薬剤師の仕事と親の介護を両立するには?転職、再就職を応援します

仕事さがし

「親の介護が始まり、薬局を辞めざるを得なかった」「復職したいけど、ブランクや年齢が不安」──そんな薬剤師さんへ。

薬剤師という専門職にとって、ブランクは大きなハードルに見えるかもしれません。でも実際には、介護と両立しながら働ける職場や、介護が一段落してからの再就職を支援する環境はたくさんあります。

この記事では、「親の介護をしながらでも働きたい」「介護が落ち着いたので本格的に復職したい」という方のために、柔軟な働き方やキャリアアップの道筋を具体的にご紹介します。

くまさん(介護と転職アドバイザー)
くまさん(介護と転職アドバイザー)

高齢化が進んでいるというニュースをよく耳にしますが、それによって親の介護の世話をするご家族が増えています。そしてそのサポートは多くのご家族で、圧倒的に女性が行っている事が多いようです。自分の親だけでなく、義理の両親のお世話をするケースもあり、仕事と介護の両立が大変な女性が多いようです。そして、薬剤師さんは全国で約32万人ほどいるのですが、そのうち約6割強が女性です。つまり多くの薬剤師さんが仕事と介護の両立に悩んでいるようなのです。

なぜ今、薬剤師の介護離職が増えているのか?

薬剤師の平均年齢は42.8歳。40代〜50代になると、親が後期高齢者になっている場合もあり、親の介護をしながら働くケースが増えているようです。

特に女性薬剤師の場合、家庭内での役割を担うことが多く、「親の通院付き添い」「入退院の対応」「デイサービスの手配」など、介護との両立が日々の生活に重くのしかかります。

勤務先によっては急な休みに対応できない、夜勤や長時間シフトが避けられない、同僚に迷惑をかけることへの精神的負担などが積み重なり、「一度仕事を辞めるしかない」と思われる人も少なくありません。

厚生労働省の調査でも、介護を理由に離職する女性労働者の割合は年々増加傾向にあり、その中でも医療・福祉分野の専門職においては深刻な問題です。

くまさんのコメント:
薬剤師さんの世界って、一般の企業とくらべて意外と柔軟な働き方がしづらい部分もあるようです。それでも最近は『介護を経験した薬剤師さん』の力が求められる場も増えてきているようです。

 

介護中でも働ける薬剤師の転職先は?柔軟な働き方ベスト5

「今はフルタイムで働く余裕がないのですが、少しでも収入を減らしたくないです」「自宅で親の介護の世話をしながらできる仕事を探したいです」といった薬剤師さんの切実な悩みに応える働き方を5つご紹介します。

1. 調剤薬局(週2〜3日・時短勤務)

調剤薬局は地域密着型の小規模店舗も多く、勤務時間や曜日を選びやすいことがあります。ブランクありでも歓迎されやすく、業務はタブレット等による薬歴管理の導入で以前にくらべて業務負担も軽減されています。

2. オンライン服薬指導(在宅対応)

自宅にいながら患者さんとやり取りできる在宅勤務型スタイル。小さいお子さんがいる方や、在宅介護と並行したい方にも最適です。最近は自治体や高齢者施設との提携案件も増えています。

3. 企業内薬剤師(CSO・製薬・健保組合)

製薬企業や健保組合などでの勤務。残業が少なく、土日休み、就業時間も安定。休みが決まっているので、仕事と介護の両立がしやすい働き方です。介護休暇や介護休業などの福利厚生が整った環境も多く、家庭との両立を応援してくれます。

4. 治験コーディネーター(CRC)

治験を通じて医療の発展に貢献できるポジション。医療知識を活かせるうえ、業務時間も安定。未経験者歓迎の求人もあり、異業種転職の第一歩に選ばれることも。

5. フリーランス・派遣薬剤師

自由度の高い働き方をしたい方におすすめ。短時間・週1からの勤務も可能。介護とのバランスをとりながら、収入確保を目指せます。

くまさんのコメント:
“正社員”じゃなきゃダメ!と思い込んでいますと、なかなか両立がむずかしいかもしれません。“今の自分に合った働き方”を選ぶことが一番ですし、今は希望の仕事を選べることを知っておけば、気分に余裕が出来るかもしれませんね。

 

薬剤師が退職・転職を考える主な理由

退職を考え始めたきっかけは、給与条件(34.6%)、人間関係(31.7%)、仕事内容・やりがい(31.4%)、勤務時間・シフト(29.4%)、家庭事情の変化(親の介護・看護など/19.1%)が上位を占めています(弊社インターネット調査2025)。

■ 性別
男性:205人(32.9%)女性:412人(66.0%)
■ 年齢分布
20代:98人(15.7%)30代:164人(26.3%)
40代:124人(19.9%)50代:136人(21.8%)
60代以上:102人(16.3%)
■ 居住地(地域別)
北海道・東北:10.3% 関東:48.5%
北陸・甲信越:3.1% 東海:6.9%
近畿:18.1% 中国・四国:4.6%
九州:8.7%
■ 薬剤師としての経験年数
1年未満:6.3% 1~3年未満:8.7%
3~5年未満:9.2% 5~ 10年未満:20.4%
10~15年未満:10.1% 15~20年未満:11.7%
20~25年未満:12.7% 25年以上:20.9%

年代別の転職理由

  • 40代:給与面で高望みできず、同等以上の条件を求めにくいという声が多い
  • 50代:シニア向けの求人が限られ、希望条件とミスマッチを感じやすい。また人間関係への不満も大きい

これらの傾向を踏まえ、40代/50代の薬剤師が介護と両立できる職場を選ぶ際は、給与の透明性だけでなく、マッチングの精度が高いエージェントや家庭事情への理解がある職場を重視することが成功のポイントです。

では、実際に応募を決める際、薬剤師は転職先にどんな条件を重視しているのでしょうか(複数回答)。

給与条件(年収・月収・手当・賞与など):75.5%
勤務地・通勤距離:67.1%
勤務時間・勤務体系(交替制度・オンコール回数など):66.7%
休日・休暇:63.8%
職場の雰囲気・人間関係:48.6%
残業時間:37.8%
仕事内容・やりがい:37.0%

くまさんコメント:特に、給与水準と通勤の利便性、シフトの融通性が大きく重視されており、介護との両立を図る薬剤師にとっては「無理なく通える」「プライベートの時間を確保できる」環境が最優先されていることが読み取れます。これらのポイントを押さえた求人を探すことが、親の介護を抱える薬剤師の転職成功には欠かせません。

 

ブランク明けでも大丈夫!再就職成功の3ステップ

ステップ1:履歴書と職務経歴書に“介護離職”を明記

空白期間は「親の介護のため」と正直に書いてOK。採用側も状況を理解しやすくなり、信頼を得られる場合も多いです。

ステップ2:転職サイト(転職エージェント)を活用しよう

介護経験のある薬剤師さんをサポートする転職サイト(転職エージェント)も増加中。ライフスタイルに合った求人を提案してくれます。ご自分で求人を調べるよりも、転職サイト(転職エージェント)を利用することでみなさんのご希望の求人を「早く・適格」に紹介してもらえます。

ステップ3:面接では“今できること”と“今後の希望”を伝える

復職したい理由、今のスキル、家庭との両立意欲などを前向きにアピールしましょう。実体験を交えて話すと説得力が増します。

くまさんのコメント:
辞めた理由より“戻りたい理由”を語れることが重要です。介護経験はすごく立派な“人生経験”になります。

 

介護が落ち着いたあとに目指せる薬剤師のキャリアパス

介護が一段落したら、「本格的に再就職をしたい」と思う方も多いはずです。一度離職をしてブランクがある人が復職後に目指せる“次のステップ”をご紹介します。

管理薬剤師へのキャリアアップ

長年の現場経験と信頼性を活かせるポジション。責任はありますが、施設運営やスタッフ育成など、やりがいも大きく、60代で活躍する人も多いようです。

教育・研修職(育成担当・薬学生指導)

調剤チェーンや教育機関での人材育成業務。ブランク明けでも研修経験があれば重宝されやすく、「人を育てる」キャリアを志す人に向いています。

在宅医療薬剤師

地域包括ケアや高齢者支援が進む中で、ニーズが高まっている分野。介護経験がある薬剤師は患者家族の立場も理解しやすく、信頼される存在になれます。

製薬企業・治験・DI(医薬情報)

製薬メーカーやCROでの勤務。書類対応やリサーチ、社内対応が中心で、体力的にも安定した環境が特徴。転勤なし・土日休みの求人も豊富です。

くまさんのコメント:
“介護で離れた”ことがマイナスになるという事はありません。今は“介護を通して得た視点”を評価してくれる企業がちゃんとあります。みなさんが思う以上に、みなさんの介護をした経験は評価されることがありますよ。

 

転職、再就職を応援してくれるおすすめ転職サイト(転職エージェント)

それではここで、みなさんの転職や再就職をサポートしてくれる転職サイト(転職エージェント)を紹介します。転職サイト(転職エージェント)を利用するメリットは以下の通りです。また、転職サイト(転職エージェント)のご利用は無料ですのでご安心ください。

1.みなさんの状況に合わせて、希望の求人案件を紹介してくれます。
2.面接日程の調整などを行ってくれます。
3.面接に自信がないときは、模擬面接なのでアドバイスをしてくれます。
4.履歴書の書き方に迷ったときもアドバイスをしてくれます。
5.内定のあと、年収に納得いかない場合などは年収交渉を代行してくれます。

以上のようなメリットがありますので、転職や再就職のときにはぜひ転職サイト(転職エージェント)をご利用なさった方が良いでしょう。それでは具体的におすすめの転職サイト(転職エージェント)を紹介します。

サイト名 特徴
薬キャリエージェント 薬剤師登録者数No.1。医療業界に特化し、病院・調剤薬局・企業の求人を幅広くカバー。経験豊富なアドバイザーがサポート。
マイナビ薬剤師 大手人材紹介会社運営。求人数が豊富で非公開求人も多数。専任のキャリアコンサルタントによる面接対策や年収交渉支援が充実。
ファルマスタッフ 調剤薬局の求人に特化。特に調剤薬局でのキャリアを目指す薬剤師におすすめ。派遣・パート求人も多くライフスタイルに合わせやすい。
レバウェル薬剤師 豊富な業界知見を持つキャリアアドバイザーが担当。年収アップやライフチェンジに向けた提案が得意。面接同行や履歴書添削にも対応。
リクナビ薬剤師 転職サイト&エージェント機能を併用可能。自分で求人検索をしつつ、プロのサポートも受けられる。全国の病院・薬局求人を網羅。
ヤクジョブ 病院・調剤薬局だけでなくドラッグストアや製薬企業の求人も掲載。地方求人や高年収案件に強く、スカウト機能で自身に合った求人が届く。
くまさんのコメント:
ひとりで探すより、“あなたの事情”をわかってくれる人(=転職サイトのアドバイザー)と一緒に転職活動や再就職活動をした方がスムーズなはずです。遠慮せずに、頼れる人には頼って活動をしていきましょう。

 

Q&A|薬剤師×介護・転職に関するよくある質問

Q1:ブランクが長いのですが、復職できますか?
A:はい。介護離職は正当な理由であり、復職事例も多数あります。研修付きの求人や扶養内からスタートも可能です。

Q2:介護をしながら正社員になることはできますか?
A:可能です。フルタイム以外にも、時短正社員や週4日制などの制度を導入している企業が増えています。

Q3:60代でも仕事に戻れますか?
A:はい。調剤薬局や在宅専門薬局では60代の現役薬剤師も多く活躍しています。年齢よりも「経験」や「柔軟な働き方」が重視される傾向です。

Q4:介護と両立するコツは?
A:家族・行政・ケアマネと連携し、定期的なショートステイやデイサービスなどを活用して「自分の時間」を確保することが大切です。

 

まとめ|薬剤師としての“再出発”を、自分らしく

親の介護のために退職をしキャリアを一度手放すことは、決して後ろ向きな選択ではありません。

それは「家族を大切にしたい」という尊い考え・経験であり、仕事に戻ったときには、それがあなたの新しい強みになるはずです。

柔軟な働き方、理解のある職場、あなたをサポートしてくれる人たちとともに、薬剤師としての新たな一歩を踏み出しましょう。

 

くまさん(介護と転職アドバイザー)
くまさん(介護と転職アドバイザー)

“誰かのために頑張った自分”を、今度は自分自身の未来のために活かそう。あなたの再出発を応援しています。がんばれ、薬剤師さん。

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