
転職エージェントを利用しているのですが、担当が合わないと感じてしまいます。話しが嚙み合わないのです。このようなときはどうすればよいのでしょうか?担当変更はできるのでしょうか?

こんにちわ、アドバイザーのくまさんです。転職エージェントのキャリアアドバイザーとの相性はマチマチですよね。話しがまったく合わないということもあります。そうするとどうしても、そのアドバイザーを信頼して一緒に転職活動をしようとは思えなくなります。そこで、担当が合わないと感じた場合の対応法を教えます。
転職活動は、同じ時期に同学年みんなが動く就職活動と違い、ある意味孤独な活動です。どうしても誰かに相談しながら転職活動をしたいという人にとっては、パートナーとなるキャリアアドバイザーとの相性はとても重要です。
そして、そのような人が転職エージェントの担当者とミスマッチを感じたら、どのように対応すればいいのでしょう?
我慢しながら、そのキャリアアドバイザーと動くのか。それとも他の転職エージェントに登録しなおすのか。紹介された求人案件はとても興味あるのだが、どうしても今の担当キャリアアドバイザーだと話しを深めることができないのでどうしたら良いのか。いろいろなパターンが考えられますが、どれも迷いますよね。
私は、かつて大手の転職エージェントでキャリアアドバイザーをしていました。その経験をもとに本記事では、キャリアアドバイア―との相性が合わない場合の対応方法などをお知らせします。それでは、早速始めましょう。
転職エージェントの担当に期待したい役割

まずはそもそも、転職エージェントの担当者であるキャリアアドバイザーは何をしてくれるのか、そしてどのようなキャリアアドバイザーを信頼すべきかについて解説します。
転職エージェントのサービス
転職エージェントを利用するには、まずはWEBサイトから会員登録をします。登録後には転職エージェントから連絡があり、以下のように手続きが進みます。
- 面談を通して経歴・スキル、そして希望条件等のヒアリング
- 求人案件の提案と、紹介案件についての情報提供
- 応募書類(履歴書、職務経歴書)の添削と面接対策のアドバイス
- 書類応募の代行とその後の面接スケジュールの調整
- 求人企業からの合否連絡を求職者へ連絡
- 内定後のフォロー(年収交渉や退職交渉のアドバイス等)
- 入社後インタビュー(入社前のイメージと齟齬がないかを確認)
上記が一般的な転職エージェントを利用する際の流れとなります。このように見てみると、転職エージェントは本当に頼りがいのあるサービスに思います。
しかし、残念ながらこれらの有難いサービスも、キャリアアドバイザーによってサービスの質に差が出てきます。たとえば求人案件の紹介、以下のように差が出てしまいます。
タイプ | 特徴 |
---|---|
良いアドバイザー | ただ求人案件を紹介するだけでなく、社風やどのような人が活躍しているか、または残業の実態や有休の消化割合等のリアルな情報を提供してくれる。 |
イマイチなアドバイザー | 求人案件を紹介するだけで、求人票に記載してある情報以上の説明が無い。 |
ただ単に求人案件を並べるだけのキャリアアドバイザーでは、一人で転職活動をしているのと変わりがありません。また、求職者のなかには子育てや親の介護といった家庭事情のため転職をするケースもあります。どうしても週に何回かは在宅勤務をしたいですとか、夕方には子供を迎えに行かないとならないといった事情もおありでしょうから、求人企業のリアルな情報は重要になります。
求職者のみなさんの希望や環境はそれぞれ違うのですから、キャリアアドバイザーもその部分を加味しての提案を期待したいところです。一方的に話しを進めてしまうキャリアアドバイザーですと、つい「担当変更をしたい」と思っても当然のことでしょう。
キャリアアドバイザーへの信頼感
キャリアアドバイザーの質について前述しましたが、ここであらためてキャリアアドバイザーに求めたい2つの資質についてまとめてみます。
まずは、求人企業の詳細情報と業界理解の深さでしょう。求人情報については、転職サイトに掲載されている以上の情報を提供してもらわないと価値がありません。そもそも転職サイトの求人情報は「広告」です。つまり求人企業がお金を支払い原稿を制作しているので、悪いことは書かれていません。
みなさんにとって重要なことは、きれいに飾られた上辺の情報ではなく、入社後に体感するであろうリアルな実態です。どのような人が入社していて、どのような人が活躍していて、そしてどのような社風であるかといったリアルな情報こそが重要なのです。その部分を語れないキャリアアドバイザーは資質が低いと言っても過言ではありません。
そしてその求人企業の業界トレンドについてもある程度の知識が求められます。業界トレンドが分からないで、その求人企業を勧めることはできないからです。
まずはこのような企業情報、業界トレンドの理解を求めたいところです。
そしてふたつめは傾聴力です。いくら会社情報に詳しくても、それがみなさんのニーズに合っていなければなりません。そしてみなさんのニーズを理解するためには、キャリアアドバイザーに傾聴力が求められます。
この資質については、キャリアアドバイザーとの初回面談で判断すべきでしょう。6:4以上で、みなさんが話す割合が多いのが理想です。かりにこれが逆転しているようですと、そのキャリアドバイザーはみなさんのことをほぼ理解していないと思ってよいでしょう。
この傾聴力には、仕事上のこと(今までの経験や今後やりたい仕事内容など)についての深堀だけでなく、家庭事情(子供や親の介護等)についても軽く触れることが望ましいです(ただし家庭事情については、求職者が求めない場合は深追いしない姿勢が正しい)。
転職とは人それぞれの事情があり、仕事内容に満足できずに辞める人もいれば、家庭事情により辞めざるを得ない場合があるからです。20代や30代の転職理由の上位には「給与に対する不満」「人間関係」といった回答が上位にきますが、ミドル世代以上になると「家庭の事情」がランクインしてきます。
以上のように、求人情報の詳細情報と、みなさんの希望条件の把握の2点が出来る人こそが優秀なキャリアアドバイザーと言えるでしょう。
キャリアアドバイザーを見極める3つの質問
では、信頼できるキャリアドバイザーに出会うためにはどうしたら良いのでしょうか。
キャリアアドバイザーとの面談時に、以下のような3つの質問を投げかけてみてください。そのときの回答内容からみなさんにとって信頼できるパートナーかどうかを判断する材料になるはずです。
これまでに私が希望する〇〇(業界・職種)での転職支援実績は何件くらいありますか?
キャリアアドバイザーによってはたとえば「若手向けの転職支援しかしたことがない」という場合もあります。支援実績については実際にキャリアアドバイザーに聞いて確認してみるのが良いでしょう。転職支援の実績を確認することで、みなさんが希望する業界、職種に対するそのキャリアアドバイザーの実力が確認出来ます。
私のように親の介護をしながらが働ける求人を、どのくらい紹介できますか?
このような質問は、求人企業の実態を理解しているかどうかを知るのに役立ちます。「在宅勤務、週に〇〇日までOKです」「時短勤務だけでなく時差出勤も可です」「介護休暇の取得率については、50代以上の社員さんの一定数がご利用しているようです」等、具体的な内容を伴いながら求人案件を紹介できるキャリアアドバイザーは本物です。もし曖昧な回答や、ごまかしながらの回答をしてきた場合は、そのキャリアアドバイザーとの転職活動は慎重になるべきサインです。
入社後も、何かしらのフォローをしてもらえるのですか?
転職エージェントのビジネスモデルは成果報酬モデル、つまりみなさんが入社したら求人企業から報酬が支払われる仕組みになっています。そのせいか、なかには面談と求人紹介までしか注力しないというキャリアアドバイザーも散見されるのです。入社後には、前職での不安や不満を払拭して働けることが理想ですので、入社後のフォロー面談がしっかりできるキャリアアドバイザーを選ぶようにしましょう。
以上の3つの質問で、担当キャリアアドバイザーの“本気度”と“実績”を見抜く材料にしてみてください。

前セクションの繰り返しになりますが、キャリアアドバイザーに求めたい資質は、求人企業への深い理解とみなさんへどれだけ寄り添ってくれるかになります。
担当が合わない?“担当変更”前にやるべきこと
キャリアアドバイザーと面談をしてみたものの「どうも合わない」と感じる瞬間があるかもしれません。しかしその「合わない」を放置したままですと、それがいつしかキャリアアドバイザーへの不信感につながり、いつしか担当変更をしたくなることでしょう。
「キャリアアドバイザーが合わない」と感じたら、以下のような対応をしてみるのがおすすめです。
コミュニケーションがすれ違う
例えば以下のような対応が続くと、不信感とともに「このアドバイザーとは合わない」と感じやすいはずです。
- こちらの希望条件を無視した求人案件ばかり紹介される
- メールや電話をしても音沙汰なし。質問が放置される
⇒まずは:あらためて希望条件を明記したシートをメールで送る
⇒ 続いて:次回の面談時に“具体的な質問”を投げかける
メンタル的にモチベーションが下がる
希望する求人が紹介されないだけでなく、紹介されてもミスマッチな案件ばかりや、そもそも連絡がこないといった状態が続くと、いつしか悪いのはこちらのせいではと思い始めることもあり、自己肯定感がガクンと落ちてしまうことがあります。つまり転職活動になったく自信がなくなってしまうのです。
こうなりますと、キャリアアドバイザーとの相性が合わないですとか、担当変更をしたいといった状況を通り過ぎてしまいます。このパータンが一番厄介ですので、あらためて今までの活動を省みることが重要になります。
⇒ 不安リストを作成して事実を列挙してみる
⇒ 同年代の成功インタビューを読む、マインドセットを整える
どうしても合わない場合は担当変更をする
キャリアアドバイザーとの相性。これはみなさんがどんなにがんばっても「(この担当者とは)合わない」を払拭できないことがあります。
キャリアアドバイザーには、いろんな性格や経験を持った人たちがいます。企業研究を熱心にしている人と、あまり関心が無い人。業界研究をしている人とそうでない人。または傾聴力があり、積極的に求職者に寄り添える人と、それらの事がまったく出来ない人。
そもそもキャリアアドバイザーになるには資格の取得は必要ありませんし、乱暴な言い方をするなら誰でもなれるのです。私が勤めていた大手転職エージェントでは、何人もの新卒社員がキャリアアドバイザーをしていました。転職経験も無ければ、社会人としての経験が浅いにも関わらず転職相談をしていました。
このようにキャリアアドバイザーの資質や経験、そして人柄はさまざまなのです。そうすると、みなさんがどんなにキャリアアドバイザーと一緒に頑張ろうとしても、どうしても相性が合わないケースもあるのです。
このような時は、担当変更をするべきなのです。担当変更をするときは以下の2パターンになります。
選択肢 | 対応方法とポイント |
---|---|
エージェントはそのまま | 担当者に直接の変更依頼は気が引けることもあるため、お問い合わせメール等から担当変更の希望を伝える。その際は、変更理由もしっかり明記する。 |
エージェントを変更 | キャリアアドバイザーを信用できず、エージェント自体にも不信感がある場合は、他の転職エージェントに登録し直す。登録から面談などを最初からやり直しになるが、信頼できないエージェントで活動するより良い。 |
登録するならこの転職エージェント

私自身もかつて大手の転職エージェントでキャリアアドバイザーをしていましたが、その時の業界情報などを加味しておすすめの転職エージェントを紹介します。
おすすめ1位:リクルートエージェント(未経験OKな求人が豊富)
求人数約20万件(公開求人のみ)と国内トップ。業界未経験OKの求人を多数保有しており、転職成功者は年間約50,000名。地方拠点が全国に18カ所あるため、地方在住でもサポートを受けやすい。
おすすめ2位:doda(デューダ)(地方求人をお探しなら)
地方優良企業とのパイプが強固で、大都市圏はもちろん、東北・北陸・九州エリアでの求人が豊富。キャリアアドバイザーが現地企業の人事担当と定期的に情報交換を行っているため、「地元企業の雰囲気」をリアルに把握した上で紹介してくれる。
おすすめ3位:パソナキャリア(業界専任コンサルタントの丁寧サポート)
- 特徴:業界・職種ごとに専任コンサルタントを配置し、面談満足度は90%。平均面談~求人紹介までのリードタイムは7日以内。
- 強みポイント:2025年5月に「金融業界専門チーム」を新設し、関連求人が前年比15%増加。キャリア相談重視の人から高評価。
- おすすめ対象:丁寧なキャリアサポートを希望し、企業とのマッチング精度を重視する人。
おすすめ4位:マイナビエージェント(会うを大事にする転職エージェント)
- 特徴:マイナビグループの知名度の高さがあり、就活学生には圧倒的にナンバー1の支持をされている。
- 強みポイント:数年前までは20代と30代を中心とした転職支援に強みがあったが、最近はミドル層からも評価されている。
- おすすめ対象:以前より「会う」「聞く」といったキーワードをサービスコンセプトとしており、求職者に寄り添う姿勢は転職エージェントのなかでも上位に入る。
まとめ
いかがでしたか。転職エージェントの担当と相性が合わないのだけど、そのまま我慢してお付き合いを継続していた方もいらっしゃると思われます。
しかし転職活動は、みなさんのこれからのキャリアや人生を構築する上でとても重大な分岐点になります。そのような重要な場面で遠慮をすることはありません。
この担当者はどうしても合わないな、担当変更してほしいな、と思われたら即行動です。みなさんがベストなパートナーと転職活動を続けていければと思います。
デメリットを知っておくのも重要
そして最後の最後にもう一つ覚えておいてほしいことがあります。それは転職エージェントのデメリットについてです。転職エージェントを紹介する記事はよく見かけますが、そのほとんどが転職エージェントのメリットにフォーカスしたものになっています。しかし当然ですが、あまりメリットだけのサービスもありませんよね。転職エージェントは、上手に利用すれば本当に便利で心強いサービスです。デメリットを理解したうえで、転職エージェント、キャリアアドバイザー選びを行って転職活動を成功させてください。
【著者情報】くまさん(介護と転職のアドバイザー)
年齢 | 在籍期間 | 在籍企業 |
---|---|---|
22~34歳 | 10年 | 金融機関勤務(大手銀行、米系証券会社) |
35~45歳 | 10年 | 大手転職エージェント |
45~50歳 | 5年 | 介護系ベンチャー企業 |
50歳~ | 5年以上 | 独立して介護と仕事のコンサルタント |
年 | 主な出来事 | |
---|---|---|
1970年 | 0歳 | 神奈川県横浜市に生まれる。 |
1992年 | 22歳 | 大学卒業後、みずほ銀行に入行(法人営業担当)。 |
2000年 | 30歳 | 米系証券会社に転職し、主に債券を扱うトレーダーを行う。 |
2005年 | 35歳 | 大手転職エージェントにキャリアチェンジ(ミドル層の転職支援)。広告やプロモーション全部門の責任者となる。またキャリアアドバイザーとしての経験もあり、求職者のお気持ちに寄り添うカウンセリングを得意とした。 |
2015年 | 45歳 | IPO直前の介護ベンチャー企業に転職し、介護事業者の収益改善コンサルティングに従事。特養、訪問介護、通所介護、または有料老人ホームの経営や人事コンサルタント業務を行う。また、一般ユーザー向けには介護の相談窓口サービスを提供し、とくに仕事と介護の両立に悩む会社員をサポートしてきた。 |
2020年 | 50歳 | 独立し「Dr.介護と仕事のアドバイザー」として企業制度設計や講演、情報発信を開始。その流れで本ブログを執筆中。現在に至る。 |
No. | 得意分野 |
---|---|
1 | 介護と仕事の両立支援(一般ユーザー向け) |
2 | ミドル・シニア層(30代~50代)のキャリア再構築・転職支援(一般ユーザー向け) |
3 | 介護人材の採用・定着(介護事業者向け) |
4 | 介護事業者の経営支援(介護事業者向け) |
5 | ダイバーシティ経営(介護離職防止)(介護事業者向け) |
6 | 施設(老人ホーム)選びのアドバイス(一般ユーザー向け) |
7 | 50代以降のキャリア再デザイン(一般ユーザー向け) |
また、このメールでは、希望する求人案件についてだけでなく、たとえば「メールをご覧になられたら、なるべく〇〇日までにご返信ください。週末に確認をさせて頂きます。」といった一文を入れてみるのもおすすめです。