Aさん(20代)
Dr.転職アドバイザー
Aさん(20代)
Dr.転職アドバイザー
それでは詳しく説明していきましょう!
ジョブリターン制度(アルムナイ採用)という言葉が広がりつつあります。
ジョブリターン制度(アルムナイ採用)とは、一度会社を辞めた人が出戻りすることを言います。
最近は採用難という事もあり、このような出戻りのケースが増えてますよね。
みなさんの会社やみなさんの友人の会社でも、このようなケースを聞いたことがありませんか。
「一度辞めた社員をまた復職させるなんて、その制度ってどうなの?」
一部の人からこのような疑問もあるようです。
しかしこのジョブリターン制度(アルムナイ採用)、みなさんにも会社にも双方にメリットがあるのです。
それではジョブリターン制度(アルムナイ採用)について説明します。
ジョブリターン制度(アルムナイ採用)の導入とその理由について
ジョブリターン制度(アルムナイ採用)とは、簡単に言いますと出戻りOKの転職制度です。
そしてこのジョブリターン制度(アルムナイ採用)をしている会社は、
とも言えます。
みなさんの退職理由はそれぞれです。
なかには止むを得ない理由で会社を辞めた人もいるのです。
それではジョブリターン制度(アルムナイ採用)について説明していきます。
まず、マイナビが企業の採用担当者を対象に行ったアンケートがあります。
そのアンケートにて、ジョブリターン制度(アルムナイ採用)の導入実績とその理由について集計をしています。
業種は様々、そして従業員数が60人未満:384名、60~299人:275名、300人以上:489名の合計1,148名の企業のアンケート結果です。
「導入していない」 34.1%
アンケートの結果では、すでに6割以上の会社で導入されていますので、今では当たり前の採用手法の一つとも言えますね
実施理由 | 実施率 | |
---|---|---|
1位 | 社内の仕事内容に関する知識や理解 | 35.0% |
2位 | 社内での実績があり、活躍を期待 | 32.5% |
3位 | 社内の人間関係や社風の理解 | 29.9% |
4位 | 退職後の経験やスキル | 21.8% |
5位 | ある程度人物を把握出来ている | 20.6% |
○調査対象/直近1年間に中途採用業務を担当
○調査方法/WEB調査
○調査期間/2020年1月14日(火)~1月23日(木)
○回答数/1,148名
○企業規模/従業員数60人未満:384名、60~299人:275名、300人以上:489名
○業界別/IT・通信・インターネット:166名、製造・メーカー:280名、サービス・レジャー:95名、流通・小売・フード:129名、金融・保険:64名、不動産・建設・設備:171名、運輸・交通・物流・倉庫:82名、医療・福祉:161名
なぜジョブリターン制度(アルムナイ採用)なのか
それでは、各社がなぜジョブリターン制度(アルムナイ採用)に積極的なのかを説明します。
ジョブリターン制度(アルムナイ採用)だけでなく、最近では「リファラル採用」という言葉もよく聞くようになりましたよね。
リファラル採用とは、社員の友人を紹介してもらう制度です。
リファラル採用と転職エージェントの併用こそが転職成功への近道なのです。
このリファラル採用についても、各社積極的に取り組んでいますよね。
こちらのデータについても、「マイナビ 中途採用状況調査2020年版」から引用しますと以下のような結果になっています。
「導入していない」 37.1%
ほぼジョブリターン制度(アルムナイ採用)と同じ実施となっているようです。
いずれにしても、ジョブリターン制度(アルムナイ採用)もリファラル採用も各社積極的なようです。
そしてこのような企業の対応は、各社の「中途採用の目標達成率」によるところが大きいのでしょう。
各社の中途採用目標達成率は、
「2019年目標達成率」 64.4%
となっています。
有効求人倍率が高止まりしている中では、上記のような達成率の下傾向が続くものと考えられるでしょう。
また業種別に見ますと、とくに「サービス・レジャー」関連の業界での未達成率が目立ちます。
採用費用を抑えられる
直近の企業の採用動向は先の図の通りです。
各社目標を達成出来ずに苦労していますので、その分採用費用なども増えていることでしょう。
そんな中、アルムナイ採用でしたら転職サイトに支払う広告費や、転職エージェントに支払う成功報酬費用などが発生しません。
話しは少しそれますが、最近では転職サイトを運営する会社や人材紹介をしている会社の業績が右肩上がりの成長率です。
これは言い換えますと、各企業の採用が増えているということです。
この部分が抑制できるのは大きいですよね。
教育研修費を抑えられる
企業は離職を防止するためにも、入社時や入社後の研修を積極的に行うようになってきています。
研修は従業員から会社に求めるニーズとして、常に上位にランクインしている項目でもあります。
せっかく採用した人材に長く活躍してもらうためにも、各社は積極的なのです。
しかし一方で、このような研修には費用もかなりかかります。
一度過去に履修していれば、その分の費用も抑制出来ますよね。
社内メンバーにも良い影響がある
冒頭でも述べましたが、一部で「一度辞めた社員をまた復職させるなんて、その制度ってどうなの?」という声も社内にはあるようですね。
しかし一方では、一度辞めた社員が復活すと既存の社員は
と印象付けられます。
このように会社へのロイヤリティーが上がる効果が考えられるのです。
株式会社クラレの事例紹介
それでは実際の事例として株式会社クラレを紹介します。
岡山県倉敷市で創業した、みなさんもご存知の日本を代表する東証一部の「大手化学メーカー」です。
このクラレがホームページでアルムナイ採用について紹介しています。
以下参考にしてみてください。
1.背景
当社は、グローバルに事業拡大を続けており、近年は新卒採用に加え、中途採用による人材確保にも努めていますが、当社を退職する社員も一定数存在しており、その定着対策も課題の一つとなっています。
そのような状況において、退職した元社員の中には、再度入社を希望する人材がいるとの情報も寄せられていました。当社についての理解も深く、早期に活躍が期待できる元社員の復帰は、当社にとっても利点があることから、このたびカムバック採用制度の導入を決定しました。
2.カムバック採用制度の概要
・再入社を希望する元社員を積極的に採用する制度です。
・元社員が再入社を希望する場合、人事担当部署にて、復帰後に従事可能な職務について検討の上、通常の中途採用と同様の方法(論文、面接等)で選考を行います。
3.退職した元社員を対象とした同窓生(アルムナイ)SNSシステムの導入
・円満に退職した元社員を対象に、アルムナイSNSシステムを導入し、交流を継続します。
・当社からは、SNSを通じて、求人情報や社内トピックスなどの情報を提供予定です。
・元社員が再入社を希望する場合、SNSを通じてその旨を人事担当者に伝えることができます。
・なお、本SNSシステムは、元総合職社員を対象としています。
4.スケジュール
2019年9月20日より制度を開始しました。
社員にとっても良い制度なのです
今までは、どちらかと言うと会社のメリットについて説明してきました。
しかしこのジョブリターン制度(アルムナイ採用)の制度は、社員にとってもメリットがあるのです。
それではここでは、女性(主婦)の退職理由を例に挙げて説明します。
ここでなぜ女性(主婦)を例に話しをするかと言いますと、やはりこれからの時代はとくに働く女性の採用がとても大事なのは周知のとおりです。
そこで働く女性、とくに主婦として働く女性にフォーカスしてみます。
退職した会社に戻りたいですか
主婦に特化した人材サービス「しゅふJOB」のアンケートデータを参考に説明します。
有効回答者数:744名
調査実施日:2019年5月22日(水)~31日(金)
調査対象者:求人媒体「しゅふJOBパート」登録者
上記のとおり、実に半数以上の方が元働いていた会社に戻りたい(出戻りしたい)と考えているようです。
また、元の会社に戻りたいと思った理由の上位3つは以下のような理由でした。
実施理由 | |
---|---|
辞めて元の会社が良いと分かった | 39.2% |
育児で退職も子供の手が離れた | 26.1% |
元の会社からの復帰要請 | 19.9% |
1位はナント「辞めて元の会社が良いと分かった」。
実に4割近い方が思うようです。
これは会社からするとかなり勿体ない話しですよね。
ここでジョブリターン制度(アルムナイ採用)を歓迎している企業でしたら、採用の底上げになることでしょう。
家庭の事情も多い退職理由
続いて復職したい理由の第2位です。
こちらは「育児で退職したが、子どもの手が離れた」という理由でした。
育児で忙しく仕方なく退職したのでしょう。
じつは広く一般的には、育児意外でも「介護」を理由に会社を辞めなければならないケースも多いのです。
そしてこの介護を理由に退職するケースは、20代~30代の若手会社員にも多いようなのです。
人材サービスのYancle(ヤンクル)によると、介護をしながら働いている人が全国で346万人もいるそうです。
そしてその346万人の中には、40歳未満の方々が約37万人いるそうなのです。
Yancle(ヤンクル)!家族の介護をしている20~30代向けの転職支援サービス
このように、子育てや介護によって会社を辞めてしまう人。
このような方の「出戻りOK」の制度があれば、社員のみなさんも安心してワークライフバランスを保てますよね。
じつはみんな大歓迎の制度です
そして一部「一度辞めた社員をまた復職させるなんて、その制度ってどうなの?」との声もあると言いましたが、全体の意見はほとんどの人がジョブリターン制度(アルムナイ採用)を歓迎のようです。
復帰を “受け入れる立場” の場合 賛成88.8%
このようにご自身がその制度を利用する場合、または元の同僚が制度を利用する場合の双方でジョブリターン制度(アルムナイ採用)の制度を支持しているようです。
・受け入れる立場としても、さまざまな負担(研修や社内システムの説明、社風があわずすぐ退職する可能性など)が軽減されると復帰するような場合でも、人間関係や職務内容の不安が少なく就業できると思う。特に出産子育てで退職→復帰は推進してほしい(30代:公務員/団体職員)
・育児、介護など、休職期間以上休む結果、退職など、やむを得ない理由の人は、復職制度があると、育児、介護に、専念出来る(50代:パート/アルバイト)
・スキルがあり回りの方とも環境も慣れているのでお互い楽だと思います。私は一度定年退職で辞めた会社に派遣で就業しています。とても楽しいですし、仕事慣れているので良いです。とても良くしてくれてます(60代:派遣社員)
・退職理由によると思う。止む無しに辞めたのならば復職はあり。自己都合で勝手に辞めた場合は復職なんて有り得ない(40代:正社員)
・一般の中途採用者同様、一から試用期間や研修期間を経て復帰した方が、自分も周りも安心すると思う(40代:パート/アルバイト)
・実際に一度退職した会社から、復帰の話を頂き、自分自身恥ずかしいと思いながら正社員にもなれるしと思い、復帰しました(中略)現在は、人事担当もしており、会社からみても特に人間性が分かってる従業員が戻ってくるのは、ハラスメントなどその様なリスク管理を考えれば、進めたい採用方法だと感じます(30代:正社員)
・辞めた理由はさまざま。受け入れてもらえるのなら、復職したいが(40代:パート/アルバイト)
・社内結婚をしたらどちらかが辞めなければいけないという前時代的なシステムをやめてほしい(40代:パート/アルバイト)
・今まで何回か復帰しました みんな快く迎えてくれました 復帰後、辞めた後の付き合いも変わらないです(40代:今は働いていない)
・復帰を希望するならば退職する際には綺麗な辞め方をするべき(40代:パート/アルバイト)
・退職前に習得したスキルを、ゼロからに戻すのはやめてほしい。勤務年数や、過去に築き上げたスキルを評価した上で時給や配属ポジションを考えて欲しい(40代:パート/アルバイト)
・送別会までして貰って退職した手前、復帰はし辛い。ただ気にせず復帰している元同僚を羨ましいと思う気持ちも有る(40代:パート/アルバイト)
・離職して10年は立ちますが、長く続いてその会社だけの技能なので早く復職したいです(40代:SOHO/在宅ワーク)
・配偶者の転勤が理由で何度も退職しています。自分の意志での退職ではないので、新しい勤め先を探すより、復帰できる環境があれば嬉しいです(40代:今は働いていない)
・私の場合、復職候補となるひとつの企業からは早期退職で辞めました。その際、今後はグループ会社を含むその企業には一切就かないという念書のようなものを書いたので、希望しても無理でしょう(50代:派遣社員)
まだある、社員を大切にする制度
以上のようにジョブリターン制度(アルムナイ採用)とは、ある意味社員を大事にする制度でもあるのです。
どうしても辞めなくてはならなかった人、辞めた事を後悔している人をもう一度受け入れる制度なのです。
その会社の懐の深さを感じますよね。
そしてこのような「社員想い」の制度は他にもあります。
たとえば最近流行りの「健康経営」企業。
これは従業員の健康を第一と捉えて、社員が健康ならば会社も活性化し業績も伸びるという考え方です。
健康経営ほど有名ではありませんが、「Great Place to Work」という認定制度や「ホワイト企業マーク」といった制度もあり、このような制度に取り組んでいる企業は「社員想い」と考えられるでしょう。
ホワイト企業に転職したい!健康経営やGPTWでホワイト企業を探しましょう!
社員を大事にする会社に転職したい
それではこのように「社員想い」の会社に転職したい場合は、どうしたら良いのでしょう。
ジョブリターン制度(アルムナイ採用)を導入している会社は多いようですが、残念ながら転職サイトにはそのような表記がありません。
転職サイトの検索項目に「ジョブリターン制度(アルムナイ採用)有り」「リファラル採用有り」などがあれば良いのですが。
おそらくこの件をクリアするには転職エージェントを利用するのが早いと思います。
一社一社それらの制度を調べるよりも、転職エージェントに
2. みなさんの希望条件
を話しする時、ジョブリターン制度(アルムナイ採用)を実施しているかどうかを確認すれば良いのです。
2. Great Place to Work
3. ジョブリターン制度(アルムナイ採用)
4. ホワイト企業マーク
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