仕事との両立や介護サービスの利用方法など、悩みは多岐にわたります。
本記事では、介護に関するよくある悩みや、行政・民間の相談窓口、相談時のポイントについて解説します。
Dr.キャリアと介護のアドバイザー
介護に関する悩みの実例とその種類
佐藤さん(45歳)は、東京でIT企業に勤めるプロジェクトマネージャーです。母親が認知症と診断され、自宅での介護が必要となりました。仕事と介護の両立に悩んでいた佐藤さんは、以下のようなステップで問題を解決しました。
初回相談の実施 佐藤さんは、まず地元の地域包括支援センターに相談しました。そこで、介護保険制度の詳細や利用可能なサービスについて詳しく説明を受けました。
介護サービスの選定 相談の結果、デイサービスや訪問介護の利用を決定。専門のケアマネージャーと連携し、最適な介護プランを作成しました。
企業の支援制度の活用 佐藤さんの勤務先では介護休暇制度が整っていたため、必要な時に柔軟に休暇を取得できるようになりました。また、企業内カウンセリングサービスを利用し、精神的なサポートも受けました。
家族や友人の協力 介護の負担を軽減するために、家族や友人に協力を依頼し、定期的な訪問やサポートを受けるようにしました。
<結果>
佐藤さんは、介護相談を通じて得た情報と支援策を活用することで、仕事と介護のバランスを効果的に取ることができました。母親のケアも充実し、ストレスも大幅に軽減されました。さらに、企業の支援制度のおかげで、職場でのパフォーマンスも維持することができました。
親の「物忘れが増えた」「掃除が行き届かない」といった変化に気づくと、不安が募るものです。ビジネスケアラーとして日常的に見守れない場合、異変を感じたときの対応が重要です。
2. けがや病気が原因で生活が一変
「転倒を機に歩行が困難に」「病気で入院後、退院後の生活が心配」といった悩みはよくあります。特に一人暮らしの親の場合、復帰後の生活設計が課題になります。
3. 介護者自身の負担が限界に近い
介護を続ける中で負担が増し、「施設入所を検討したい」「介護サービスを増やしたい」と考えるケースも少なくありません。介護離職を避けるためにも早期に相談することが鍵です。
<市区町村窓口>
介護認定申請をはじめ、介護保険サービスの利用相談が可能。生活保護が必要な場合も相談できます。
<地域包括支援センター>
高齢者に関する総合的な相談窓口。中学校区単位で設置されており、介護保険の申請代行や生活全般の相談が可能です。
<社会福祉協議会>
金銭管理や福祉サービス全般の支援を提供。特に「日常生活自立支援事業」を通じて、福祉サービス利用手続きのサポートが受けられます。
<老人ホーム紹介センター>
入居施設を探している場合に最適。各施設の特徴や費用、入居条件について詳細な情報が得られます。
・受付:9:00~18:00(土日祝休)
・入居施設の特徴・費用・手続きが無料で比較できます。
オンラインや電話で手軽に相談できる点が魅力。忙しいビジネスケアラーにおすすめです。
・電話:0120-948-922
・受付:9:00~18:00(年末年始除く)
・オンライン・電話で忙しいビジネスケアラーにも手軽に相談可能
・受付:平日 9:00~19:00/土日祝 9:00~18:00
・時間外は24時間 自動応答で受付
<居宅介護支援事業所>
担当ケアマネジャーが、介護サービスの調整や施設入所の相談に対応します。
<医療機関の相談室>
入院中の介護相談に対応。退院後の生活を見据えたアドバイスが受けられます。
地域包括支援センターでの相談事例
▼介護保険申請の手続き支援
「認知症の兆候が出てきたが、申請書類の準備や調査員対応が難しい」
担当スタッフがご自宅を訪問し、申請書の作成から提出、認定調査への立ち合いまで一貫してサポート。高齢者・ご家族の負担を大幅に軽減しました。
▼虐待早期発見・権利擁護の対応
「近所の姉から身体的・経済的虐待を受けているのではと心配」
虐待の有無を確認し、市区町村や警察と連携して保護・支援プランを策定。経済的虐待(年金や貯蓄の無断使用)にも対応し、被害防止に努めました。
▼認知症進行に伴う日常生活支援
「夫の日々の行動(日記)から、『味がわからない』『賞味期限切れの納豆が多数』といった異変を感じる」
日記をもとに生活状況を詳細に把握。ケアプランを再検討し、訪問介護や見守りサービスを強化、安心して在宅生活を続けられるよう支援。
社会福祉協議会での相談事例
▼ケアマネジャーからの金銭管理支援依頼
「福祉サービス利用料を滞納しがちな高齢男性世帯の金銭管理を社協で支援できないか」
社協の相談員(Cさん)がケアマネジャーと連携し、利用料滞納の原因をアセスメント。家計の見える化と支払い代行、必要に応じ成年後見申立て支援を行いました。
▼残金確認が困難な認知症高齢者の支援
「夫が死去し、家賃や公共料金は支払っているが、口座残高を把握できず生活が心配」
︎通帳・印鑑の管理方法をリスクアセスメントし、定期的な残高報告と生活費引き落とし代行を実施。成年後見制度の利用も提案しました。
▼息子による年金搾取の相談
「息子が年金を着服し、介護を必要としているにもかかわらずサービス利用が進まない」
社協が関係機関(警察・市区町村)と連携し、成年後見人の選任支援を実施。息子の金銭管理権限を制限し、適切な介護サービス利用を促進しました。
これらの事例は、地域の身近な相談窓口が「高齢者の生活」「権利」「介護サービス利用のすべてをワンストップで支援している好例です。お困りごとがあれば、まずはお住まいの地域包括支援センターやお近くの社会福祉協議会にご相談ください。
これにより、的確なアドバイスが受けやすくなります。
2. 早めの相談を心がける
介護の悩みを抱え込まず、早めに相談することが重要です。特に介護負担が増えた場合や親の健康状態が変わったときは、迅速な行動が状況悪化を防ぎます。
3. 手軽に相談したい場合は電話やオンラインを活用
時間が取れない場合は、電話やオンライン相談がおすすめです。直接会うのが難しいときでも、気軽に相談できます。
まとめ:介護相談は早めがカギ
介護の悩みは、一人で抱え込むほど解決が難しくなります。仕事と介護を両立するためには、自治体窓口やオンラインサービスを積極的に活用し、早期に行動することが大切です。
ビジネスケアラーとして、親の介護と仕事を両立するためのサポートを受けながら、自身の負担を軽減しましょう。
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