・子育て・親の介護という三重の負担に心が折れそうになることも。
そこで大切なのは、「まずは、ひとりで悩まない、抱えこまない」ことです。
誰かに頼れる方法を探し、利用できる仕組みを少しずつ取り入れれば、ママ美さんの負担も少しは軽くなるはずです。この記事では、ワーママであるママ美さんの視点に立ち、「子育て+親の介護」というダブルケアと、それに加えて「仕事」を乗り切るためのヒントを具体的にご紹介します。
ダブルケアについてワーママが知っておくべき基本のキホン

もう無理かも、子供と親のこと、そのうえ仕事なんてもう無理!だれか助けて!
最近増えているダブルケアとは
「ダブルケアラー」とは、「子育て」と「親の介護」という 2つのケア を同時に行っている人を指します。
日本では共働き家庭が増え、子どものお世話だけで手いっぱいだったワーママに、「実家の親が要介護認定を受けた」という事態が重なるケースが急増しています。
特に30代~40代のワーママ世代は、子どもが幼稚園・小学校低学年〜中学生のタイミングで両親に介護が必要になる「まさか」の局面に直面しやすいのです。
ひとりで抱え込むと負担が大きくなるだけ
そのような「まさかの局面」では、ワーママのみなさんには多くの負担がのしかかります。
負担の種類 | 具体的な内容 |
---|---|
時間的負担 | 子どもの学校行事や習い事の送迎に加え、親の通院やデイサービス立ち合いが発生。時短勤務やフレックスを利用しても追いつかない状況。 |
精神的負担 | 仕事中も「今日、母は大丈夫かな? 子供のお迎えは間に合うかな?」と不安が尽きず、気持ちが休まるタイミングがぐっと減ってしまう。 |
情報不足 | 会社によっては介護に関する社内制度の周知が不十分で、まわりにダブルケアに直面している同僚や上司もいないため、介護サービスや制度を知らないまま「もう無理、とにかく退職しなきゃ…」と思い込んでしまう人も多い。 |
一人で解決しようとすると、心身ともに疲弊し、結果として「仕事に行けなくなる」「親と子供のどちらかのサポートがうまく機能しなくなる」「親と子供のサポート、どちらも中途半端になってしまう」ということにつながります。

ダブルケアは多くの人が「もう無理、限界」と感じるものですが、実際には周囲に助けてもらえるいくつかの方法があります。まずは「自分は一人じゃない」と認識して、少しずつ必要な情報を集めることからスタートしましょう。
職場で使える「介護関連制度」をチェック

仕事、こども、親の介護、これを全部一緒にやって乗り切ることなんて本当にできるの?せめてもう少し在宅勤務が出来れば、通勤時間を削って他のことが出来るのに。

ここで知っておきたいのが、職場で使える介護関連の制度。平均年齢が若い会社では、この介護に関する制度が社員に充分に周知されていないケースもあります。ここで一般的な会社で使える介護制度について学んでおきましょう。
介護休暇・介護休業の基礎知識
- 介護休暇
- 年間5日(家族が2人以上なら10日まで)取得可能。
- 1日単位はもちろん、半日・時間単位での取得ができる会社も増えています。
- 給与の支給可否は就業規則によるため、事前に確認が必須。
- 介護休業
- 要介護状態の家族1人につき通算93日間取得できます(3か月相当)。
- 雇用保険から「介護休業給付金」が支給され、給与の約67%が保障されます。
- 3年以内に3回まで分割取得が可能なので、1回でまとめて休むだけでなく、短期的に分けて休むこともできます。
時短勤務・フレックスタイムを活用する方法
- 時短勤務
- 1日6時間や7時間など、あらかじめ定められた範囲で所定労働時間を短縮する制度。
- 子どものお迎えや、親の施設への通院時間等に合わせて出社時間・退社時間を調整できます。
- フレックスタイム
- 「コアタイム」(必ず勤務する時間)と「フレキシブルタイム」(自由出社・退社時間)を自分なりに設定。
- たとえば「朝はゆっくり9:30出社、夕方は16:00退社」といった形で柔軟に働くことが可能。
- テレワーク(在宅勤務)
- 会社によっては、要介護家族がいる従業員に対して一定回数の在宅勤務を義務づけるようになっています。
- 在宅勤務日数が多く認められている会社なら、たとえば大事な会議だけオフィスで参加し、その他は自宅から業務を進めれば、子どものお迎え兼介護スタッフの立ち合いも実現しやすいです。
介護の保険外サービスも知っておきましょう
介護サービスを受けるには介護認定が必要になるのですが、もし介護認定が無くても保険外で受けれる介護サービスがあります。このようなサービスも知っておくと良いでしょう。
サービスの種類 | 具体的な内容 |
---|---|
家事支援 | 掃除、洗濯、料理、買い物代行など、日常生活を助けるサポート。 |
外出支援 | 通院や買い物、趣味・旅行などの外出時の付き添い。 |
見守り・交流 | 安否確認、話し相手、孤独感を和らげるコミュニケーション支援。 |
生活サポート | ペットの世話、庭の手入れ、趣味活動やレジャーへの同行など。 |
保険外サービスのため費用は全額自己負担となりますが、「ちょっと困った」を補える柔軟なサービスとして活用されています。
女性におすすめの転職エージェント

上司が介護についての理解がない、介護に対する会社の制度が不十分。このようなケースは珍しいことではありません。会社に介護についての相談をしたくても、どうせ相談しても無駄では、と考え何もしない人も多いようです。
時短勤務、フレックス制度、在宅勤務。最近ではこのような制度が話題になることも多いですよね。求人情報にもこのような制度についての記載が目立ちます。ただし、このような制度がすべての会社であるわけでもありませんし、たとえ求人情報に記載があったとしても実際の取得率や消化率はかなり低いという話しもよく聞きます。
今の会社では時間的な余裕がなく、また社内制度が整っていないという事でしたら転職をすることも考えても良いでしょう。
その際にはおひとりで転職活動をするのでなく、転職エージェントをご利用するようにしてください。理由は以下の通りです。
パソナキャリア ※とくにおすすめ
- 特徴:業界・職種ごとに専任コンサルタントを配置し、面談満足度は90%。平均面談~求人紹介までのリードタイムは7日以内。
- 強みポイント:2025年5月に「金融業界専門チーム」を新設し、関連求人が前年比15%増加。キャリア相談重視の人から高評価。
- おすすめ対象:丁寧なキャリアサポートを希望し、企業とのマッチング精度を重視する人。

パソナキャリアは、女性の社員比率や管理職の比率が高いため、悩みを共有できるキャリアアドバイザーも豊富にいると思われます。登録をおすすめしたい転職エージェントです。
マイナビエージェント(女性アドバイザー多い)
2) 20代と30代の転職支援に強みがあるが、最近はミドル層からも評価されている

マイナビエージェントもパソナキャリアと並んで、女性のキャリアアドバイザーを積極採用する、女性の働き方を応援する会社です。こちらも登録をおすすめします。
リクルートエージェント(求人数が圧倒的に豊富)
求人数約20万件(公開求人のみ)と国内トップ。業界未経験OKの求人を多数保有しており、転職成功者は年間約50,000名。地方拠点が全国に18カ所あるため、地方在住でもサポートを受けやすい。
doda(デューダ)(地方の求人も得意)
地方優良企業とのパイプが強固で、特に東北・北陸・九州エリアでの求人が豊富。キャリアアドバイザーが現地企業の人事担当と定期的に情報交換を行っているため、「地元企業の雰囲気」をリアルに把握した上で紹介してくれる。
JACリクルートメント(ハイクラス・ミドル層が得意)
- 特徴:ミドル~ハイクラス向け求人を扱い、外資系や大手管理職ポジションを豊富に保有。平均面談~求人紹介スピードは30日以内。
- 強みポイント:2025年4月時点で外資系管理職求人が前年比20%増加。入社後定着率85%以上を常に公表しているため、ミドル層の安心感が高い。
- おすすめ対象:40代・50代で年収800万円以上を狙う管理職・スペシャリスト。
心身ケアも忘れない、メンタルヘルス対策が重要です
短時間でもいいから「自分だけの時間」を確保する方法
- ショートステイや一時預かりを週1回利用
- ショートステイを1泊でも利用して、60分だけ好きなこと(カフェで読書、整体など)に使う。
- 地域の「子どもと一緒に参加できる子育てサロン」に子どもを連れていき、その間に親のケア相談を受ける。
- 家族やママ友との助け合いルーティンをつくる
- 週末に30分のウォーキングやヨガを夫と一緒に行う。
- ママ友と「おたがい子連れで公園へ行って遊ばせつつ、おしゃべりタイム」を設ける。
社内外の相談窓口に遠慮なくアクセスする
- 産業医面談・社内カウンセリング
- 「最近、少し気持ちが追い込まれていて…」とだけ産業医に伝える。面談で具体的なストレス要因を整理できる。
- 社外EAP(電話・チャットカウンセリング)を契約している会社は、悩みごとを匿名でも相談可能。
- オンラインコミュニティや女性向け相談会
- 「ダブルケア ワーママ 愚痴会」などのオンラインイベントに参加し、同じ立場のママたちと悩みを共有。
- 「公的なメンタルヘルスホットライン」(例:子育て世代向け相談窓口)にも電話相談してみる。
ケア経験が強みになる日
ダブルケア経験で得た強み
- セルフマネジメント力
- 子育ても介護もある中で優先順位をつけ、期限内にタスクをこなす力。その場で「Aの資料はいつまでに提出/Bの見積は○日まで」というスケジュール管理をできるようになります。
- オンラインコミュニケーション力
- テレワーク中にチャットで的確に状況報告しつつ、会議でも「子どもの迎えがあるので○時に失礼します」とタイムマネジメントをするスキルは、リモート業務全盛時代に重宝されます。
- 調整力・緊急対応力
- 親の急な容体変化や子どもの体調不良など、予測不可能なトラブルに即座に対応しながらも、職場に影響を最小限にする交渉力・対応力は、一人前のビジネスパーソンに欠かせない能力です。
5年後・10年後にはこんな事が出来るかも
- 5年後ビジョン例
- 介護度が落ち着いてきたら、社内の「後進育成」や「ダブルケア経験者向け研修」の講師として登壇。
- 在宅ワークと出社を組み合わせたハイブリッド勤務のロールモデルになり、チームの信頼を得る。
- 10年後ビジョン例
- 介護経験と子育て経験を活かし、社内の「ダブルケア支援コーディネーター」や「女性活躍推進担当」としてキャリアチェンジ。
- 副業で「ダブルケア支援をテーマにしたオンライン講座」を開設し、他企業のワーママにもノウハウを共有する。
- 「介護と両立しながらできる資格取得(例:社会福祉士、ケアマネジャー研修)」を少しずつ進め、社外での機会を増やす。

ダブルケア経験は、ただ「大変だった」で終わるのではなく、キャリアの“強み”としてもアピールできます。遠慮せずに自分ががんばってきた事実を職務経歴書に記載したり、「介護を通してこんなスキルを身につけました」と説明すると、評価につながりやすくなりますよ。
まとめ
- 社内制度を把握して「ひとりで抱え込まない」基盤をつくる
- 就業規則の介護休暇・介護休業、時短勤務制度をサクッと調べる。
- 上司に「一度、介護制度について相談させてください」とカジュアルに声をかける。
- まずは“小さな一歩”から制度を使ってみる
- 半日だけ介護休暇を取ってみる。
- テレワークを申し込み、子どものお迎え兼介護スタッフ立ち合いを試してみる。
- 心身ケアの時間をスケジュールに組み込む
- 週1回、ショートステイや一時預かりを利用し、60分だけ自分のために時間を使う。
- 産業医面談や社内カウンセリングに予約を入れ、悩みを言語化する。
- 将来のキャリアプランを描き直し、ダブルケア経験を“強み”に昇華する
- ダブルケアで培ったスキルを職務経歴書に整理し、上司面談の場でアピールする。
- 5年後・10年後のキャリアイメージをノートに書き出し、必要な資格取得スケジュールを立てる。

ここまで読んだあなたはすでに「ダブルケアを乗り切るための情報収集」ができています。あとは、少しずつ行動に移すだけ。全部を完璧にやる必要はありません。あなたが「これならできそう!」と思えるTIPから試してみてください。応援しています!