転職エージェントに登録すると、その後キャリアアドバイザーと二人三脚の転職活動がスタートします。
初回の面談での相談に始まり内定に至るまで、その都度適切なアドバイスをしてくれるのでいつしか全幅の信頼をするようになっています。
そして転職活動に成功すると「〇〇さんに出会えたおかげで、内定を頂けました!」と感謝の言葉を送ります。
しかしこれは偶然の結果ではなく、綿密な計画により導かれた結果なのです。
どういうことか?
キャリアアドバイザーが何を意識しながら、みなさんの転職サポートをしているかを説明します。
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転職エージェントが口説く!?
転職エージェントがみなさんを口説く。この意味が分かりますか?
A君(20代会社員)
Dr.キャリアアドバイザー
Bさん
転職エージェントがみなさんを口説く。
これは「キャリアアドバイザーのペース」で、みなさんが転職活動を進める事を指します。
もっとキツイ言葉で表現するならば、「キャリアアドバイザーの意のままに」みなさんが転職先を決める事です。
これを転職エージェントの業界では、「求職者を口説く」と呼ぶのです。
A君(20代会社員)
Dr.キャリアアドバイザー
このような話しは業界で働いていないと分からない、まさしく業界のウラ話になります。
求職者のみなさんにとってはちょっとショックな話しになるかもしれません。
転職エージェントは、なぜ口説く?
Dr.キャリアアドバイザー
それは転職エージェントのビジネスモデルが「成果報酬型」だからです。
転職エージェントはみなさんの転職先を決定して、はじめて成果報酬金額を求人企業に請求できるのです。
つまり転職先が決まらないと、いつまで経ってもお金になりません。
それでは転職エージェントは儲かりませんし、キャリアアドバイザーもいつまで経っても売上げ目標を達成出来ません。
そこでやはり意図的に「最短で内定が獲れるルート」を計算するのです。
「複数の企業」を紹介するものの、「どの企業」で最終的に内定を獲得して、「その企業」に転職する意思を決断してもらうにはどのようなプロセスを辿るべきなのか、そんなことを考えているのです。
転職エージェントが口説くタイミングとは?
Dr.キャリアアドバイザー
みなさんはキャリアアドバイザーとの面談では、素直にご自身のキャリアや転職理由、そしてこれからの希望について相談をしていると思っているはずです。
しかしキャリアアドバイザーはスムーズに転職活動が進むように、随所でみなさんを誘導しているのです。
そのポイントは「①みなさんの希望度を分析」、「②面談時の気遣い」の2点になるのです。
みなさんの転職希望度を分析します。
Dr.キャリアアドバイザー
いきなりシビアな話しになりますが、まずキャリアアドバイザーは求職者のみなさんを以下のような分類をします。
求職者の分類
②転職したいが慎重に進めたい
③情報収集のために登録
④紹介出来る求人案件が無い
おおよそですが、キャリアアドバイザーがひと月に面談する人の割合は下記のようになります。
①いますぐ転職したい | 約30%前後 |
②転職したいが慎重に進めたい | 約30%前後 |
③情報収集のために登録 | 約20%前後 |
④紹介出来る求人案件が無い | 約20%前後 |
ここでキャリアアドバイザーが全力で注力する求職者は「①」です。
そしてこの求職者に対しては、繰り返しアプローチを行うのです。
ザイアンス効果とは
ザイアンス効果と言う言葉をご存知ですか?
ザイアンス効果とは、同じ人や物に接する回数が増えるほど、その対象に対して好印象を持つようになる効果のことです。1968年にアメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが提唱し広まっていった理論です。
Dr.キャリアアドバイザー
A君(20代会社員)
Bさん
Dr.キャリアアドバイザー
注力してサポートする求職者を決めると、その後は親切過ぎるほどのサポートを行います。
まずこれで多くの求職者は、担当キャリアドバイザーを全面的に信頼するようになるのです。
面談前・面談・面談後にアプローチ
Dr.キャリアアドバイザー
面談前
まずは面談前日に「メール」を送ります。
このメールは面談当日の土壇場キャンセルを抑止するものであり、みなさんの事を思って送ってるものではありません。
また電話でなくメールで連絡する理由は、「テンプレートを利用して」「短時間で処理する」ためなのです。
面談
面談当日の流れもほぼテンプレート通りであり、下記のような話しをします。
②自己紹介(まずはキャリアアドバイザーから語ります)
③会社の説明(他社との違いなどを紹介)
④ヒアリング(転職理由や今後の希望について)
⑤求人紹介(いくつかの求人を紹介)
⑥質問を受ける(疑問や不安を払拭するため)
⑦面談のお礼とお見送り
ここでポイントとなるのが、「②自己紹介」と「④ヒアリング」です。
それぞれ以下のようなポイントに注意しながら、みなさんと話しをしているのです。
②自己紹介
④ヒアリング
面談後
面談後は先ほどの「ザイアンス効果」を意識して、マメな連絡を行います。
「応募する求人企業は決まりましたか?」
「求人企業に対して不安などはありませんか?」
「分からないことがあったら、いつでも気軽に連絡ください。」
このようなコンタクトをマメにしてくるのです。
これでは、いつの間にかみなさんがキャリアアドバイザーを信頼するのは当然ですよね。
まとめ 自分で考える事を止めない
転職エージェントは、みなさんが賢く利用出来れば最強のパートナーとも言えます。
転職支援の実績やノウハウが豊富ですので、やはり頼りになる存在なのです。
しかし問題は「疑う事もなく、何もかもすべてを信用」してしまう事です。
こうなるととても危険です。
いつのまにか、みなさんにとってのベストとはいえない求人企業に応募、そして入社してしまう可能性があるからです。
キャリアアドバイザーを信頼するのは良いのですが、やはり最後は自分の「考え」と「責任」で転職先を決めるべきなのです。
そうしないともし転職で失敗したら、一生後悔することになりますよ。
月並みですが、ご自分の人生は最後は自分で決めるべきなのです。