転職エージェントには名刺は渡すべきですか?求人企業には名刺は渡すべきですか?

ビジネスパーソンにとって最低限のビジネスマナーである「名刺交換」。

 

初対面での打合せや提案をする際には、まずはあいさつをしながらの「名刺交換」から始まります。

 

この基本的所作を省いて、仕事の話しが始まる事はありません。

 

また最近少なくなっていますが、仕事上の話し以外でもちょっとした場面で名刺を差し出すビジネスパーソンを見かけます。

 

そしてほとんどの人が自己紹介の際には「〇〇社の〇〇です」とあいさつをします。

 

つまり名刺に書いてある事を口頭で説明しているんですね。

 

このような文化が根付いていますので、あらゆる場面で「名刺を差し出さないと失礼では?」と考えてしまうようです。

 

Dr.キャリアアドバイザー

それでは、転職エージェントの面談や企業との面接の際にはどうなのか?これらのシチュエーションで「名刺が必要なのか!?」を検証します。

 

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転職エージェントの面談で名刺は必要ですか

転職エージェント 名刺

転職エージェントの面談で、名刺は必要ですか?

Dr.キャリアアドバイザー

名刺は必要ありません。日本のビジネスパーソンは、初対面の人に対しては名刺を渡すのがマナーと思われているので、このような疑問が生じるのでしょうね。

 

転職エージェントの面談では、求職者のみなさんから名刺をお渡しする必要はありません。

 

みなさんからの名刺を貰わなくても、みなさんの個人情報についてはデータで保存をしています。

 

データで保存?これはどういう事でしょか?

A君(20代会社員)

Dr.キャリアアドバイザー

みなさん転職エージェントを利用する際に、WEBから会員登録をされましたよね?その際におそらくみなさんの基本的な属性情報を入力したものと思います。

 

【転職エージェントへの会員登録項目】

 

「お名前」

「連絡先(電話番号やメールアドレス)」

「現職か離職中か」

「現在の職種・業種」

「転職希望職種・業種」

「転職希望時期」

「職務経歴書添付(任意)」

 

各転職エージェントによって会員登録の際の項目に違いはありますが、ほとんどの会社で上記のような項目を入力されていると思います。

 

みなさんの上記の属性情報がすでに各社のデータベースに登録されており、みなさんとの面談を通してさらにデータを追加入力して保管するのです。

 

みなさんから名刺を頂かない理由とは

 

Dr.キャリアアドバイザー

転職エージェントとの面談では「みなさんが名刺を持参する必要はありません!」と申しました。じつはこれには転職エージェント側の事情も関係しているのです。

 

個人情報の漏洩事件。

 

定期的に企業がお客様の個人情報を漏洩して、テレビやネットニュースなどでも大きく報道されていますよね。

 

今の時代は個人情報が重要な資産と位置付けられていますので、このような漏洩事件は会社の命運に関わる大問題なのです。

 

そこで各社は個人情報の管理について対策を施しています。

 

とくに転職エージェントのような人材サービスは、みなさんがご登録してくれた個人情報が「会社の資産そのもの」に相当します。

 

それゆえ個人情報の管理はシステムで一元管理されるケースが多いのです。

 

転職エージェントが個人情報をシステム管理しているということですが、それでも名刺は渡さないほうが良いのですか?やはりビジネスマナーの基本でもありますので、少し気になってしまいます。

Bさん

Dr.キャリアアドバイザー

そうですね、みなさん気になりますよね。じつは転職エージェントの立場からすると、「名刺=紙の個人情報」の管理が大変という事情もあるのです。万が一紛失したら大問題になりますので、みなさんの個人情報の管理は一ヶ所に集約したいのです。それでもみなさんが名刺を渡さないことが気になるようでしたら、面談の際にキャリアアドバイザーに確認してみてください。

分かりました、やはり私は気になってしまうので「名刺交換はした方が良いのか?」を、直接キャリアアドバイザーに確認するようにします。

Bさん

 

転職エージェントからは名刺を渡します

 

Dr.キャリアアドバイザー

転職エージェントに名刺を出す必要はありませんが、逆にキャリアアドバイザーからみなさんへは名刺をお渡しします。このタイミングでついみなさんも「名刺を出さないとマズいのでは?」と思われるようですね。

そうなんです。ボクも面談をしたときに、いつもお客さんとは名刺交換をしていますので、名刺を渡さないと失礼になるのではと思いました。

A君(20代会社員)

Dr.キャリアアドバイザー

そのようですね。しかし繰り返しになりますが、皆さんから名刺をお渡しする必要はありません。

 

キャリアアドバイザーから皆さんへ名刺をお渡しするのは、「自己紹介」と「今後の連絡先」をお伝えするためです。

 

面談をしたキャリアアドバイザーは、今後数か月に渡る転職活動において皆さんの選任アドバイザーとなります。

 

そのため求職者のみなさんからの連絡方法が明記してある名刺を渡す必要があるのです。

 

名刺には「名前」「会社名」「部署名」「電話番号」「メールアドレス」「FAX番号」などが明記されていると思います。

 

今後のみなさんからのお問合せについては、上記のいづれかの方法で連絡を行います。

 

採用面接では名刺は必要ですか

転職エージェント 名刺

Dr.キャリアアドバイザー

ごくたまに、このような質問を受ける事があります。ほとんどの人は採用面接で名刺が要らないことを理解しています。

 

採用面接でも転職エージェントとの面談同様で、みなさんから名刺をお渡しする必要はありません。

 

ただしこちらもレアケースですが、採用担当者から名刺を渡されるケースがあります。

 

このような場合は、「ありがとうございます」とお礼を言って、丁重に両手で名刺を受け取るようにしてください。

 

ちなみにみなさんが「採用面接で名刺は必要ない」と思うのは、おそらく新卒の就職活動で名刺を出さなかった(そもそも名刺が無い)経験があるからなのでしょうかね!

 

名刺に関する注意事項について

 

Dr.キャリアアドバイザー

採用面接では名刺交換が必要無いと言いましたが、それでも「名刺交換をしたい場合」「名刺交換を求められた場合」等での注意事項についてを紹介します。

 

名刺を持参していないとき

この場合は素直に「すみません、本日名刺を持参していません」と説明すれば問題ありません。

 

今のご時世ですと、面接のようなオフタイムに名刺を持ち歩く方が「自覚が無い」と思われます。

 

離職中の名刺はNG

離職中の場合、決して前職の名刺を出すような事をしてはなりません。

 

名刺は会社の備品でもありますので、退職時に返却するのが常識です。

 

名刺の受け取り方のマナーについて

 

Dr.キャリアアドバイザー

ここであらためて「名刺の受け取り方のマナー」についてお伝えします。みなさん充分に分かっているとは思いますが、念のためここでもう一度復習してみましょう。

 

名刺を受け取る際には、「両手」で「軽い会釈」とともに受け取ります。

 

その際には立ち上がって受け取るのが基本ですが、机越しに受け取るのは止めましょう。

 

受け取った名刺はすぐにしまうのではなく、自分から見てテーブルの左上側に置きます。

 

そして採用担当者が並んでいる順番にあわせて、名刺を並べるようにしましょう。

 

面接が終了するタイミングで名刺をしまう時には、つい忘れがちですが「頂戴いたします。」の一言を忘れないように注意してください。

 

日本とアメリカでの名刺交換の違い

転職エージェント 名刺

Dr.キャリアアドバイザー

日本では名刺交換は重要なビジネスマナーとして考えられ、とても丁寧な対応を求められます。新入社員がまずレクチャーされるのは、この名刺交換からではないでしょうか。それでは日本とアメリカとの名刺文化の違いを紹介しましょう。

 

それでは日本とアメリカの名刺に対する考え方や扱い方の違いについて見て行きましょう。

 

日本の場合は名刺はとても重要なもので、「両手で渡して両手で受け取る」ほど丁寧な対応がされます。

 

名刺交換の際に、たとえばそれをザツに受け取るような所作をした場合、相手は「わたしのことを馬鹿にしてるのか!」とご立腹されてしまうケースもあります。

 

打合せを始める直前にこのような状況になったら、その後の打合せはうまく進まないことでしょう。

 

このようにとても気を遣うのがこの「名刺交換」なのです。

 

Dr.キャリアアドバイザー

それでは一方のアメリカはどうなっているのでしょうか。

 

アメリカでは初対面の人と話しをするときにも、名刺交換をしないのはフツウの事です。

 

ひと通り話しが終わった後に、その後もコンタクトを取りたいと思った時に名刺交換をします。

 

そしてこの名刺を差し出す際にも日本と違って「片手で差し出し」をしますし、受け取る方も「片手で受け取り」をします。

 

また受け取った名刺は日本のように後生大事に扱うのではなく、胸ポケットやズボンのポケットにすぐ入れるのはごく普通のことなのです。

 

日本とアメリカでは名刺に対する考え方・扱い方がまったく違うのです。

 

まとめ 面談、面接では名刺は必要ありません

 

Dr.キャリアアドバイザー

求職者のみなさんからの質問「面談で名刺は出した方が良いですか?」は、日本人の名刺文化が大きく影響しているのが分かりました。とくにアメリカでの名刺の扱い方と比較をすると、まったくの異文化ですよね。このような日本人の気遣いを感じさせる名刺文化は、個人的には良い文化だと思うのですが、みなさんはどのように感じますか?

 

日本人は「生来の生真面目さ」からなのか、名刺の取り扱いをとても丁寧に行います。

 

これは個人的には良い文化だと思いますし、名刺を丁寧に扱うのは相手を敬う文化なのだろうと理解しています。

 

どこかお辞儀の文化に通じるようにも思っています。

 

日米の違いも紹介しましたが、それでも日本では名刺交換はとても重要な礼儀になりますので基本マナーはしっかりと行いましょう。

 

それでも「転職エージェントとの面談」や「求人企業との採用面接」では、名刺は必要ありませんのでご安心ください。