介護コンサルが教える、有料老人ホームの種類や違い|大切な親の大事な住まい探しガイド

老人ホームについて

働きながら親の介護を支える会社員のみなさんにとって、親を安心して任せられる老人ホーム選びは重要ですよね。信頼できる老人ホームに入居できたら、みなさんも安心して仕事に励むことが出来ることでしょう。

ところでこの老人ホームには、いくつかの種類があるのをご存じですか。

老人ホームには3つの種類があります。またよく老人ホームと勘違いをされる介護施設もありますのでまぎわらしいことでしょう。ここでその有料老人ホームの種類や違いを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

くまさん(介護と転職アドバイザー)
くまさん(介護と転職アドバイザー)

介護サービスは20種類以上もありますので、その違いがなかなか分かりづらいですよね。ここでは数多くある介護サービスのひとつである「老人ホームの種類」について解説しますので参考にしてみてください。

くまさんコメント:とにかく介護施設や介護サービスは種類が多いですよね。私も当初はその違いを理解するのに少々手間取りました。私も介護の仕事にたずさわっているので、親の介護を考え始めた友人からよく相談を受けます。数人の友人と話しをすると、仕方ないことなのですが、たとえば特養や老健の違いですとか、そもそも老人ホームにも種類があることなども知らないようでした。イメージ的には以下のような感じです。

介護サービス>介護施設(公的と民間)>有料老人ホーム(民間)

有料老人ホームの種類と違い

有料老人ホームは、民間企業が運営する高齢者向け施設で、食事・介護・健康管理などを提供します。施設の設置には都道府県知事への届出が必要で、利用者は施設が提供するサービスに応じて費用を支払います。

くまさんコメント:みなさんよく勘違いされているのですが、公的施設である特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)は、正確には老人ホームには分類されません。有料老人ホームの運営主体は民間企業や医療法人や社会福祉法人です。でもだいたいみなさん、これら全部の施設を老人ホームと呼んでますよね。

パパ夫さん(50代会社員)
パパ夫さん(50代会社員)

このあたりの違いが良く分からないんですよね。今まではこれら全部を老人ホームと言ってました。本当に分かりづらい。

くまさん(介護と転職アドバイザー)
くまさん(介護と転職アドバイザー)

おっしゃる通り、本当に分かりづらいですよね。これは厚生労働省の指導にも原因があると思うのですが、とにかくここで老人ホームの種類や違いについて学んでいきましょう。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は老人ホーム?

それでは、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は老人ホームなのでしょうか?結論から言うと、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は、法的には有料老人ホームには含まれません。

くまさん(介護と転職アドバイザー)
くまさん(介護と転職アドバイザー)

有料老人ホームとサ高住は混同されやすく、実際の運用では似ている部分も多いため、ご利用を検討している人やそのご家族にとって、その違いが分かりづらいかもしれません。

項目 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
法律上の分類 介護保険法・老人福祉法による「老人福祉施設」 高齢者住まい法に基づく「バリアフリー賃貸住宅」
運営主体 主に民間企業・医療法人・社会福祉法人など 主に民間企業・不動産会社など
入居契約形態 利用権契約や賃貸借契約など 原則、賃貸借契約
対象者 自立~要介護者 自立~要介護者(主に軽度の方)
介護サービス 施設内で一体的に提供(※介護付きタイプ) 外部の訪問介護などと個別契約
見守り・安否確認 スタッフが24時間常駐(多くの施設) 原則、日中のみ常駐のケースが多い
①サ高住は「住宅」であり、施設ではないという点が最大の違いです。
②サ高住には「安否確認」「生活相談」が義務づけられていますが、介護サービスは付属していないため、必要に応じて外部の介護事業所と契約する必要があります。

それではグループホームは老人ホームですか?

それではグループホームはどうなのでしょう。認知症の方が入居される「グループホーム」もよく混同される施設の一つですが、結論から言うとグループホーム(認知症対応型共同生活介護)も有料老人ホームには含まれません。

項目 グループホーム 有料老人ホーム
法律上の分類 介護保険法に基づく地域密着型サービス 老人福祉法・介護保険法に基づく施設
入居条件 要支援2または要介護1以上、かつ認知症の診断が必要(原則、住所地の市区町村に住民票) 原則60歳以上、自立〜要介護者まで施設により異なる
定員 1ユニット9人まで(小規模) 数十〜百人単位の中〜大規模施設あり
介護体制 日常生活の中での生活支援・見守り中心(家庭的) 介護付きなら常駐スタッフによる専門ケアも可
契約形態 原則、賃貸借契約+介護サービス契約 利用権契約 or 賃貸借契約など様々
医療対応 基本的には軽度まで。重度化すると退去もあり得る 医療連携のある施設も多く、重度でも入居可のところあり
グループホームの場合、入居対象者は「認知症+要支援2以上」かつ「地域の住民」に限られます。
くまさんコメント:「みんなの介護」や「LIFULL介護」といった最大手の「老人ホーム検索サイト」をご存知ですか?これらの検索サイトは自分たちのサービスを「老人ホームを探すためのサイト」とうたっています。しかし、実際には有料老人ホームのほか、サ高住やグループホーム、特養、老健等も検索が出来ます。このような点もユーザーのみなさんの勘違いの原因にもなっているかもしれませんね。

有料老人ホームの特徴や種類について

それではここから有料老人ホームの特徴と種類についてみていきましょう。

項目 内容
入居対象者 主に60歳以上(施設によって異なる)
サービス内容 食事・掃除・洗濯・見守り・介護・レクリエーションなど
施設の種類 介護付き、住宅型、健康型など
入居費用 入居一時金(0円~数千万円)+月額費用(15万~40万円前後)
運営主体 民間企業・医療法人・社会福祉法人など
くまさん(介護と転職アドバイザー)
くまさん(介護と転職アドバイザー)

「有料」とある通り、民間価格でのサービス提供となるため、費用は公的施設よりも高くなる傾向があります。

介護付き有料老人ホーム(施設数約8,000)

施設職員による介護サービスがセットで提供され、要介護者向けに設計されています。

住宅型有料老人ホーム(施設数約12,000)

基本的な生活支援を提供しつつ、外部サービス(訪問介護やデイサービス)を利用する形態です。

健康型有料老人ホーム(施設数約150)

自立した高齢者向けの施設で、健康維持や社会交流を重視します。

くまさんのコメント:民間の有料老人ホームには『どんなサービスを受けられるか』『自分の介護度に対応できるか』など、細かい違いがたくさんありますよね。私もかつて介護のコンサルをしているとき、介護付き・住宅型・健康型の違いを説明するたび、『え、3つも種類があったの…?』と目が泳いでしまうご家族を何人も見てきました。だからこそ、まずは『この3種類がどう棲み分けられているか』をしっかり押さえることが、後々の施設選びをラクにしてくれますよ。」

種類別の特徴とサービス内容

有料老人ホームには主に「介護付き」「住宅型」「健康型(このタイプは少ない)」の3タイプがあり、各施設で対象者や提供サービス、雰囲気が大きく異なります。介護付きは24時間介護士常駐、住宅型は自立~軽度介護者向けで外部サービス利用が基本、健康型は自立者の活動や交流を重視します。ここでは、各タイプの特性とサービス内容をわかりやすく紹介し、どんなライフスタイルや介護ニーズに合うのか整理します。

介護付き有料老人ホーム

介護サービスが標準で提供される施設で、以下の特徴があります:
・対象者: 要介護認定を受けた高齢者
・サービス内容:日常的な介護(入浴、排泄、食事の介助)、看護師による健康管理、機能訓練やレクリエーション

ポイント 内容
メリット 医療体制が整っており、安心感が高い
デメリット 費用が比較的高額

住宅型有料老人ホーム

健康型有料老人ホーム

自立した高齢者向けで、健康維持やレクリエーションを重視:
・対象者: 自立した高齢者(介護が不要な状態)
・サービス内容:健康維持プログラム、社会的交流の機会、趣味活動やレクリエーション

ポイント 内容
メリット 活動的な生活が可能で、健康維持に最適
デメリット 介護が必要になると退去が必要
くまさんのコメント:それぞれに『向いている人』と『向いていない人』がはっきりしているので、ご両親の“今の状態”をイメージしながら選ぶことが大切です。私が介護コンサル時代にご案内したAさんのお母様は、まだ自立度合いが高かったため最初はサ高住を選択。しかし半年後に膝を痛めて要支援1になった際、『介護付きに切り替えたい』とご家族で大慌てしたことがあります。逆に、最初から介護付きを選びすぎると、体力があるうちは『いまのサービスに見合う費用なのか?』と不満が出ることも。まずは“何を受けたいか”“将来どうなりそうか”を家族で話し合ってみてくださいね。

入居条件と費用の違い

有料老人ホームへの入居には、施設の種類によって年齢要件や要介護度の制限、契約内容などが変わるほか、初期費用・月額費用にも大きく差があります。介護付きは入居一時金が高く月15万~40万円、住宅型や健康型は比較的費用を抑えられる一方、生活支援や娯楽サービスの追加利用で費用が変動します。ここでは、各施設の入居基準と費用構造を整理し、項目別に比較します。

入居条件の違い

施設種類 主な条件
介護付き 要介護1以上(施設により要支援可)
住宅型 自立から要介護まで(施設により異なる)
健康型 自立した高齢者(介護不要)

費用の違い

施設種類 初期費用 月額費用
介護付き 0円~数百万円 20万~30万円程度
住宅型 0円~数百万円 10万~20万円程度
健康型 0円~数千万円 10万~30万円程度

※実際の費用は地域や施設によって異なるため、事前確認が必要です。

メリット・デメリット比較

施設種類 メリット デメリット
介護付き 医療体制が充実、手厚い介護が可能 費用が高額になる
住宅型 自由度が高い、費用を調整可能 要介護度が高い場合に費用増加
健康型 活動的な生活が可能、健康維持プログラムが豊富 介護が必要になると退去が必要
くまさんのコメント:同じ“有料老人ホーム”でも、条件と費用の幅がこんなにも異なるのには驚きますよね。私が以前コンサルしたご家庭では、『介護付きだと思って見学したら、高額すぎて予算オーバー』というケースがありました。逆に、『健康型にしておけばよかった』と振り返ったお宅も…。だからこそ、『今、親御さんがどのレベルのサポートを本当に必要としているのか』をしっかり把握してから、費用感と照らし合わせてほしいんです。家計と相談しつつ、“妥協できる点”と“絶対に譲れない点”をリスト化しておくと、あとでグッと比較がラクになりますよ。

有料老人ホームの選び方

有料老人ホーム選びは、見学・体験入居、費用と契約内容の精査、サービス内容や医療連携のチェックが重要です。実際に老人ホームを訪れて施設の雰囲気を感じたり、契約書の細かい退去条件や追加料金の有無を確認することで、ミスマッチを避けられます。ここでは、見学時のチェックポイント、安心できる施設の条件、迷わず決断するための判断軸を順を追ってご紹介します。

見学と体験入居をする

実際に施設を訪れ、雰囲気やサービス内容を確認しましょう。

費用と契約条件を確認

入居金や月額費用だけでなく、追加費用や退去条件もチェックしてください。

サービス内容を比較

必要な介護サービスや健康維持プログラムが整っているかを確認しましょう。

くまさんのコメント:パンフレットで見ると“優雅”に見えても、実際に行ってみると『想像以上に廊下が暗い』『施設内の匂いがちょっと気になる』ということがよくあります。ですから、まずは必ず“自分の目と鼻で確かめる”ことが何より大切。私が同行したAさんご家族も、『写真で見るより、実際の共有スペースの広さやスタッフの表情がしっかり見えて安心した』と話していました。見学の際は、特に『スタッフがどれだけ入居者と自然にコミュニケーションをとっているか』を観察してみてくださいね。

主要な老人ホーム検索サイト

くまさん(介護と転職アドバイザー)
くまさん(介護と転職アドバイザー)

それではここで、実際に老人ホームを探すときに便利なサイトを紹介しましょう。今回は代表的な3つのサービスについて紹介します。

みんなの介護

掲載数・口コミ・写真情報が豊富で、まずは多くの候補を比較したい方に最適。無料の「お祝い金」も魅力です。

掲載施設数 約58,000件以上
検索機能 – リアルタイム空室情報
– 地域ごとの相場表示
– 実際に見学した方の口コミ
– 360°パノラマ画像掲載
相談サポート 無料の入居相談(プロの入居相談員が対応)
独自特徴 お祝い金制度(最大10万円)

LIFULL介護

業界最大級の掲載数に加え、交通ルートや条件の絞り込みが充実。急ぎの相談にも対応する「入居相談室」が心強い。

掲載施設数 約57,000件以上
検索機能 – 路線・車での移動時間を含む絞り込み
– 入居費用・条件の明確表示
– 見学受入可否/オンライン相談対応
相談サポート LIFULL介護入居相談室(電話・LINE対応/専門相談員在籍/24時間自動応答)
独自特徴 国土交通省・自治体との包括連携協定による情報精度向上

マイナビあなたの介護

働きながら介護する人向けに特化し、AI診断で最適なサービスを提案。キャリアと介護の両立支援を重視する方におすすめ。

掲載施設数 約210,000件以上(基本情報のみ掲載)
検索機能 – エリア・条件検索
– 「検討中リスト」機能
相談サポート 専門家コンシェルジュによる介護相談(施設入居/介護の不安・悩み全般対応)
独自特徴 介護サービス選定AI診断機能/ビジネスケアラー支援コンセプト
くまさん(介護と転職アドバイザー)
くまさん(介護と転職アドバイザー)

ここで念のため、老人ホーム検索サイトのメリットとデメリットもお伝えしておきましょう。これらをしっかりと理解して、正しい使い方をしてくださいね。おすすめは先ほど紹介した3つのサイトですよ。

老人ホーム検索サイトのメリット

① 無料で多数の施設情報を比較できる
全国の老人ホームを地域・費用・介護度・設備などの条件で絞り込み、一覧で比較できます。パンフレット取り寄せや見学予約もワンクリックで完了。
② 写真や口コミ、詳細な設備情報が充実
施設の外観・内観写真や、入居者・家族からのリアルな口コミ、スタッフの対応なども確認できるため、イメージがつかみやすいです。
③ 電話・LINE・メールで相談できる
介護の知識がない方でも、専門相談員が電話やチャットでサポートしてくれます。特にLIFULL介護はケアマネ経験者などが対応してくれることも。
④ 資料請求・見学予約が一括でできる
気になる施設を複数選んで、一度に資料を請求できるため、効率的に比較検討が可能です。見学の手配もスムーズです。

老人ホーム検索サイトのデメリット

① 掲載施設は「有料掲載」に限られる
検索サイトは広告モデルや、成果報酬モデルが多いため、これらのサイトに掲載されていない優良施設も多く存在します。つまり、検索に出てこない=施設が悪いとは限りません。
② 一部エリアは情報が薄い
都市部の施設は情報が充実していますが、地方の施設になると写真が少なかったり、更新が遅れていたりすることがあります。
③ 施設の「本音部分」がわかりにくい(=広告)
検索サイトは主に施設から提供された情報を元にしています。いわゆる掲載されている施設情報は広告なのです。本当に気になる「人間関係」や「スタッフ対応」「雰囲気」などは現地見学が不可欠です。
④ 電話がしつこいと感じる人も
一部のサイトでは資料請求や相談後に営業電話が何度もかかってくることがあります。電話が苦手な方は「メールのみ希望」と明記しておくと安心です。

 

まとめ

ビジネスケアラーが親の生活を安心して任せられる有料老人ホーム選びには、施設の種類やサービス内容、費用の確認が重要です。

特に、自身の生活と介護の両立を考える際には、適切なサポート体制が整った施設を選ぶことが負担軽減につながります。

 

くまさん(介護と転職アドバイザー)
くまさん(介護と転職アドバイザー)

最後にお伝えしたいのは、『どんなに情報を集めても、最終的には“ご両親の笑顔”で判断するのがいちばんだ』ということです。私もコンサルティングの現場で、『パンフだけ見て契約したけれど、実際に母が楽しそうに過ごしている姿を見ると、やっぱりここでよかった』と涙ぐまれたご家族を何度も見てきました。ビジネスと介護を両立するなかで大きな決断を迫られるのは本当に大変だと思いますが、この記事が少しでも安心材料になれば幸いです。ぜひ、情報収集→見学→家族会議の流れをしっかり踏んで、一歩ずつ進めてみてくださいね。

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